養生食の基本十項目
養生食の基本十項目 | ||
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1、主食 | 主食のお米は、玄米ごはん、胚芽米ごはん、雑穀ごはんとし、ごま塩(ごま9:塩1)をふりかけて食べます。パン、めん類ならば、未精白粉、小麦全粒粉で作ったものを食べましょう。 | 玄米には胚芽や糠がついており、ビタミン、ミネラルなどの栄養素がたくさん含まれています。また、米糠油や胚芽油には、自律神経を調節する働きのある成分(オリザノール)が入っています。果皮、種皮には繊維素が含まれており、現代人に多い便秘症を解消してくれます。よくかんで食べれば唾液の分泌が多くなるため消化もよくなり、胃腸の機能を高め、肥満や糖尿病の人に効果があります。この玄米を精白すると、ビタミンB群をはじめ大事な栄養素が取り去られてしまいます。また、白米はよくかまずに早食いできるので、その結果食べ過ぎて、肥満、糖尿病などを招くことにもなります。 |
2、砂糖 | 白砂糖は料理に使わないようにしましょう。甘みを出すためには醸造みりんを使いますが、なるべく甘くしないように。(料理によっては黒砂糖、ハチミツなども使いますが、病気によっては一切使用禁止です。)おやつのお菓子やジュースなどにも、意外にたくさん砂糖が入っています。要注意。 | 市販されている白砂糖は、精製度が高いため、ビタミン、カルシウム、鉄、そのほかのミネラルのほとんどが失われています。このことは、日本人の主食がお米であることを併せて考えると、炭水化物のとりすぎとなり肥満症にもつながります。 |
3、油脂 | 油脂は植物性のものを使いましょう。たとえば、調合米油、トウモロコシ油、小麦胚芽油、サフラワ油、ごま油などを使い、バター、ラードは避けましょう。 | バターやラードなど動物性の脂肪は、血液中のコレステロールをふやすため、動脈硬化や高血圧を促し、心筋梗塞の原因となります。その点植物性の油は、コレステロールを下げる働きを持っています。 |
4、塩 | 塩は、自然塩を使いましょう。ただし一日に摂る量は10g以下に。 | 現在一般に市販されている食塩は、精製されすぎていて、塩化ナトリウムが99.5%以上です。しかし、自然の塩は塩化ナトリウム92.5%で、ほかにマグネシウム、カルシウム、ヨードなど大切なミネラルを含んでいます。これらのミネラルは体の中で消化や栄養運搬、新陳代謝を助けてくれます。 |
5、調味料 | しょう油、みそ、酢は天然醸造のものを使い、だしは自然の旨味を利用しましょう。 | 一般に市販されているしょう油は、脱脂大豆(肥料に使われる大豆のカス)を原料とし、短い期間で大量に醸造するために、化学薬品を使って作られます。そして、合成甘味料や酸味料、化学調味料、防腐剤などが加えられています。みそもしょう油と同じように、脱脂大豆や芋類を使って、インスタント醸造で作られており、やはりいろいろな食品添加物が使われています。酢にも合成酢と米、酒、果実などを材料とした醸造酢とがあります。これらの調味料は、日本人にとって欠かすことのできないものばかりです。よく表示を見て、安全なものを買うようにしましょう。 |
6、海草 | 海草はカルシウムのたいへん多いアルカリ性食品です。毎日少しずつでもよいから食べましょう。 | 海草は大事な食品の一つです。食用にしている主なものは、昆布、わかめ、浅草のり、ひじき、もずく、青海苔、てんぐさなどで、いずれも長寿者は好んでたくさんの海草類を常食しています。 |
7、タンパク質 | できるだけ植物性タンパク食品(大豆及び大豆製品など)を食べるようにしましょう。肉の食べ過ぎは禁物です。また、肉を食べる時には野菜などのアルカリ性食品もたくさんとるように心がけましょう。 | 食事が洋風化するにつれて、肉を食べることが多くなっていますが、肉食中心の西欧人と穀菜食中心の日本人とでは、腸のつくりが違います。西欧人の腸は日本人に比べて短いので、食べたものが腸内にある時間が短く、排泄も早いのです。それで自家中毒の恐れも少ないわけですが、日本人の場合はそうはいきません。自家中毒(腸内での腐敗、発酵)がおこると、有害な酸性物質ができて体内のカルシウムが減り、内臓が弱ります。タンパク源としては大豆類などのほかに、魚介類があります。海にかこまれた日本は魚介類が豊富です。特に小型の魚(イワシ、アジなど)=一物全体食を心がけましょう。 |
8、野菜 | 野菜を食べるうえで大切な決まりごとは、①四季折々の野菜を食べること②農薬の残ってない野菜を食べること。野菜料理は自然の理にかなった食べ方を創意工夫しましょう。 | 最近は健康図書がブームでどの本をとってみても「成人病予防にはもっとたくさんの野菜を食べるようにしましょう」というようなことが書かれています。しかし、ただたくさん食べればよいというものではありません。それぞれの土地、それぞれの季節に採れたものを食べること(身土不二)が大切です。また農薬の害も避けたいものです。これは、現実には自給自足をしないかぎり難しいことですが、特に季節外れの野菜は、栽培方法の過程で農薬などの害もより多く被ることになります。 |
9、食品添加物 | 食品添加物は化学物質そのものです。許可されているからといっても安全であるとは限りません。できるだけ避けましょう。 | 食品の加工技術が進み、その一方ではいろいろな食品添加物が考え出され、作られるようになってきています。いまや添加物を使ってない食べ物を見つけ出すことが困難になってきました。 |
10、果物 | 果物は野菜のかわりにはなりません。食べ過ぎは禁物です。 | 野菜の不足は果物で補えばよい、と考えている人が多いようですが、果物は嗜好品に過ぎません。美容食のつもりが食べ過ぎると加糖の摂りすぎで肥満症になったり、冷え性や血行障害をまねいたりもします。果物にはビタミンCなどが豊富に含まれていますが、野菜にはビタミンC以外にも体に必要なほかのビタミンやミネラルが果物とは比較にならないほどたくさん含まれています。 |
見えるお金 見えない生命
2011/11/21
竹熊 宜孝
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