かんすい 炭酸ナトリウム

かんすい
http://www.ramen.jp/wonderland/himitsu/men/kansui.html より~

西山製麺株式会社
かんすいは、ラーメンの麺にとって欠かす事の出来ない副原料で、これによりラーメン独特のコシと風味、スープとの絶妙なバランスを生んでいると言っても過言ではありません。さて、この「かんすい」とはどんな物なのでしょう……。

☆かんすいの歴史

中国内モンゴル自アルシャンメイ吉蘭泰(ジランタイ)の湖
中国内モンゴル自アルシャンメイ吉蘭泰(ジランタイ)の湖

 

かんすい

かんすいの起源についてはこれが本当の説というものはないのですが、約1700年前頃に中国奥地で湖沼から湧き出る水を小麦粉のこね水に使用したのが始まりではないかと言われています。この水の主成分は「炭酸ナトリウム」だったとのことです。その後は湖沼が乾期に干上がり、湖岸・湖底に残った乾固物を水溶して使っていました。
又、台湾では植物の根・幹・葉を焼いて作った灰汁を小麦粉に混ぜていました。こちらの主成分は「炭酸カリウム」です。
現在製麺業者で使用しているかんすいは、ほぼ100%が粉末かんすい(法規上は固形かんすい)で、色は白く、成分は麺質を考え主に炭酸カリウム・炭酸ナトリウムの混合物、又はこれに燐酸塩を加えた物となっています。
そして今は、昭和62年4月より食品衛生法所定の製品検査に合格した製品にしか日本食品添加物協会発行の「かんすい確認証」が添付出来なくなり、食品添加物として安心して使用することが出来るようになりました。以前は工業用の苛性ソーダ・珪酸ソーダ・洗濯ソーダ等の粗悪品がかんすいの原料として使われ、問題となっていました。

☆かんすいの小麦粉に対する効果
 かんすいを小麦粉に加えると蛋白質(グルテン)に作用し、弾力も展延性も増し食味としてはコシ、滑らかさが増します。これは、グルテンが無機質、アルカリ性の物質に出会うと収斂する性質があるからです。
食塩とかんすいの小麦粉に及ぼす影響を比較しますと、小麦粉に水を加えると足があるがコシがない。食塩水を加えた場合コシは強くなるが足がなくなる。かんすいの場合はコシも強くも長くなると良いことずくめ。このあたりがうどんとラーメンの麺の違いとなって表れてきます。
又、小麦粉中に存在するフラボノイド系色素が、かんすいのアルカリ性と出会い淡黄色に発色します。(但し、札幌ラーメンはよりおいしそうに見せる為、ビタミンB2等で色を調整しています。)さらに、中華麺独特の風味が生じます。

以上のことから、かんすいが札幌ラーメンのコシのある食感とスープとの相性の良さを生み出していることが理解出来ることと思います。かんすいは、ラーメンになくてはならない物なのです。

☆かんすい用語〜これを知っていればあなたも業界人

ボーメ度
かんすいの濃度は「ボーメ度」が用いられています。ボーメ度とはボーメの浮き秤(比重計)によって液の濃度を表示した度数です。ボーメ比重計は純水(15℃)に入れた時に水面と一致する点を0ボーメ度とし、10%食塩水(15℃)に入れた時を10ボーメ度としてこの間を10等分し、この上下に同間隔で目盛りを刻んだもの。かんすいもこのボーメ度で濃度を測っていますが、かんすい10%液が食塩水10%溶液と同じく10度とはなりません。とけている固体の性質が違うからです。しかし、かんすいの濃度はボーメ度で一般的に用いられています。
ボーメ計
ボーメ計
資料提供  横山食品株式会社  札幌市白石区平和通14丁目北4番1号
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 札幌ラーメンが美味しい大きな理由は、麺の製造において手稲山系の良質な雪解け水を使用している点に大きなポイントがあります。札幌のほかにも全国各地にあるご当地ラーメンも水が美味しいところには、有名なご当地ラーメンが多いと言えます。たとえば飯豊山(いいでさん)の雪解け水を使用する喜多方ラーメン、名水百選のひとつ出流原弁天池(いずるはらべんてんいけ)を有する佐野ラーメンなどは、良い例でしょう。
ラーメンを作るには、原料の小麦粉100に対し水35の割合で捏ねることから始まりますが、このことからも水の品質は、ラーメンの品質に大きな影響を与えます。
さて水には、上水道と地下水がありますがどちらの場合でも水道法の水質基準に適合していることが必要です。そしてさらにチェックを要する項目にPH、アルカリ度、硬度があります。
PHとは、水素イオン濃度を示すもので酸性、アルカリ性を数字で表したものです。一般的にラーメンの製造においては、中性から微アルカリ性が良いとされています。
アルカリ度とは、水の中に含まれているアルカリ性物質の含量のことをいいます。自然水のアルカリ物質は、雨水に溶けこんだ炭酸ガスや、土壌中の生物の呼吸で発生する炭酸ガスが、石灰岩を多く含む岩石を通過する際、Ca、Mgを溶解して水中に溶け出すことが要因となっています。製麺においては、アルカリ度が低いことが望ましく、一般的には20ppm以下が良いとされています。
硬度とは、水中に溶けているマグネシウム・カルシウムのイオンの量を数値で表したもので、「軟水」、「硬水」という呼び名で、水質を表す重要な基準のひとつとなっています。ラ―メンを作る際には、アルカリ度が高い「硬水」は不向きとされ、「軟水」が良いとされています。
ここではこれらについての詳細な説明は割愛しますが、ラーメンの製造において、水はきわめて重要な要素で、本州においての水質に恵まれない地域では、水を製麺用に処理することが一般的におこなわれています。

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