PHはなぜ下がる?そして対処は? (海水魚水槽の水質維持のお話の続編)

人工海水塩 重曹だけでできる。硝酸塩(灰汁)は分解してなくなる。

人体も同じ作用か?重曹だけで十分である。

魚の呼吸で 炭酸ガス、がでる。酸性化する。アルカリ不足で病気に

もともと海水は弱アルカリ。人体の酸性化が、病のもと。重曹で解決か !

人の腸内、体液と水槽の水Ph

http://blog.livedoor.jp/ebimedaka/archives/52512062.html より~

 

海水魚を飼育する上でPH維持の問題は非常に重要ですし、避けては通れない厄介な問題です。
PHが下がることで発症する摂食障害は、その後様々な問題を引き起こします。
白点病やトリコディナ・リムフォシスティス・ウーディニウムなどの症状も摂食障害が元で起こっているとネイチャーアクアリストでは考えています。

もちろん薬剤による捕獲など行われている場合にはこの限りではありませんが、水槽を維持する上でろ過システムと同様に、PHの確認や維持は非常に重要な作業であることは間違いありません。

海水魚水槽でもPHが落ちやすい(下がり易い)水槽と落ちにくい水槽があります。
なぜこのような事が起きているのでしょう?
これまでのPH低下の理由とされてきた硝酸塩の堆積は実際どの程度の影響を与えるのでしょう?
実はこの数年(正確には2014年2月から)PH維持のための重曹を使ったプチ研究を行っておりますが、少しずつこれまで言われてきたものとは違った現象や答えが見えてきました。

<硝酸塩を分解するもの>

これまで言われてきたように硝酸塩が蓄積するとPHが下がると言う理論は一見正しいようで実は的を得ていないように感じます。
もちろん硝酸塩が蓄積することとPH低下は密接な関係を持っていますが、結論を硝酸塩ありきで考えるといろいろと辻褄が合わないのです。

では、PHの下がる原因のもっとも大きい理由とは?
それは魚や生体の呼吸であると私は考えています。
魚が排出する二酸化炭素が酸性化を促していると考えた方が辻褄が合うのです。

我が家には数本の水槽があり、中には殆どPHが下がらない水槽があります。
その水槽では目に見える生体が「クマノミ1匹・カミナリベラ1匹・カエルウオ1匹・サラサエビ5匹・テッポウエビ1匹・タカラガイ1匹・オウギガニ2匹」以上です。

上記を60cmのレグラス水槽で飼育していますが、水の交換を忘れるほどPHは下がりません。
比して、毎日のようにPH維持が必要な水槽があります。
ハリセンボン水槽です。
ハリセンボン水槽は120cm規格水槽で、120X50X45です。

生体は「ハリセンボン3匹・メジナ1匹・磯蟹やオウギガニなど数匹・ヤドカリ多数・イソスジエビ多数」といった感じなのですが、実はこの2つの水槽に共通していることは硝酸塩濃度は殆ど「0」です。
にも拘らず、PHは片や下がらず、片や毎日補正が求められます。
つまり硝酸塩濃度とは違ったところでPH低下の問題が起きていることになります。

ところで硝酸塩の除去方法は非常に簡単です。
硝酸塩分解のグッズがいろいろと売られていますが、はっきり言って必要ありません。
なぜなら重曹でPH維持をすることで硝酸塩も消えてしまうからです。
硝酸塩の除去剤とは単純に重曹です。

<重曹使用のメリット・デメリット>

重曹を使ったPH維持では、使用方法によっては問題も起こります。
例えばですが、硝酸塩が溜まりに溜まった水槽で重曹を使えばどうなるか・・・これは非常に問題があります。

理由としては、重曹が硝酸塩を分解する過程で極端なPH低下が起こるからです。

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PHが低下して補正すべく重曹を加えると、水に溶けだしたところから還元作用が起こります。
上記のグラフで投入後に著しくPHが下がっているのが解ると思います。

この時には水槽内で二酸化炭素や窒素がガスとなって充満している状態です。
早い話一時的に酸欠状態となるわけです。
ですから硝酸塩が溜まりに溜まったような水槽で重曹だけでPHを上げようとするのには無理があります。

重曹とは単純にPH上昇剤ではなく、あくまでも還元剤であり水質安定剤でもあるわけです。
ですから、重曹を使っていない(現実にはあり得ないが)人工海水は多分存在していないと考えています。
問題は飼育する生体によって、配分が違うだけです。

つづきます