肥満原因のファーミキューテス菌を減らす方法
大腸は生活習慣病をはじめとして様々な病気に関連し、また生活習慣病の原因になる肥満にも影響を及ぼしていることが分かってきました。
以前、科学雑誌ネイチャーに「肥満に付随してみられるエネルギー回収能力の高い腸内細菌」という論文で腸内細菌ファーミキューテス菌が肥満に関係していることが発表されています。
ファーミキューテス菌優位は肥満のもと
人の腸内細菌の約90%はバクテロイデスかファーミキューテスのどちらかに属しているといわれ肥満の人はやせている人よりもファーミキューテス菌が多くバクテロイデス菌が少ないことが明らかになっています。
バクテロイデス菌の肥満防止作用
バクテロイデス菌は血中の脂肪が脂肪細胞に取り込まれるのを阻害し脂肪を筋肉に取り込んで燃焼させる働きがあることが報告されています。
ファーミキューテスの特徴
一方でファーミキューテス菌はグラム陽性で200近くの属があって腸内細菌や皮膚常在菌、病原菌あるいはヨーグルトなどの発酵食品などに含まれていています。
腸内にファーミキューテス菌が増加すると食事からのエネルギー回収率が高くなり肥満につながると推測されています。
つまり、腸内細菌にファーミキューテス菌が多ければ肥満になりバクテロイデス類が多ければ肥満になりにくいといえます。
やせる薬が誕生するかも
うんち博士で理化学研究所の辨野義己氏は「肥満が腸内細菌によって左右されるのだとしたら近い将来に魔法のようなやせる薬が誕生し生活習慣病の予防に大きく貢献することは間違いありません」と話しています。
やせ薬が誕生までに自分で出来ること
食事を変えれば短期間で腸内環境は変わることが明らかにされています。
その期間も短くて2日から2週間程度で腸内環境が変化するようです。
ファーミキューテス菌が優位な腸内環境からバクテロイデス菌が優位な腸内環境に切り替えるには次の事にトライしてみましょう。
①肥満のもとになる腸内細菌ファーミキューテス菌を減らすには単に食事の量を減らすことです。又は低カロリー食にしてエネルギー量を減らしましょう。
しかし簡単に食事を減らすことは難しいかもしれません。
②バクテロイデス菌を増やす食事をすることです。
食物繊維食品や納豆や豆腐などの大豆製品を摂取する事です。そうすればファーミキューテス菌を減らしバクテロイデス菌を増やすことができます。
バクテロイデスを増やす食品群
機能食品 | 食べ物 |
オリゴ糖 | 玉ネギ、ゴボウ、白ネギ、アスパラガス |
食物繊維 | 海藻、こんにゃく、納豆、野菜、きのこ |
乳酸菌 | チーズ、ヨーグルト、みそ、漬物、甘酒 |
酵母菌 | ワイン、日本酒 (ワインはグラス2杯、日本酒は1合程度まで) |
こうじ菌 | みそ、しょうゆ、米酢 |
納豆菌 | 納豆 |