イヌリン〜血圧降下や血糖値改善の報告が急増している菊芋(キクイモ)成分

イヌリン〜血圧降下や血糖値改善の報告が急増している菊芋(キクイモ)成分

健康雑誌『夢21 2010年5月号』の記事で糖尿病・高血圧の特集がされていました。確かに同様の症状でお困りの方が増えており、対策が急務になっています。
特集の中でも多くのページを割いていたのが「キクイモ(キクイモ)」です。「大人気の血糖降下野菜 キクイモで、糖尿病による足の切断やしびれ、失明も見事に防げる人が続出」と書かれると、興味を持たないわけにはいきませんよね。確かに雑誌記事なので少々オーバーに書いている事もあるのかな?と思いながらも、目を通してみました。
内容は国内外での試験で実証された効果を掲載し、血糖値や肥満の改善症例を紹介し、ヘモグロビンA1Cの数値推移なども載せています。数例の体験談も掲載されていますので、ご興味のある方はご覧になってみては如何でしょうか?
記事中にもありますが、キクイモの主成分であるイヌリンと、その他のビタミン郡やミネラルなどが相乗的に膵臓(すいぞう)の働きを保護していると考えられています。

●キクイモ(菊芋)とは?

菊芋(キクイモ)キク科の多年草で、秋には黄色いきれいな花を咲かせます。草丈は2〜3mと高くなり、花が終わる11月頃になると栄養を蓄えるため、地中に塊茎を作ります。、
菊芋の塊茎は食用として、主に酢漬けや味噌漬けで食べられています。 球根や塊茎に栄養を蓄える植物の多くはでんぷんの形で蓄えるのですが、キクイモ(菊芋)などキク科の植物は、炭水化物の一種でイヌリンと言われる多糖類の一種で栄養を蓄えます。キクイモの塊茎はしょうがに似た形をしています。可食部の8割は水分で、糖質は15%、その半分以上は難消化性のイヌリンです。

●食物繊維

2000年になってから、私達の体に必要な栄養として加わったものがあります。「食物繊維」です。意外に思われるかも知れませんが、それまでは食物繊維は必須栄養素として考えられていませんでした。「第6次改定日本人の栄養所要量」として摂取量が記載されるようになって、初めて私達の体が必要とする栄養となったのです。
古い栄養学では食品から栄養を取り除いた「食品カス」として考えられていたのです。一時期は「玄米は食物繊維が多いので栄養の吸収率が悪く、精白して食するべき」と言われていた事もありました。
日本で栄養学が登場する以前から、アメリカでは「肉食よりも菜食の方が体内で毒が作られにくく、積極的に菜食をすべきである」と菜食主義を唱えた医師がいました。食物繊維を「食品のカス」と考える日本と比べ、1920年代にはすでにベジタリアンの主張が登場するアメリカ。食の西洋化とは言いますが、西洋食=肉食とは、少々偏った考え方なのかも知れません。

食物繊維に対しては「腸内を掃除するから体によい」「消化不良を起こすので腸には良くない」「腸内の宿便を排泄するので肉類の腐敗によるリスクを下げる」「食物繊維が宿便を解消する事はない」等々、様々な主張がありました。
2003年のWHO(世界保健機関)の発表から、食物繊維は体によい影響を与える栄養だと定義され、世界的に見ても「食物繊維=体に必要な栄養素」として認識されるようになっています。最近の発表も考慮すると、食物繊維の効果は次のように言われています。

・野菜や全粒穀物(玄米や玄麦)は肥満や心臓病、2型糖尿病のリスクを下げる。

・果物や海草に多い水溶性食物繊維は、胃で膨張して満腹感を感じさせることで過食による肥満防止に役立つ。

・水溶性食物繊維はコレステロールの代謝や排泄を促進して、コレステロールの吸収を抑える。

・水溶性食物繊維は消化器官で粘度が高くなり、固まりとして消化器官を通る事で血糖値の上昇を抑える。

・野菜や穀類に多い不溶性食物繊維は、排便を促進する。体内での便の排泄が速くなる事で、発ガン性物質が腸内細胞と接触する時間を短くして大腸ガンなどの発生リスクを下げる。

