米国で再び脚光浴びるホメオパシー
ホメオパシーにしても、縄文電磁波医療にしても、あるいは古く日本の伝承医療
にしても、狭い化学では、解釈できないことが、動物、人間周辺には多い。
科学が正しいのか、ウソを教えられてるのか、ダーウインの進化論、アインシュ
タイン、キリスト教団との対立で、真実は別のとこにあるようだ。
http://www.daiwa-pharm.com/info/world/2447/ より~
2005年2月記事 vol.9
米国で再び脚光浴びるホメオパシー
いわば毒をもって毒を制す—ホメオパシー療法が今、米国で見直されている。治療対象となる疾患と同じような症状を起こす物質をごく少量投与し、患者の抵抗力・自然治癒力を高めていくという療法だ。米国で、今またホメオパシー・ブーム再燃の波が押し寄せている。
悪い症状を押し出す根本療法
ホメオパシーの「ホメオ」は「似たもの」、「パシー」は「病気」という意味。ホメオパシーは同種療法、類似療養ともいわれる。症状を起こすものは、その症状を治せるという原理に基づいた療法だ。
たとえば、風邪の際の咳きや吐き気などの症状をとりたい場合は、患者にイペカックという逆に吐き気をもよおすホメオパシー薬を与える。イペカックは南米原産のアカネ科の低木で、健常者が服用すると、咳きや猛烈な吐き気を伴う。
ホメオパシー薬は、直に投与すれば症状はますます悪化してしまうものを、極限まで薄めて極少量与える。一時的に症状が悪化するようにみえるが、しばらくすると好転していく。
悪い症状を抑えるのではなく、逆に出し切るよう後押しする。それにより患者の自然治癒力は高まり、身体を根本から立て直すことができる。薬で症状を抑え込もうとする西洋医学とは対極にある発想だ。
ホメオパシー薬は、薄めれば薄めるほど効果があるといわれる。その効用はすでに確認済みだが、なぜそのように極限まで薄めたものが効くのかは、現在のところ未だ解明されていない。
19世紀後半から、西洋医学の進歩に伴い片隅に追いやられる
病気を起こすことができるものは、その病気を治すことができる――そう提唱したのは、医学の祖とされるギリシャのヒポクラテスである。ドイツの医師サミュエル・ハーネマン(1755~1843)はその理論を治療で実践した。今から約200年前のことである。
当時マラリアの特効薬といわれたキナの樹皮を煎じて服用したところ、高熱、発汗といったマラリアそっくりの症状が出ることがわかった。ハーネマンは、これにヒントを得て、ヒポクラテスの理論に基づきホメオパシーを構築したといわれる。
アメリカへは1825年、ヨーロッパでホメオパシーを学んだボストンの医者、ハンズ・バーチ・グラム氏によって伝えられた。加えて、母国でホメオパシーのトレーニングを受けたヨーロッパからの移民により広く普及していった。
1835年にはペンシルベニア州にホメオパシー専門のメディカルスクール第1号が誕生した。第1期ブームの最盛期には、医者の8%がホメオパシーを治療 にとりいれ、ホメオパシー専門の医学部も20校を数えるまでになる。実践する病院は100施設を超え、正式な医療行為として定着していった。
ところが、19世紀後半から20世紀初頭にかけて状況が一変する。病原菌やワクチンが発見され、治療のメカニズムが科学的に立証できる西洋医学が目覚し く進歩したからだ。その後、西洋医学偏重という時代の流れにのまれホメオパシーは衰退の一途をたどる。ホメオパシー専門の医学部は閉鎖へと追い込まれ、大方が西洋医学へと乗り換える。
食品医薬品局(FDA)の食品・医薬品・化粧品法のもとに製造・販売が認可
そして現在、第2のホメオパシー・ブームが到来している。 これまで治療システムとして絶対的だった西洋医学が限界に突き当たり、代わりに、人間を「体、心、気、霊性」などの全体像としてとらえるホリスティック医学への関心が高まるようになる。ホメオパシーもその流れに乗っているといえるだろう。
