緊急告知!お酒でがんのリスクが414倍!? NHK

<今回はコレ!>

以前、ガッテンでは「食道がん」を取り上げ、
飲むと顔が赤くなるタイプの人がお酒を飲み過ぎると、食道がんの危険度が77倍になることをお伝えしました。
ところが、それよりもさらに危険なタイプがあることがわかったのです。 そのリスク、なんと414倍!
日本でこのタイプに該当する人は、およそ400万人いると考えられています。
お酒と賢くおつきあいするためにも知っておきたい、アルコールとがんの最新情報をお伝えします。

番組ディレクターからひとこと

お酒好きだからこそ知りたかったのです

いきなり私事で恐縮ですが
私は社会人になって14年目。
仕事帰りに、休日に、ほとんど毎日お酒を飲んでいます。
理由は単純。おいしくて楽しくてスッキリするから。
でも、家族もいるので気にはなります。
毎日飲んでいてホントに大丈夫なの?
でもちょっとくらいは飲んだ方が体にいいって言うし。
今後も楽しくお酒と付き合うために調べはじめました。
すると、今まであいまいに思っていたことが
ハッキリしてきました。
でも、お酒のリスクをちゃんと知ったことで
かえって今後の楽しみ方の幅が広がった気がします。
お酒が大好きな方や、
自分の家族の飲み方が少し気になっている方に
ご覧いただけると幸いです。

今回のお役立ち情報
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食道がんのやっかいな特徴

 

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食道がんのやっかいな特徴

食道がんの特徴は、検診などをきちんと受けていても、なかなか発見されないこと。

Aさんは、人間ドックを受け、異常なしと言われてから、わずか1年後にがんが見つかりました。
きちんと検査を受けていたのに発見されなかったのには、わけがありました。

人間ドックなどで、食道を調べるために行われているX線検査では、造影剤を飲み、壁面に凹凸があるかどうか調べます。ところが、早期の食道がんは壁面に沿って広がり、凹凸が少ないため造影剤が引っかかりにくく発見しにくいのです。

また、食道の近くにはリンパ管がたくさん通っているため、ほかの臓器に転移しやすいのも特徴です。

  • 食道がんについては、こちらの回もご参照ください。
    →リスク77倍!食道がん なる人・ならない人
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発がん性物質・アセトアルデヒドと食道の危険な関係

食道がんを招く原因としてあげられるのが、アセトアルデヒドという物質です。
アセトアルデヒドは、アルコールが肝臓で分解されてできます。悪酔いの原因になることが知られていますが、実は発がん性物質でもあります。

アセトアルデヒドは、血管を通って全身に行き渡るものの、健康な人であれば、酵素の働きによって細胞は守られます。
ところが、食道はこの酵素の働きが弱いため、アセトアルデヒドの集中攻撃を受けやすいのです。

とはいえ、肝臓はアセトアルデヒドを無害な物質に分解する働きもあるので、お酒を飲んだからといって必ずアセトアルデヒドによって食道が傷つくわけではもちろんありません。

ところが、遺伝的に肝臓でのアセトアルデヒドの分解が苦手なタイプの人がいます。
普通に飲める人が1日1合(日本酒換算)飲み続けた場合の食道がんのリスクを1とすると、このタイプの人が1日3合以上のお酒を飲み続けたときのリスクは77倍に。
アセトアルデヒドには顔の毛細血管を広げる働きもあるため、77倍タイプの人は、飲むとすぐ顔が赤くなるのが特徴です。

では、414倍タイプの人はどんな人かというと……実は、顔が赤くならないのです。
一体どういうことなのでしょう?

