武田邦彦 塩をとると高血圧になるのウソ、終止符を!

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コレステロール摂取量に関する声明

日本動脈硬化学会

http://www.j-athero.org/outline/cholesterol_150501.html より~

コレステロール摂取量に関する声明

 

日本動脈硬化学会
2015年5月1日

 

最近、米国学会および行政機関よりコレステロール摂取に関わるガイドラインおよびレポートが発表された。すでに日本動脈硬化学会はコレステロール摂取に関わる見解を表明しているところであるが[1]、今回の米国での発表に接し、改めてコレステロール摂取に関わる日本動脈硬化学会としての見解を表明する。

2013年秋にアメリカ心臓病関係の学会であるACC/AHAが、生活改善のためのガイドライン「心血管疾患リスク低減のための生活習慣マネジメントのガイドライン」を発表した[2]。そこで、「コレステロール摂取量を減らして血中コレステロール値が低下するかどうか判定する証拠が数字として出せないことからコレステロールの摂取制限を設けない」との見解が出された。2015年2月に米国農務省USDAから一般国民向けに発表されたガイドライン作成委員会レポート[3]において、ACC/AHA同様、食事中コレステロールの摂取と血中コレステロールの間に明らかな関連を示すエビデンスがないことから、これまで推奨していたコレステロール摂取制限を無くすことが記載された。我が国の「2015年日本人の食事摂取基準」[4]では、健常者において食事中コレステロールの摂取量と血中コレステロール値の間の相関を示すエビデンスが十分ではないことから、コレステロール制限は推奨されておらず、日本動脈硬化学会も健常者の脂質摂取に関わるこの記載に賛同している。ただし、このことが高LDLコレステロール血症患者にも当てはまる訳ではないことに注意する必要がある。

日本動脈硬化学会は、まず動脈硬化性疾患へのリスクを正確に評価し、それに沿ってリスクを減らすような生活習慣を改善する包括的管理が大切であることを動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012において提唱している[5]。この考え方は、ACC/AHAガイドラインの脂質に関する生活習慣マネジメントと一致するところである[2]。高値となった血中LDLコレステロールを減らすためには、生活習慣、運動、食事など包括的に修正することが大切であり、コレステロール摂取のみを制限しても改善はほとんど期待できない。特に摂取する脂質に焦点を当てる場合、コレステロールだけではなく、脂肪酸のバランスに留意することが大切である。このような見解から、具体的な食事療法として、米国ではDASH食などが推奨されているのに対し、我々の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012では、伝統的な日本食(The Japan Diet)を推奨している[5]。伝統的な日本食はDASH食などと同様に、抗動脈硬化的であることが我が国の研究で多数示されており、減塩に留意したうえでの日本食を勧める。このなかに、高LDLコレステロール血症患者が食事療法を行う注意点として、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロールの3種類の脂質成分の摂取をとりあげている。日本における摂取実態を鑑み、飽和脂肪酸4.5%以上7%未満、トランス脂肪酸の摂取を減らす、コレステロール200mg/日以下とした。食品にはこれら3種類がさまざまな量で含まれており、別々に摂取しているわけではない。そのため、食品を組み合わせることができるように、これらの数値をそれぞれ成分表示することを提案し推進してきた。コレステロール摂取量と血中LDLコレステロール値との関連を示すエビデンスが不十分である一因として、コレステロール摂取制限を行った場合、血中LDLコレステロールが低下する人と低下しにくい人があり、個体差が大きいことが知られる。高LDLコレステロール血症の食事療法を行う場合、食事のなかの摂取バランスとさまざまな生活習慣のなかで摂取する個々の差を考慮し、我が国の平均摂取量を下回る数値を実践することで、薬物療法を始める前に生活改善による効果を確認していただきたい[6]。上記の脂肪酸やコレステロールの摂取量は、超過してはいけない値ではなく、目安となる平均摂取量であり、時にはたくさん摂取しても常日頃は抑えておこうとするのが大切である。担当医と管理栄養士がより正確に個々の食事摂取内容を把握し、そこからバランスを考慮して現状よりも摂取量を低下した食事を実践し、その評価を行うことが推奨される。また脂質を減らすだけでなく、包括的な食事内容の改善を試みること、例として食物繊維を多く含む大豆製品、海藻、野菜類を増やすことが大切である[6]。事実、これらは血中コレステロール値を下げることが明らかにされている[6]。