ホメオパシーの本格的なブームは90年代に入ってから。それまで健康食品店など限られた店でしか手に入らなかったホメオパシーの治療薬が、Kマートなど 大手量販店でも買えるようになったことが大きなターニングポイントとなった。また、商品名も今ひとつ一般消費者に馴染みのない専門的なものが多かったが、 「季節アレルギー」といったわかりやすいものに変わったり、パッケージデザインも消費者受けするよう工夫され、マイナーなイメージからみごとに脱却をはたした。
ちなみに、ホメオパシー治療薬は、連邦食品・医薬品局(FDA)の食品・医薬品・化粧品法のもとに製造・販売が認可されており、処方箋なしで手軽に購入できるのも人気の秘訣といえるだろう。
不眠、筋肉痛、頭痛、胃痛、アトピーや花粉症など幅広い治癒範囲
昨年、内科学会誌に掲載された調査報告によると、アメリカでホメオパシーの利用者は過去10年間に500%増加。また、米ホメオパシー薬剤師協会の調べでは、ホメオパシー治療薬の総売上は昨年約4億2500万ドルを記録したといわれる。
ある物質を健康な人に投与して症状を起こさせる実験を「プルービング」という。ホメオパシーの各治療薬がどんな症状に効くかの重要な情報源となる。プルービングにより現在、確認された治療薬は約2000種類。すべて植物、鉱物、動物といった自然界に存在するものから作られる。
ホメオパシー療法は、患者一人ひとりの細かい症状を調べ、症状の全体像に対応する治療薬を検討する。利用範囲は、インフルエンザ、耳の痛み、不眠、筋肉 痛、頭痛、胃痛から、慢性病といわれるアトピーや花粉症、リューマチなどの自己免疫疾患、ガンやエイズが引き起こす症状まで幅広い。
そして、最近、注目されているのが精神障害への効能。全米総人口の11%を苦しめているというパニックアタックといった症状にもホメオパシー治療薬が功を奏するといわれる。また、年間1480億ドルといわれる精神障害医療費の6%近くを占める強迫観念症にもホメオパシーの有効性が注目されている。既存の 医薬品よりもホメオパシーが効くという報告まであるほどだ。
効くのはただのプラシーボ効果と批判も
こうして西洋医療のいき詰まりから見事に返り咲いたものの、ホメオパシーも代替医療のひとつ。他の代替医療と同じように、現実に疾患が治り、効くことは分かっていても、具体的な効き目のメカニズムが科学的に解明されていないことから、西洋医学一辺倒の医者や科学者らの間から効果を疑問視する声が挙がっている。主だった声をひろってみると――
・「病気を引き起こすものが、病気を治す」というのは矛盾している。
・元の分子が確認できないほど薄めたものがなぜ効くのか?
・効くのは、「薬を飲んだから治る」という単なる心理的効果(プラシーボ効果)にすぎない。
・効き目のメカニズムが科学的に解明されていない。
権威ある医学誌「ランセット」で効果の検証報告を掲載
しかし、こういった疑問が指摘される中、効能を裏付ける研究報告も次々と発表されている。権威ある医学誌「ランセット」に1997年、ホメオパシーの効果に関する89の研究報告を検証した結果を掲載している。ホメオパシーが効くのは、心理的効果(プラシーボ効果)かどうかを検証。結果、ホメオパシーは、薬理作用のない物質を実薬と同じように加工したプラシーボ(偽薬)よりも効き目があることがわかったと結論づけている。
最近では、アレルギー、子供の下痢、インフルエンザへの有用性を科学的に立証したバージニア州のサムエリ研究所の研究報告が内科学会誌に掲載され話題を呼んだ。
ホメオパシーに関して、常にさまざまな議論が行きかうが、大事なことは「現実に治っている患者がいる」という事実だ。他の代替医療と同じく、西洋医学と併用した治療の選択肢のひとつとして今後ますます注目されそうだ。