クレストールの効果と副作用は?添付文書から徹底解説!

クレストールは高コレステロール血症に効果的な薬です!
クレストールとは?
クレストールの効果・作用
クレストールの用法・用量
クレストールの使用上の注意
クレストールの副作用
クレストールの値段・購入方法
おわりに

クレストールは高コレステロール血症に効果的な薬です!

クレストールはコレステロールを正常化するはたらきを持ち、高い効果を発揮することから、高コレステロール血症の治療の第一選択とされることの多い薬です。
週刊現代の誌面で「医者に出されても飲み続けてはいけない薬」として取り上げられたクレストール。

実際には国内のみならず、100か国以上の国で承認され、多くの人に使用されている薬です。
週刊現代で問題視されたクレストールの副作用「横紋筋融解症」についても解説します。

この記事では、クレストールについて添付文書を中心に解説しています。

クレストールとは?

クレストールはどんな薬?

クレストールはコレステロール値が高まって高コレステロール血症を引き起こした時にコレステロール値を低下させるためによく処方される薬です。特に悪玉コレステロールを減少する作用に優れています。

クレストールの適応疾患

クレストールは高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症に適応しています。

市販薬

クレストールは医師の処方箋が必要な医療用医薬品で、現在市販薬は販売されていません。

ジェネリック医薬品

クレストールのジェネリック医薬品は現在販売されていません。

クレストールの効果・作用

作用機序

高コレステロール血症の原因となるコレステロールは人間の身体に必要なものであるため体内で合成されます。
合成する過程に異常が生じ、コレステロールが過剰になることが原因となることが多いため、クレストールはコレステロールを合成する物質にアタックすることでコレステロールの合成を抑え、症状を改善します。

特徴

クレストールは約3日の服用で定常状態に達するため比較的早く効果が感じられ、持続時間も長いことが特徴です。

効果・効能

クレストールは高コレステロール血症および遺伝性の家族性高コレステロール血症の改善に効果的な薬です。

効能・効果

高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症

クレストール添付文書

※効能効果に関連する注意事項を確認しておきましょう。以下をご覧ください。

効能・効果に関連する使用上の注意

クレストールを使用するときは十分な検査をした上で高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であると確認できた場合にのみ服用しましょう。

遺伝性の家族性高コレステロール血症については非薬物療法の補助として、もしくは非薬物療法を行うことが困難な場合にクレストールの服用を検討してください。

1.適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。

2.家族性高コレステロール血症ホモ接合体については、LDL-アフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮すること。

クレストール添付文書

クレストールの用法・用量

用法・用量

通常、成人はロスバスタチンとして2.5㎎または5㎎を1日1回服用します。
※年齢や症状などにより用法用量が変化することがあります。

クレストールを服用するとき、原則として最小の2.5㎎から服用を開始しますが、早期にコレステロール値を低下させる必要のある場合には5㎎から服用を開始することも可能です。

服用から4週経過しても効果が不十分な場合は10㎎まで増量することができ、それでも効果が不十分であれば重症患者に限って1日最大20㎎まで服用することができます。

通常、成人にはロスバスタチンとして1日1回2.5mgより投与を開始するが、早期にLDL-コレステロール値を低下させる必要がある場合には5mgより投与を開始してもよい。
なお、年齢・症状により適宜増減し、投与開始後あるいは増量後、4週以降にLDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には、漸次10mgまで増量できる。
10mgを投与してもLDL-コレステロール値の低下が十分でない、家族性高コレステロール血症患者などの重症患者に限り、さらに増量できるが、1日最大20mgまでとする。

クレストール添付文書

※用法用量に関連する注意事項を確認しておきましょう。以下をご覧ください。

用法・用量に関連する使用上の注意

腎機能の検査においてクレアチニンクリアランスが30mL/min/1.73m2未満と診断された人は1日最大量は20㎎ではなく、5㎎までとなっています。

成人の1日最大量の20㎎服用においては腎機能に影響を与える可能性が高まるため、慎重に経過を観察してください。

クレアチニンクリアランスが30mL/min/1.73m2未満の患者に投与する場合には、2.5mgより投与を開始し、1日最大投与量は5mgとする。

特に20mg投与時においては腎機能に影響があらわれるおそれがある。20mg投与開始後12週までの間は原則、月に1回、それ以降は定期的(半年に1回等)に腎機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。