大切なポイントは、肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、高トリグリセライド(中性脂肪)血症の方は、摂取エネルギー(カロリー)を制限する必要があるが、高LDLコレステロール血症の方は、より飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量に注意する必要があるということである。食材の選び方や献立の工夫については、日本動脈硬化学会の脂質異常症治療ガイド2013年版を参照していただきたい[6]。動脈硬化を防ぐには、高LDLコレステロール血症だけでなく、血圧や血糖値のコントロール、禁煙や運動など包括的な生活習慣の改善を介した予防が大切である。

引用文献

  • (1) ACC/AHAガイドラインに対する日本動脈硬化学会の見解 日本動脈硬化学会HP http://www.j-athero.org/outline/guideline_lifestyle.html
  • (2) Eckel RH, et al. 2013 AHA/ACC Guideline on Lifestyle Management to Reduce Cardiovascular Risk. Circulation 2014;129(25 Suppl 2):S76-99
  • (3) USDA. Scientific Report of the 2015 Dietary Guidelines Advisory Committee. February 2015. http://www.health.gov/dietaryguidelines/2015-scientific-report/
  • (4) 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会報告書
  • (5) 日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版
  • (6) 日本動脈硬化学会. 脂質異常症治療ガイド 2013年版

 

コレステロール制限が必要ないならどうすればいいのか?

 

大竹真一郎 総合内科専門医/駆け込みドクター

アメリカ厚生省と農務省が「食事によるコレステロールの摂取量と血液中のコレステロールの間に特段の因果関係はない。コレステロールは摂り過ぎることを懸念すべき栄養素とは見なさない」と報告しました。

健康維持のため食事による取り過ぎには注意が必要とされているコレステロールについて、米当局は19日、摂取量を制限する必要はないという新たな見解を発表した。「コレステロールは過剰摂取を心配する栄養素ではない」と明言している。

米厚生省と農務省が設置した「食事指針諮問委員会」が報告書を公表した。各種調査結果から「食事によるコレステロール摂取と(動脈硬化などの病気の危険を増すこともある)血清コレステロールの間に明らかな関連性はない」と結論付けた。

出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150220-00000033-jij-n_ame

コレステロールは体にとって必要な物質ですが、多すぎれば動脈硬化が進行し心筋梗塞や脳卒中といった生命にかかわる血管の病気を起こしやすくなるのです。

元来、コレステロールが高い場合には食事でのコレステロールを控えることが勧められていました。しかし今回の報告によると、食事でのコレステロール摂取量と血液中のコレステロールは関係がなかった、つまりコレステロールを食べ過ぎても血液中のコレステロールが上がるわけではないし、逆に控えても血液中のコレステロールは下がらないということなのです。

ただしここで注意が必要なのは、決して血液中のコレステロールが高くても大丈夫というわけではないということです。

食事制限は意味がないのか?

今回の報告では、野菜、果物、全粒穀物、低または無脂肪乳製品、魚介類、豆類やナッツを多めに摂り、アルコールは中程度にして、赤身肉や加工肉、そして砂糖入りの食品やドリンク、精製された穀物を控えることを勧めています。

さらに

・一日あたりのナトリウム摂取量は2300ミリグラム未満(食塩換算で5.8グラム未満)

・一日あたりの飽和脂肪酸は総カロリーの10%未満

・一日あたり添加糖は総カロリーの10%まで

つまり塩分と糖分を控えて、脂なら何を食べてもいいというわけではなく飽和脂肪酸(50歳以上は特に)は控えましょうとしています。

飽和脂肪酸(バター、ラード、脂身の多い肉に含まれる)、トランス脂肪酸(マーガリンやショートニングに含まれる)の代わりに不飽和脂肪、特に多価不飽和脂肪酸(魚に多く含まれるEPAやDHA、αリノレン酸が含まれるえごま油、亜麻仁油、シソ油など)を摂ることを勧めています。

 

vol.148 食事からの摂取基準が撤廃されたコレステロール ――しかし注意しなければいけない点は?