  • 倍率は理論上の数値です。
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注意!顔が赤くならないのに「酒に弱い」人とは

414倍タイプの人が、顔が赤くならないということは、アセトアルデヒドは肝臓でちゃんと分解されているはず・・・と思いますよね。
それなのに危険度が高いというのは、不思議な話です。
実は、このタイプ、アルコールとアセトアルデヒド両方の分解が苦手だったんです。

肝臓でアルコールがなかなか分解されないと、そのまま血液中を流れ、唾液として口の中にしみ出してきます。
すると、口の中に潜む口内細菌によってアセトアルデヒドが作られ、どんどん食道に送られてしまいます。
一方、肝臓でも、アセトアルデヒドは少量ずつ長時間にわたり作られています。顔はそれほど赤くならないものの、体内にアセトアルデヒドがずっと残り続けてしまうのです。

これまで、酒に強い・弱いは、アセトアルデヒドの分解が得意かどうかだけで判断されてきましたが、アルコール自体の分解が得意かどうかもあわせて考える必要があります。

顔色が変わらない、ずっと陽気、次の日も酒くさい、そして、酒を飲み始めたころは赤くなったが今はならない、という人は、414倍タイプの可能性があります。

  • 酔いの出方には個人差があります。
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早期発見で健康を守れ!

なかなか早期には発見しにくい食道がんを見つけるための強い味方が、ヨウ素液を使った検査法。ヨウ素液を食道に吹きつけると、凹凸の少ない早期がんでもくっきりと浮かび上がるのです。

食道がんは、自覚症状がない場合も多いのですが、胸がしみる感じや、ものを飲み込むときの違和感は、食道がんの早期の症状である場合も。気になる場合は、病院へ行くことをおすすめします。
また、中年以降で酒とタバコの量が多い人は、上記の症状がなくても注意が必要です。

  • 病院によってはヨウ素液以外の検査法を採用しているところもあります。
    事前に病院にご相談ください。
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食道がんのリスクについて

アルコールを飲み過ぎた場合の食道がんのリスクについては、大きく4つのタイプに分けて考えることができます。もちろん、危険度の低いタイプの人でも、油断は禁物。飲み過ぎにはくれぐれもご注意ください。
※倍率は、1日1合(日本酒換算)の酒を毎日飲み続けた場合のリスクを1としたときの理論上の数値。
※飲んだ時の特徴はあくまでも目安。個人差があります。

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    • ①のタイプ(飲んでも顔色が変わらない・冷静沈着)
      1日3合以上飲み続けたときのリスク:14倍
      アルコールとアセトアルデヒド両方の分解が得意な人。いわゆる“お酒に強い人”。日本人に占める割合は、およそ50%。
    • ②のタイプ(顔が赤くなる・気持ち悪くなる)
      1日3合以上飲み続けたときのリスク:77倍
      アルコールの分解が得意なものの、アセトアルデヒドの分解が苦手な人。このタイプは元来お酒が苦手だが、しだいに慣れて飲めるようになることも多い。日本人に占める割合は、およそ40%。
    • ③のタイプ(顔色が変わらない・ずっと陽気・翌日も酒くさい)
      1日3合以上飲み続けたときのリスク:414倍
      アルコールの分解もアセトアルデヒドの分解も苦手な人。本来は顔が赤くなる体質だが、その材料となるアセトアルデヒドが少しずつしか作られないので、さほど赤くならない。飲み始めた当初は顔が赤くなったものの、その体質が消えた人は、このタイプかも。日本人に占める割合は、およそ3%。
    • ④のタイプ(顔色が変わらない・ずっと陽気・翌日も酒くさい)
      1日3合以上飲み続けたときのリスク:56倍
      アルコールの分解が苦手だが、アセトアルデヒドの分解は得意な人。気持ち悪くならずに飲める。口内細菌が作るアセトアルデヒドが食道に入るため、決して危険度は低くない。日本人に占める割合は、およそ4%。
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こんな人は病院で検査を

胸がしみる感じや、飲み込むときの違和感などは、食道がんの早期の症状である場合も。気になる場合は、病院へ行くことをおすすめします。
また、中年以降で酒とタバコの量が多い人は、上記の症状がなくても注意が必要です。
飲むと顔が赤くなる人(77倍タイプ)や、最初は赤くなったがその体質が消えた人(414倍タイプ)は特に要注意です。

http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20130410/index.html

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