ダイエットの天敵?「別腹」つくる脳の分泌物質「オレキシン」とは?

「食後のデザートは別腹」とよくいいますが、これには、科学的根拠があるそうです。

 



満腹になっても食べられる「別腹」の正体を知りたい

(2009/10/13、R25)

畿央大学で健康栄養学を教える山本隆教授によると「人がケーキなどを見ておいしそうだと感じたときに脳の視床下部から分泌される『オレキシン』という物質が深く関係している」とのこと。

別腹には、オレキシンという物質が関係しているそうです。

どのような仕組みになっているのでしょうか。

「オレキシンが分泌されると、胃や消化管の運動が活発になり、蠕動運動により胃の内容物を十二指腸へと送り出します。

そうすることで、胃の上部に新しく余裕が生まれて、ケーキなどが入るという仕組みになっています」

オレキシンが分泌されることで、胃や腸が活発に動くことで、胃に余裕が生まれる=別腹ということのようです。

また、この別腹というのは、甘いデザートに限ったことではないそうです。

「『別腹』は甘いものだけではありません。

脳が“おいしい食べ物”だと認識するとオレキシンが分泌され、胃にスペースが生まれます。

ただ、甘いものは、特に食欲を高める効果があることがわかっています。

カロリーが高いことが多く、効率的にエネルギーを摂取できると本能的にわかっているのでしょう。

甘いものに対して別腹が生まれやすい原因のひとつかもしれません」

甘いものに限らず、脳がおいしい食べ物だと認識するものであれば、オレキシンが分泌されるそうです。

もしかすると、大食いの方は、このオレキシンが多く分泌されていて、胃のスペースを広げているため、より多くの量を食べることができているのではないでしょうか。

また、さらに記事には興味深いことが。

「男女とも、甘いものを見たり食べたりすると快楽物質“βエンドルフィン”が脳内で分泌されます。これによって『おいしい』とか『もっと食べたい』などの反応が出るのですが、オスよりもメスの方がβエンドルフィンに高く反応するんです。

ですから、男性よりも女性が『満腹でもケーキを食べたい』と感じるのは自然なことだと思います」

記事によれば、ラットを使った動物実験では、甘いものに対しての反応はオスよりもメスの方が高いとの結果がでているそうで、女性が別腹と言っていることが多いと感じるのは、ごく自然なことみたいです。

ただし、あまりにも「別腹」を許すと、カロリーオーバーになって、あわててダイエットすることになるかもしれないので、ご注意を。

空腹ホルモンダイエット9~食べ過ぎなのにさらに食べたくなるのは …

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お腹がいっぱいなのに、「デザートは別腹」、「残すのはもったいない!」と食べ続けると脳からオレキシンという神経細胞が分泌されます。オレキシンは1998年に発見された神経ペプチドで、摂食と睡眠に深く関わっている成分。食べ過ぎで、オレキシンが過剰に分泌されると、脳を覚醒させて睡眠障害を招くこともわかっています。動けなくなるほどご馳走三昧だった夜に寝つきが悪くなってしまうのは、オレキシンが災いしているかもしれません。

特にダイエットの反動や日常の様々なストレスから“やけ食い”傾向に陥っている時は、オレキシンが猛威をふるっています。また、食事の量よりもスイーツがやたらと食べたくなる“甘味依存症”も糖分でオレキシンが活性化されてしまいます。三度の食事が炭水化物ばかりという人も、炭水化物は体内で糖質として処理されるので、スイーツ同様に注意が必要です。

食べ過ぎ傾向の時や、スイーツや炭水化物ばかり食べてしまう人は、“食事を残す勇気”を持って、次の一口をグッと堪え、満腹中枢からレプチンというホルモンが分泌されるのを待ってみましょう。レプチンはオレキシンを抑え、食欲も抑えてくれるありがたい存在。食後20~30分ほどで分泌されます。ダイエットをしていても、お腹いっぱい食べることを自分に許すと、努力が水の泡となってしまいます。このレプチンの分泌を待つ20~30分のガマンが、ダイエットの明暗を分けることになるでしょう。ヒトのカラダには素晴らしい機能があるので、大いに利用してオレキシンの猛威に負けないようにしましょう。

また、食欲を抑えることができても、オレキシンが過剰分泌されていると、その影響で神経が興奮状態になって夜、目が冴えてしまう場合もあります。オレキシンは、睡眠時に分泌されるGABAという成分で静まる仕組みになっていますが、なかなか眠れない時は、お風呂に入ったり、生姜湯を飲むなどして体温を上げ、その後、体温が冷えていく過程でGABAと共に副交感神経が優位になって眠くなってくるので、このタイミングでベッドに入りましょう。

睡眠不足が続くと、食べ過ぎ傾向になりやすいグレリンやオレキシンの過剰分泌を誘うことにもなるので、ダイエット中の時こそ、睡眠時間の確保も大切です。