 

Vol.148 食事からの摂取基準が撤廃されたコレステロール ――しかし注意しなければいけない点は?「卵は1日1個までにしないとコレステロール値が上がると聞いている」、「イカ、タコ、エビ、貝類はコレステロール値が高くなるから食べるのを控えなさい、と医者に注意された」という話を聞いたことはありませんか。しかし、実はコレステロールを多く含む食品を食べても、血中コレステロール値には影響がないとされています。厚生労働省は2015年、日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃しました。それはなぜなのでしょうか。また、脂質異常症にならないために、気をつけなければいけない点は何でしょうか。そのポイントをお伝えします。

コレステロール値の不思議

コレステロールは、体内で合成できる脂質です。体重50kgの人で1日600~650mgが主に肝臓で作られています※1。食事で摂取されるコレステロールは、男性の中央値が297mg、女性が263mg(30~49歳、1日あたり)で※2、その40~60%が吸収されますが、体内で作られるコレステロールの3分の1から7分の1を占めるに過ぎません※1。つまり、食事から摂取されるコレステロールが20~30%なのに対して、体内で合成されるコレステロールは70~80%になるのです。
そして重要なのは、コレステロールを食事から多く摂取すると肝臓でのコレステロール合成は減少し、逆に食事から摂取する量が少ないとコレステロール合成が増加するという点です。これは、体のすみずみまでコレステロールが一定に補給されるように、フィードバック機構が働くためです。つまり、食事によるコレステロール摂取量が、そのまま血中総コレステロール値に反映されるわけではないのです※1。

コレステロールというと、すべて悪者のようにとらえている人も多いことでしょう。しかし、コレステロールは私たちの体にとって、必要不可欠なものです。だから体内で合成できる仕組みになっているといっても過言ではありません。
コレステロールはリン脂質とともに細胞膜の材料になります。私たちの体の細胞は常に古い細胞が死に、新しい細胞に入れ替わっています。新しく生まれてくる細胞を作るために、コレステロールは欠かせないのです。また、1日に3000個以上生まれているといわれるがん細胞を退治してくれる免疫細胞の膜も、コレステロールが材料となります。

また、コレステロールはさまざまなホルモンの材料となります。男性ホルモン、女性ホルモンもコレステロールから作られます。コルチゾールなど副腎皮質ホルモンの材料となるのもコレステロールです。コルチゾールは糖やたんぱく質、脂質の代謝に関与しており生命維持に欠かせないホルモンです。
さらに、紫外線を浴びると体内でコレステロールを材料としてビタミンDが合成されます。加えて消化液の一種、胆汁酸の材料もコレステロールです。つまり、私たちの体に必要なものがコレステロールを材料として作られているのです。

※1「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(厚生労働省)

※2 平成22年、23年国民健康・栄養調査(厚生労働省)

善玉コレステロールと悪玉コレステロールって何が違うの?

一般的にLDLコレステロールは悪玉、HDLコレステロールは善玉と呼ばれています。これは、それぞれの働きが異なっているからです。
コレステロールは脂質のため、水分である血液の中をスムーズに移動することができません。そのため、外側が水と親和性のある特殊なたんぱく質、リポたんぱくと結合して血液中を移動します。いわば、カプセルのようなものの中に入って体中を駆け巡るのです。

まず、おもに肝臓で作られたコレステロールは、中性脂肪と一緒にカプセルで血液中を移動して全身の細胞に届けられます。そしてエネルギーの元となる中性脂肪が先に多く使われます。コレステロールが多く残ったカプセルは密度が低いため、LDL(低密度リポたんぱく。LDはLow Density、Lはリポたんぱく)と名付けられています。ちなみに、中性脂肪が減る前の段階は、LDLよりさらに密度が低いためVLDL(VはVeryの頭文字)という名称がつけられています。
また、全身の細胞から余ったコレステロールを回収して肝臓に戻す働きをするカプセルがあります。これがHDL(高密度リポたんぱく。HDはHigh Density)で、たんぱく成分が多いため密度が高いのです。そして回収されたコレステロールは肝臓でリサイクルされ、一部は胆汁酸の材料にもなります。そして、LDLの中にあるコレステロールがLDLコレステロール、HDLの中にあるのがHDLコレステロールというわけです。
LDLは体のすみずみにコレステロールを運んでいますが、それが血管壁に蓄積されてしまうと動脈硬化を進行させる原因となるから悪玉、HDLは血管壁から余ったコレステロールを回収して肝臓に戻すから善玉と呼ばれています。つまりコレステロール自体の問題ではなく、どのように働いているかによって呼び名がつけられているのです。

近年、動脈硬化を進行させてしまうのは酸化LDLコレステロールであることが明らかにされています。体内の活性酸素とLDLコレステロールが結びつくと酸化されてしまい、それが血管壁に吸収されやすくなってしまうのです。
さらに怖いのは、超悪玉と呼ばれる小型LDLコレステロールです。血管内皮細胞の1000分の1ほどといわれる小型LDLコレステロールですが、まだ解明されていない点が多いのも事実です。しかし中性脂肪が多いと小型化されやすいことと、小型であるがゆえに酸化されやすいことが指摘されています。そして血管壁に入り込みやすいサイズのため、動脈硬化をより進行させてしまうことが懸念されているのです。