・不溶性食物繊維は腸内細菌の発酵で分解され、腸内細菌が有害細菌を分解するエネルギー源になり、免疫力を高める。

・ダイオキシン類を吸着する作用があり、ダイオキシン類の体内排泄量を4倍程度に高めて健康被害を予防する。

特に結腸や直腸の疾患には、食物繊維の不足や肉食との関連が深いとされています。

●炭水化物の消化とイヌリン

食物繊維は主に植物や海草類、菌類性植物(キノコなど)の細胞壁を作っている物質です。化学的には多糖類といい、沢山の糖が集まって出来た物質です。
デンプンや炭水化物も多糖類なのですが、植物のエネルギー貯蔵に使われるデンプンや炭水化物に対し、食物繊維は細胞を外界から守る役割をしています。化学的に分解すれば、食物繊維もデンプンも炭水化物も、最終的には同じ単糖類になるのです。
デンプンや炭水化物は私達の体にある消化酵素で分解出来るのですが、人の消化酵素では分解されない食物繊維は消化器官で糖に分解される事はほとんどありません。

ところが、「水溶性の食物繊維でありながら、食物のエネルギー貯蔵としてのデンプンのような役割を持ち、人間の消化酵素では消化されない多糖類」という、食物繊維とデンプンの両方の特徴を持った成分があります。
食物繊維は消化器官で分解されないので、体内に糖として吸収される事はなく、腸内細菌の働きで発酵分解して、有益細菌の活動エネルギーとして使われます。
この成分は、「血糖にほとんど影響を与えない食品で、血糖値を適切な水準に調整する効果が期待できることから、血糖値の異常から来る症状を緩和する栄養成分。」として注目されています。
血糖値を適切な水準に保つことでインスリンの過剰な分泌を抑え、余った炭水化物(糖分)を脂肪に変えて蓄えるのを抑制する効果も期待出来ます。その成分は「イヌリン」と言います。

通常、私達が糖分を含む食品や炭水化物を食べると消化器官で分解され、体内に吸収されます。これは人間の体内にある消化酵素の働きで、吸収出来る状態にまで分解しているからです。炭水化物を分解して多糖類にし、さらに単糖類に分解する事で体内に吸収する事が出来ます。
イヌリンも果糖(単糖類)が30個ほど合体した多糖類の一種ですが、炭水化物と違うのは「私達の体内にはイヌリンを分解する酵素が存在しない」と言う事です。
分解酵素がないので、胃や十二指腸を通り抜け、単糖類として分解・吸収される事はありません。
大腸(結腸)内では腸内細菌の栄養として使われます

●腸内環境と免疫力

私達の腸内には100種類(一説には500種類)以上、100兆個以上の腸内細菌がいると言われています。
腸内細菌と聞いて大腸菌を思い浮かべる方もいますが、腸内の大腸菌は0.1%以下に過ぎません。
腸内細菌とは動物の腸管の中に住み着いた細菌群の総称で、便の半分は腸内細菌やその死骸だと見られています。
私達の体に有益な細菌を善玉菌、悪影響を及ぼす細菌を悪玉菌と呼んでいます。善玉菌はビフィズス菌や乳酸菌が多く、悪玉菌はウェルシュ菌や大腸菌などが多いのですが、善玉菌が多く活動する中では悪玉菌は減少します。悪玉菌の中にはニトロソアミンなどの発ガン物質を生み出すものもあります。
腸内細菌は消化器官で分解されなかった栄養を分解し、エネルギーとして活用しながら活動しています。
腸内細菌は、外部から入ってきたウイルスなどの病原細菌が体内で繁殖しないようにする感染防御の役割も果たし、自己免疫力とも密接に関係しています。
そのため、腸内細菌が活動出来なかったり、抗生物質を使用して腸内細菌が減少したときにはウイルスに感染したり、免疫異常(アレルギーなど)の原因にもなります。
肉類などのアンモニアを多く発生させる食品は悪玉菌を繁殖させやすく、タンパク質でも穀類の場合はアンモニアを発生させる量が少ないので、腸内環境の改善には良いとされています。
オリゴ糖やイヌリンなどの多糖類は善玉菌の栄養として使われます。善玉菌が多くなると、花粉症やアレルギーの症状が軽減されるという研究結果もあります。
その他、腸内細菌の中にはビタミンKを供給してくれるものもあり、ビタミンKの欠乏からくる腸内出血(血便)や骨粗鬆症(ビタミンKはカルシウムが骨に定着するのを助ける)を予防する効果も期待出来ます。