クレストール添付文書

クレストールの剤型

クレストールは錠剤とOD(口腔内崩壊錠)の2種類の剤型があります。
※OD錠は口腔内で崩壊しますが、口腔粘膜からの吸収により効果発現を期待する製剤ではないため、崩壊後は唾液又は水で飲み込むようにしてください。

粉砕しての服用・半錠服用について

クレストールを粉砕して服用することや、半錠での服用における安全性は確立していないため、医師から特別な指示がない限り通常どおり服用してください。
自己判断による粉砕服用、半錠服用は薬の効果に影響をおよぼす可能性もありますのでご注意ください。

クレストールを飲み忘れたら?

飲み忘れたときは、倍量服用などは避け、気づいたときから通常の服用を心がけてください。
飲み忘れが続いたときや、体調の変化を感じたら漫然と使用を続けず、処方した医師または薬剤師に相談してください。

クレストールの使用上の注意

クレストールを服用してはいけない人

クレストールの有効成分ロスバスタチンに過敏症をおこしたことのあるひと、肝機能が低下している可能性のある人、妊婦または妊娠している可能性のある人、シクロスポリン(抗生物質)を服用している人はクレストールを使用できません。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.肝機能が低下していると考えられる以下のような患者急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸[これらの患者では、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。また、本剤は主に肝臓に分布して作用するので、肝障害を悪化させるおそれがある。]
3.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦
4.シクロスポリンを投与中の患者

クレストール添付文書

クレストールを服用する際に注意が必要な人

腎障害のある人・アルコール中毒者・肝障害のある人は注意が必要です。
横紋筋融解症を発現した多くの人に腎機能障害がみられており、横紋筋融解症による腎障害の悪化も懸念されるため、腎障害またはその既往歴をもつ人は注意してください。

クレストールは主に肝臓で作用するため、アルコール中毒、肝障害の症状悪化の可能性があります。また、腎障害と同じく横紋筋融解症が発生しやすいとの報告もありますのでアルコール中毒者、肝障害およびその既往歴のある人は注意してください。

腎障害又はその既往歴のある患者[重度の腎障害のある患者では、本剤の血中濃度が高くなるおそれがある。一般に、HMG-CoA還元酵素阻害剤投与時にみられる横紋筋融解症の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能悪化があらわれることがある。]

アルコール中毒患者、肝障害又はその既往歴のある患者[本剤は主に肝臓に分布して作用するので、肝障害を悪化させるおそれがある。また、アルコール中毒患者では、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。]

クレストール添付文書

エリスロマイシンなどの抗生物質を服用中の人、甲状腺機能低下症の患者、遺伝性の筋疾患をもつひとも注意が必要です。
クレストールとエリスロマイシンをはじめとするフィブラート系薬剤を併用することで横紋筋融解症があらわれやすくなります。

甲状腺機能低下症、遺伝性の筋疾患、またはその既往歴や危険因子にある人においても同じく横紋筋融解症があらわれやすくなりますので注意してください。

フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)、ニコチン酸、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール等)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン等)を投与中の患者[一般にHMG-CoA還元酵素阻害剤との併用で横紋筋融解症があらわれやすい。]

甲状腺機能低下症の患者、遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者、薬剤性の筋障害の既往歴のある患者[横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。]

クレストール添付文書

※高齢者の使用への注意については以下をご覧ください。

高齢者は使用できる?

高齢者のクレストールの服用は可能ですが、生理機能が低下している場合に副作用が起こりやすいため、慎重に服用してください。
特に横紋筋融解症の副作用があらわれやすいと報告されています。

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら投与すること。また、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。なお、臨床試験では高齢者と非高齢者において本剤の血漿中濃度に明らかな差は認められていない。

クレストール添付文書

妊娠中に使用できる?

妊娠中のクレストール服用に関する安全性は確立しておらず、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告もあるためクレストールを服用することはできません。
妊娠中の人だけでなく、妊娠している可能性のある人はクレストールを服用しないでください。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していないが、ラットに他のHMG-CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎児の骨格奇形が報告されている。更にヒトでは、他のHMG-CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3ヵ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告がある。]

クレストール添付文書

授乳中に使用できる?