コレステロールの摂取基準が撤廃されたといって、脂質異常症がなくなったわけではない

アメリカでは、2013年に心臓病学会などが「コレステロールの摂取制限を設けない」としており、2015年2月に農務省と保健福祉省は「コレステロールを多く含む食品の摂取制限に関して新しいガイドラインから削除する方針」であることを明らかにしました。
そして日本でも2015年、食事におけるコレステロールの摂取量に関して上限値が撤廃されました。
これに関して米国心臓協会などは「食事からのコレステロール摂取量を減らすことで、血中コレステロール値が低下するという明確な証拠がない」ということを理由にしています。また厚生労働省も「コレステロール摂取の上限値を算定するのに、十分な科学的根拠が得られなかったから」としています。

しかし、コレステロールの摂取が制限されなくなったからといって、脂質異常症という疾患がなくなったわけではありません。
高LDLコレステロール血症=LDLコレステロール値が140mg/dℓ以上
低HDLコレステロール血症=HDLコレステロール値が40mg/dℓ未満
高トリグリセライド血症=中性脂肪(トリグリセライド)値が150mg/dℓ以上
この3つの数字のどれかでも範囲を超えたら、脂質異常症と診断されます。血液中のLDLコレステロールや中性脂肪が多くなりすぎても、HDLコレステロールが少なすぎても脂質異常症なのです。

脂質異常症の恐ろしい点は、ほとんど症状が現れないことです。しかし長期間にわたって全身の血管が傷つけられることで、動脈硬化が進行します。動脈硬化が進行すると、心臓や脳の血液の流れが悪くなり、最悪の場合は脳卒中や心筋梗塞といった疾患につながってしまうのです。

また、LDLコレステロールとHDLコレステロールの比率に関しても注意する必要があります。
LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値
で計算し、1.5以下の場合は血管内が健康に保たれていると考えられ、2.0以上は動脈硬化の可能性があり、2.5以上の場合は脳卒中や心筋梗塞などのリスクを心配したほうがいいというものです。つまり、HDLコレステロールが多いほど血管を健康に保ち、LDLコレステロールが増えればそれらが酸化されてしまう可能性が高くなるため、生活習慣病に近づいてしまうと考えられるのです。

動脈硬化につながる脂質異常症にはどう対応すればいい?

動脈硬化を防ぐ一番のポイントは、LDLコレステロールの酸化を抑制することです。次に重要なのが、HDLコレステロールを増やしてLDLコレステロールと中性脂肪を減らし、「脂質を正常化」することです。中性脂肪を減らすことで、LDLコレステロールの小型化も抑制できる可能性があるのです。

では活性酸素によるLDLコレステロールの酸化を防ぐ方法はあるのでしょうか。活性酸素は喫煙や飲酒、酸化した食用油などによって産生されます。また、紫外線を浴びても、激しい運動をしても活性酸素が生じるだけでなく、普通の呼吸で取り込んだ酸素の一部も活性酸素になります。活性酸素は体内に侵入したウイルスや細菌を殺すという役割を担っているため、体に悪いことばかりではありません。しかし、活性酸素が増えすぎると問題が生じるのです。

まず活性酸素を抑えるためには、抗酸化物質を多く含む食品を摂ることが大切です。
3大抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンC、ビタミンE、β-カロテンは、緑黄色野菜に多く含まれています。トマトに含まれているリコピンや、ナスに含まれているアントシアニンなどの天然色素も抗酸化物質です。また、赤ワインやお茶に含まれているポリフェノールも抗酸化物質です。日頃の食事にこういった素材をプラスするのが、LDLコレステロールの酸化を防ぐのに有効だと考えられます。
今、さまざまな健康効果で注目を集めているココナッツオイルも見逃せない食品です。ココナッツオイルには中鎖脂肪酸が豊富に含まれています。中鎖脂肪酸はエネルギーとして燃焼されやすいため、体脂肪として蓄積されにくいことで脚光を浴びていますが、ココナッツオイルの良さはそれだけではありません。中鎖脂肪酸が燃焼すると肝臓ではケトン体が作られますが、このケトン体が活性酸素を無害化することが明らかになっているのです。