善玉菌は腸内で自然繁殖しますが、最近では生きたままの善玉菌を摂取する事で積極的に腸内環境を整えようとする研究が進んでいます。
菌類は生きたままの状態で摂取しないと効果を発揮出来ませんが、消化器官は細菌にとって非常に厳しい環境で、生きたまま腸内まで行くのは至難の業です。
そのため、摂取した全ての善玉菌が有効に腸内で働いてくれる訳ではありません。だからこそ、腸内で生きている善玉菌のためにも、オリゴ糖やイヌリンなどの「善玉菌には栄養になるが、悪玉菌は利用出来ない栄養」を定期的に届けてあげる必要があるのです。

●イヌリンと健康

イヌリンは消化器官で分解されない食物繊維の状態で大腸に到達し、腸内では水分を含んだゲル状で通り過ぎます。
その時に腸内の余分な栄養や糖分を取り込み、排泄されます。イヌリンを多く摂取すると、最初は腹部膨満感を感じます。
それは消化器官で分解されないままで大腸に入る事と、腸内細菌がイヌリンからエネルギーを取り出すときに発酵ガスが発生するからです。摂取を続けているうちに腸内細菌が徐々に馴れてきて、効率良く分解出来るようになりますので、次第に体も馴れてくるようです。

血糖値の高い人向けの食品として、次第に注目されている栄養素がイヌリンです。イヌリンは体内で糖類として吸収されませんので、低GI(血糖値を急激に上げない)食品として、メタボリック症候群対策の栄養素としても活用されつつあります。
その他にも、カルシウムやマグネシウムの吸収を助ける働きも期待出来ます。 炭水化物を極端に制限するダイエット法もありますが、あまりに炭水化物を制限すると集中力低下や栄養不足といった弊害が出る事もあります。規則正しい栄養バランスの整った食生活を基本にしながら、運動や栄養補給食品をうまく組み合わせた生活が、血糖値や体脂肪の正常化にも役立ってくれます。

●ウイルスと免疫力

新型インフルエンザ対策としては、抗生物質よりも日頃の手洗いやうがいが効果的だと言われています。
また、ウイルスが体内に入ったとしても、自己免疫力が正常に働いていると発症前に撃退してくれます。腸内でのウイルス撃退に加え、血管や各細胞では白血球が外敵から身を守ってくれます。
ウイルスが体内に入ると、白血球は懸命に戦って通常よりも速いサイクルで生まれ変わります。
その時に必要になるのは、白血球を作り出すためのアミノ酸やビタミンを積極的に摂取することと、白血球を活発にするビタミンCが多い食品を欠かさず摂る事です。

抗生物質が体内にはいると、ウイルス同様、体内の免疫細胞もやっつけられてしまいます。
免疫細胞の中の外敵データベースも壊れてしまい、腸内細菌も減少してしまいます。あくまでも抗生物質は最後の手段と考え、日頃の自己免疫強化に重点を置いて下さい。

●血糖値だけでないイヌリン

この様に、キクイモの主成分であるイヌリンには血糖値を正常にするだけでなく、腸内環境の改善や免疫にも大きな効果があります。
このキクイモだけを使い、遠赤焙煎のキクイモサプリメント「霧島イヌリン」をお勧めしています
キクイモからイヌリンだけを取り出すのではなく、キクイモだけで小粒に加工したのです。加工方法は企業秘密ですが、商品成分の60%がイヌリンという高イヌリン食品が完成したのです。

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