授乳中にクレストールを服用すると薬の成分が乳汁へ移行する可能性がありますので、服用しないでください。

授乳中の婦人には投与しないこと。[ラットで乳汁中への移行が報告されている。]

クレストール添付文書

子どもは使用できる?

子どもの使用については使用経験が少なく、安全性が確立されていないため原則として使用は避けてください。

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

クレストール添付文書

クレストールの副作用

クレストールの重い副作用:「横紋筋融解症」の危険性は?

クレストールの重篤な副作用としてよくとりあげられる横紋筋融解症の発現率は0.1%未満と報告されています。
横紋筋融解症は最悪の場合死に至ることもある重い副作用であるため注意が必要です。
しかし、このような症状が重い副作用としてあげられるのはクレストールに限ったことではなく、どんな薬にも効果(作用)があれば副作用があります。

思わぬ副作用の発現を防ぐためにも、正しい服用を心がけることが大切です。

重大な副作用:横紋筋融解症、ミオパチー、血小板減少など

クレストールを服用したとき、まれに以下のような重い副作用が発現することがありますのでご注意ください。初期症状を感じた場合にはできるだけはやく医療機関を受診してください。

以下の重い副作用の発現確率は0.1%未満と報告されています。

重大な副作用 初期症状
横紋筋融解症 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇
ミオパチー 広範な筋肉痛、高度な脱力感や著明なCK(CPK)の上昇
肝炎、肝機能障害、黄疸 AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇など
血小板減少 血液値異常など
過敏症状 血管浮腫など
間質性肺炎 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常など
末梢神経障害 四肢の感覚鈍麻、しびれ感等の感覚障害、疼痛、あるいは筋力低下など

※頻度不明の重い副作用は多形紅斑です。

その他の副作用:皮膚、消化器、精神症状など

クレストールを服用したときその他の副作用として以下のような症状があらわれることがありますのでご注意ください。

発現部位 副作用
皮膚 そう痒症、発疹、蕁麻疹
消化器 腹痛、便秘、嘔気、下痢、膵炎、口内炎
筋・骨格系 CK(CPK)上昇、無力症、筋肉痛、関節痛、筋痙攣
精神神経系 頭痛、浮動性めまい、健忘、睡眠障害(不眠、悪夢等)、抑うつ
内分泌 女性化乳房
代謝異常 HbA1c上昇、血糖値上昇
肝臓 肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇)
腎臓 蛋白尿注、腎機能異常(BUN上昇、血清クレアチニン上昇)

以上のような症状があらわれたときは、処方した医師または薬剤師に相談してください。

クレストールを服用すると痩せる?

クレストールの副作用として便秘や下痢などの症状があげられます。
このような副作用が生じた結果として体重の減少がみられる可能性はありますが、体重の変動は副作用であり、それを目的とした服用は適切ではありません。

クレストールを服用して体重の変動がみられ、その症状がひどいときは処方した医師または薬剤師に相談してください。

筋肉痛の副作用に注意!

クレストールの副作用の1つである筋肉痛は、横紋筋融解症の初期症状である可能性があるため、クレストールを服用して手足にしびれまたは筋肉痛を感じたときはできるだけ早く医療機関を受診するようにしてください。

脱毛は副作用?

現在、脱毛はクレストールの副作用としての記載はありません。
コレステロールの低下が直接的な脱毛の原因となるといった根拠がないため、もし脱毛の症状が現れた場合は生活習慣などの原因も考えられます。
症状がひどい場合は処方した医師または薬剤師に相談してください。

クレストールの値段・購入方法

クレストールの薬価

クレストールの剤型ごとの薬価は以下のとおりです。

クレストールの個人輸入に注意!

クレストールは医師の処方箋が必要な薬です。
しかし、個人輸入等により市販され、通販サイトなどで流通しているものも一部存在します。
個人輸入で手に入れた薬は全て副作用救済制度が受けられず、万が一体に異変が生じた場合の対処法の選択肢を狭めてしまう行為です。

クレストールを服用するときは、正しい効果を得るためにも医師から薬の用量や飲み方についてのアドバイスを受け、服用していきましょう。

おわりに

クレストールは高コレステロール血症に効果的な薬です。
効果に疑問を感じたり、体に異変を感じたときは、漫然と使用を続けずに医師に相談してみましょう。
思わぬ副作用の発現をふせぐためにも、用法用量を守った正しい服用を心がけてください。

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