HDLコレステロールを増やすには、まず運動が一番で、ウォーキングはその代表例です。1日の歩数とHDLコレステロール値との関係を調べた結果、歩数が多いほどHDLコレステロールが増えるということがわかっています。また、早歩きを組み込むと、運動強度も高まり効果的です。歩数計や活動量計のなかには早歩き歩数をカウントしてくれる機種もありますので、そういった機能を活用するのも一つの方法です。
また、太ももの大腿筋やお尻の大臀筋など、大きな筋肉を動かすことで代謝をアップさせる有酸素運動は、コレステロール値の改善に向いていると考えられます。サイクリングや軽めのジョギング、水泳、エアロビクス、ラジオ体操などがそれに当たります。

次にHDLコレステロールを増やすと考えられる食品を知っておくことです。
アジやイワシ、サバなど青背魚に含まれるDHA、EPAはHDLコレステロールを増やしてくれます。それだけでなくLDLコレステロールと中性脂肪を減らしてくれるので一石二鳥です。DHAやEPAは熱にはわりと強いのですが、魚を煮ると煮汁に溶け出したり、焼くと脂が落ちたりして20~30%前後が失われ、揚げ物にすると揚げ油に溶け出し半減するともいわれていますので、刺身や煮汁も食べられる煮魚にするといいでしょう。また、EPAは空気に触れると酸化しやすいので、新鮮な状態を保つように注意しましょう。
エゴマ油やアマニ油に含まれているα-リノレン酸は、体内で10~15%程度がDHAやEPAに変換されるといわれています。これらの油を有効活用するのも手です。
ネギの刺激臭のもとであるアリシン、玉ねぎの硫化アリルはHDLコレステロールを増やしLDLコレステロールを減らすと考えられています。また、大豆レシチンもHDLコレステロールを増やすとされています。

アルコールは適量ならHDLコレステロールを増やすといわれています。しかし、適量というのはビールでは1日中瓶1本、日本酒なら1合、ウイスキーはダブルで1杯程度。この量でストップできる自信があるなら、試してみる価値はありそうです。
しかし、アルコールを飲み過ぎてしまうと中性脂肪の合成を促進させてしまいます。すると脂質異常症の原因になったり、LDLコレステロールの小型化を招いたりと、いいことはありません。
ちなみに中性脂肪を増やすのは揚げ物の油や肉などの脂質だと考えがちですが、実際にはほとんどが糖質とアルコールです。糖質は体のエネルギー源となる重要な栄養素ですが、過剰摂取は禁物なのです。

また、オリーブオイルやアーモンド、マカダミアナッツなどに含まれているオレイン酸は、HDLコレステロールを減らさずにLDLコレステロールだけを下げるといわれています。ちなみにアーモンド100g中には、31mgという豊富なα-トコフェロールが含まれています※。ビタミンEは4種類のトコフェロールと4種類のトコトリエノールに分けられますが、そのなかでもα-トコフェロールは、非常に抗酸化作用が強い成分です。また、乳酸菌とカテキンの両方を摂ると、LDLコレステロールが減るという報告もあります。
冒頭で挙げた「イカ、タコ、エビ、貝類」は、最近ではコレステロール値を下げるという説の方が主流になっています。また、これらに含まれるタウリンの健康効果も無視できません。卵は8種類の必須アミノ酸を含んでいるほか、卵黄に含まれるレシチンには血管を強くしたり、血中の余分なコレステロールの沈着を防いだりする作用があるといわれています。
要するに、せっかくのごちそうである「卵がタップリ使われた“ふわとろ”のオムライス」や「イカやエビがふんだんに盛られた海鮮丼」を我慢する必要はない、ということです。

健康な人の場合はコレステロールの摂取量を気にしなくていい、というのが「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の趣旨ですが、高LDLコレステロール血症患者の場合に当てはまるわけではない、と日本動脈硬化学会は指摘しています。厚生労働省もLDLコレステロール値が高い状態を危険視しているのは同様です。
ということは、高LDLコレステロール血症と診断されてはいなくてもLDLコレステロール値が上限に近い人はどうなのでしょうか。やはり暴飲暴食を控える、運動不足を解消するなど、トータルでの生活習慣の改善が必要と考えるのが正しいようです。

具体的なポイントは、
・アルコールや糖質の摂り過ぎを抑える
・食べ過ぎを控え、バランスのとれた食生活を実践する
・1日9000~1万歩程度のウォーキングなど、適度な運動を行う
・体重を適正に保つ
といった点に気をつけることが重要です。「お腹いっぱいで幸せ」という状態は健康にとっては不幸せな状態かもしれませんし、「スイーツは別腹」という言葉は封印したほうが無難でしょう。体重に関しては、毎日同じ時間に量って推移をチェックするだけでも効果があります。体重体組成計では体脂肪レベルを確認できる機種がありますので、併せて参考にするといいのではないでしょうか。

