フリーラジカル(活性酸素)とは

フリーラジカル(活性酸素)とは、脳などの細胞が脳梗塞などで障害を受けた場合に、障害を受けた細胞から放出される「活性因子」です。この「フリーラジカル」が周りの脳細胞に影響を与えて、脳梗塞による被害をより広げてしまう「遅発性神経細胞死」という現象を引き起こします。
「脳が特にフリーラジカルからのダメージを受けやすいのには、二つの理由がある。一つは、脳が常に活発に働いている臓器であるため、フリーラジカルの生まれる温床になりやすいこと。脳細胞はエネルギーを作るために、常に血液と酸素の潤沢な供給を必要としている。これが、フリーラジカルの生成量を増やすことになる。二つ目の理由は、脳の50%が脂肪で出来ていて、酸化しやすい材料が豊富にあることだ。」 レスター・パッカー博士(米国、カリフォルニア大学バークレー校)

化学的に述べると次のようになります。 まず体内に入った酸素は他の物質と結びつく過程で、電子を1個余分にもらうことがあり、スーパーオキサイド・アニオンと呼ばれる、大変不安定で反応しやすい酸素に変わります。これが活性酸素の母体となり次々と他の物質と反応して、過酸化水素、ヒドロキシラジカルなどの第一次活性酸素を産生します。そしてさらに、この第一次活性酸素は脂質などと反応して、過酸化脂質や各種酸化物質をつくり出すのです。これらを一括して「活性酸素」と呼ばれています。