脳保護療法(活性酸素除去剤)

脳保護療法(活性酸素除去剤)

活性酸素除去剤を用いる治療方法

脳梗塞の治療法として存在している「脳保護療法」とは、活性酸素除去剤を用いて活性酸素(フリーラジカル)を低減、脳梗塞による被害を軽減しようという治療法です。

活性酸素は細胞を傷つける

脳梗塞を起こすと、血流が止まることによって脳の一定範囲が機能停止します。これにより各種脳神経症状の発作が起きるのですが、この時点では、まだ脳細胞が壊死はしていません。また、脳梗塞の範囲に入っていても、微量の血流があって仮死状態に置かれている脳細胞も結構存在します。

しかし、脳梗塞により血流が止まった箇所では、血中に活性酸素が生成され、周辺細胞を傷つけるようになります。これにより、直接の血流停止以外でも脳細胞がダメージを受ける場合が有るというわけです。

脳梗塞による細胞のダメージを局限する

脳保護療法では、活性酸素除去剤(エダラボン)を使用してこうした活性酸素の悪影響を抑え、脳梗塞による脳細胞のダメージを局限しようとします。この脳保護療法は、発症から24時間以内を目安に施療します。それを超えると活性酸素発生も収まり、脳梗塞によるダメージ範囲が確定するからでしょう。

脳梗塞による二次被害を抑えるのが脳保護療法ですので、その他の治療法と同時並行で行われることが多く、特に脳梗塞の種類を選びません。しかし、腎臓機能に対してはダメージを与えるようで、副作用として急性腎不全を起こす例も報告されているようです。その他に明確な禁忌症はないようなので、比較的広く用いる事のできる治療法だということが言えるでしょう。