漢方薬と糖尿病

漢方薬と糖尿病

漢方薬の大きな特徴としては、二つ以上の生薬を組み合わせて作られているので一剤で色んな症状に効くことが挙げられます。そして本人の自覚症状や体力、体質などを診て「虚(きょ」「実(じつ」「陰(いん)「陽(よう)」や「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」などに分類していきます。副作用が少なく、じっくり自然治癒力を高めることで身体のバランスを整えていきます。
ですので糖尿病そのものを直ぐに完全に治す漢方薬はありません。
漢方には「糖尿病」という考えがなく、諸説ありますが血液の循環が悪い「?血(おけつ)」などと捉えられているのです。また、多飲や多尿、夜間頻尿などは「腎虚(じんきょ)」などと考えられます。このような様々な症状に合わせて色んな方面からアプローチしていくことが出来ます。

 

糖尿病によく用いられる漢方薬

田七人参

田七人参
「薬用人参」という言葉をご存知ですか?少し前まで日本で多く使われていた言葉です。田七人参の他にも、高麗人参、朝鮮人参、シベリア人参・・・等の人参のことを指します。
漢方の世界では、古くから金不換(きんふかん=お金に換えられないほど貴重なもの)
といって非常に貴重に扱われてきたのが田七人参。
しかしあくまでも「西洋医学」の世界でいう「薬」ではないことから、「薬用」という文言を用いるのは適切ではない、ということから、「薬用人参」という言い方はNGとなりました。
しかし「薬用人参」という言葉が使われていたくらい、ものすごい効果があるとされているのがこの田七人参なのです。
田七人参には多様な効果があり、糖尿病や、糖尿病型で、血糖値を下げたい、ヘモグロビンa1cを下げたいという方の多くに田七人参を毎日飲んでいる方も多いです。
田七人参には、パナキサトリオール、トリテルペンサポニンが含まれています。
トリテルペンサポニンには、抗炎症作用、解毒作用、疲労回復作用、抗糖尿病作用
パナキサトリオールには糖の取り込みを亢進させ、血糖値の上昇を抑制する作用があります。
ちなみに田七人参のサポニンの量は朝鮮人参(高麗人参)の約7倍!です。
田七人参の漢方薬は高額ですが、最近は「オーガニック田七人参」をそのまま精製してサプリメントにしている商品もあり、リーズナブルなお値段で摂取することも可能になり、多くの方々から支持されています。

 

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八味地黄丸(はちみじおうがん)

高齢者によく用いられます。体力は普通か虚弱で、なおかつ胃腸機能が健全、腰と下肢の脱力感や冷え、しびれ、頻尿がある人に使用します。

 

大紫胡湯(だいさいことう)

体力のある人で、胸から脇が重苦しくて張っているような症状や、みぞおちがつかえて硬い症状が診られる人が条件になります。主に便秘や口の苦さ、耳鳴り、肩こりがある人に用いられます。特にこの漢方に含まれている生薬「大黄(だいおう」は、便通を良くしたり炎症を抑える作用があるので、胸や脇の苦しさなどが楽になる効果があります。

 

五苓散(ごれいさん)

水分の循環を良くして、身体の中の余分な水分を取り除く効果があります。吐き気や嘔吐、下痢、むくみ、めまい、頭痛などに用いられることが多い漢方薬です。口が乾いたり、尿の量が少ないことを目安に使用されることも多いです。

 

白虎加人参湯(びゃっこにんじんとう)

体力のある人で、ほてりや多尿、多汗、熱症や乾燥などに用いられます。そして便秘がない人に使用することが多い漢方薬です。この漢方薬に含まれている生薬「石膏(せっこう)」と知母(ちも)によって全身の熱を冷ましたり、口の乾きを改善させます。また、「人参」や「粳米(こうべい)で体力も回復させます。

 

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

体力があり、便秘や顔面紅潮、充血、ほてりなどの症状がある肥満の人に用いられます。メタボリックシンドロームにも効果があるとされています。
この漢方薬は発汗を促す、熱を冷ます、便秘を改善する、身体の水分のバランスを良くする、血行を良くするなどの作用があります。

 

漢方薬の注意点

糖尿病によく用いられる漢方薬と特徴などをご紹介しました。薬になりますので、懸念がある方は医師や薬剤師にしっかりと体質を診てもらってから服用するのが望ましいでしょう。
漢方薬は、説明書に書いている症状に当てはまらなくても処方されていることがありますが、それも中に含まれている生薬や症状に合わせて判断されたものなので問題ありません。
何か分からないことや不安なことがあれば、医師や薬剤師に相談しましょう。また「漢方薬」は苦い、まずい、など抵抗がある方は、錠剤で苦さのない「サプリメント」からはじめてみるのもいいでしょう。ちなみに「サプリメント」は薬ではなく分類上は「食品」扱いになります。薬は副作用が心配で・・・という方は、サプリメントもおすすめです。