※日本食品標準成分表2010(文部科学省)

【武田邦彦】【保存版】コレステロールの疑問すべて答えます!コレステロールは増やしたほうが良い。減るとガンが増える。最適値はいくつか。等々

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癌、認知が増える。

腹囲(メタボ検診)に根拠なし

偉い役人たちが利権を確保するために如何にいい加減なことをしているのかの代表的事項は、メタボ検診です。メタボ検診とは、ご存じの通り、2008年(平成20年)4月1日から義務化され、腹囲(男性 85cm以上、女性 90cm以上)、血糖値(空腹時血糖値100mg/dl以上またはHbA1c 5.2% 以上)、高脂血症(中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレステロール 40mg/dl未満)、血圧(収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上)を測定するものです。メタボ検診を始めるに当たっては、その意義を心血管死亡率の低下などをうたっていました。しかしながら、その根拠は非常に乏しいのです。

例えば、腹囲で考えてみましょう。身長180cmで筋肉質のスポーツマンの腹囲が86cmとします。身長からすると非常にスマートで、何の問題もありませんが、メタボ検診ではアウトなのです。逆に、身長150cmで腹囲が89cmの主婦ではどうでしょうか?これは、メタボ検診の腹囲はクリアーしていますが、どう考えても健康的とは言えません。この様に、腹囲の基準は疑問符が沢山つくのです。しかも、腹囲がメタボ健診の必須項目になっているのは、世界中でも日本だけなのをご存知ですか?海外では、腹囲はメタボ健診の1つの因子にはなっていますが、必須項目ではありません。しかも、アメリカ人は体格が大きいので男性の腹囲は100㎝なのです。ならば、日本人でも体格の良い人は100㎝でなければいけないと思うのですが、、、、、

メタボ検診が有用なのか、根拠の無いものなのか検証すべき事項は、身長、体重、血圧、空腹時血糖、中性脂肪、HDL コレステロール、LDL コレステロールの測定に加えて、腹囲を測定するこが心血管イベントの発生を予測するために有用であるかどうかという解析です。多目的コホート研究*では、危険因子の集積による全死亡と心血管死亡の絶対数と相対危険度を、肥満者と非肥満者で比較した数値を示しています。それによると、男女とも肥満者と非肥満者で相対危険度は差がなくて、絶対数は非肥満者の方が逆に多かったのです。

*(JPHC 研究;生活習慣についての情報を集め、10年以上の長期にわたって疾病の発症に関する追跡を行うことによって、どの様な生活習慣が疾病の発症に関連しているのかを明らかにすることを目的とした研究。全国11保健所と国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、大学、研究機関、医療機関などとの共同研究)

読売新聞は、平成22年2月9日の夕刊に「メタボ腹囲根拠なし」という見出しの記事を掲載しました。これに対して、厚生労働省は平成22年2月16日にこの報道を批判した通知を出したのです。しかしながら、これまでの研究で、2月9日の読売新聞夕刊の「メタボ腹囲根拠なし」という見出しは的確なことはあきらかです。腹囲測定は無駄であり、メタボ健診も無駄ということになるのです。読売新聞への官僚の報道批判は、逆に官僚の墓穴を掘る結果となっていました。

 では、何故にメタボ検診が制度化されたのでしょうか?それはメタボ検診が病院や製薬会社にとって最もおいしい分野だからです。つまり、①高血圧、高血糖、それに高脂質血症は患者が多いのです。(後に説明しますが、実は患者を多く作っている。)商売をされている方はみなさんが希望するように、沢山のお客さんが欲しいのです。その点では、この項目は千万人単位のお客を抱えている分野なのです。②次に、この疾患は直ぐには完治しません。治療には長期間かかるので、その間はずっとお得意様でいてもらえるのです。特に、高血圧で投薬が始まると、一生薬はやめられませんと言われる患者さんが沢山います。本当は、食事や運動などの生活指導で降圧剤を止められることも多いのですが、そんなことをしてはお得意様を無くすことになるので、殆どの医療機関では生活指導をすることは無いのです。③加えて、これらの患者は緊急性や重症化していないことが殆どなので、命にかかわることがありません。従って、専門でない医師が多少マトを外れた治療をしても死ぬことはないし、訴えられる危険性もありません。この様に、メタボ検診は医療関係者にとって最もおいしいのです。

メタボ3