大豆と糖質の少ない野菜・果物を多く摂取する

◇ 大豆と糖質の少ない野菜・果物を多く摂取する

【大豆は抗がん作用をもつ成分の宝庫】

豆類はマメ科植物の種子として、植物が成長するために必要な栄養素を蓄えているため、極めて栄養豊富な食料です。また、昆虫や鳥や動物から食い荒らされないように、渋みや苦みの成分や、毒作用をもった成分も含有しており、このような成分は抗菌・抗がん作用を有する場合もあります。したがって、栄養成分としてだけでなく、感染予防や、がん細胞の増殖抑制やがん予防効果も期待できます。しかし、豆類の多くは糖質も多いので、がんのケトン食療法では摂取量が制限されます。
豆類の中で糖質が比較的少なく、抗がん作用をもつ成分を多く含むのが大豆です。他の豆類は、糖質を40〜50%、蛋白質は20〜25%程度であるのに対して、大豆は糖質11%、蛋白質35%と低糖質・高蛋白が特徴です。豆腐や納豆など大豆製食品は糖質制限食でも十分に利用できます。
大豆は昔から良質なたんぱく源として知られ、健康増進やがん予防に有効な様々な有効成分を含むことでも知られています。豆腐や納豆など大豆製品を豊富に摂取する人たちには、がんの発生が少ないことが疫学的に証明されています。大豆に多く含まれる「イソフラボン」という成分は、女性ホルモンの作用に影響して、乳がんや前立腺がんを防ぐ効果が報告されています。さらに、がん細胞に養分を与える腫瘍血管が育たないようにしてがん細胞の増殖を抑える働きや抗酸化作用も知られており、多くのがんの再発予防にも効果が期待できます。大豆は日本人の長寿を支える伝統食であり、調理法も多彩ですので、がんのケトン食療法でも、利用価値の高い食材です。

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