生理的ケトン体上昇は安全 – ドクター江部の糖尿病徒然日記 – FC2

こんばんは。

mawさんから、

日経トレンディネットの2014年3月13日
「炭水化物って、本当に悪者なの?」

という医学博士 大西睦子先生執筆の記事について、コメントいただきました。

まずは、大西睦子先生に一言、江部康二の著作やブログをみてほんの少し勉強していただけば、このような誤解だらけの記事はお書きにならないでしょうに、残念です。( ̄_ ̄|||)

以下一つ一つ、正しい知識を説明していきます。

それがそのまま、大西睦子先生の誤解への反論となります。

1)

スーパー糖質制限食実践者において、エネルギー源としてタンパク質を利用することは、ほとんどありません。

スーパー糖質制限食では「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」が主たるエネルギー源となります。

2)

糖質を普通に食べている人の、血中総ケトン体の基準値は、「26~122μM/L 」くらいです。

つまり、糖質を食べている人でも、日常的に24時間血中ケトン体は存在しているわけです。

糖質摂取開始後3~4時間までは心筋・骨格筋の主たるエネルギー源はブドウ糖ですが、糖質摂取後4時間くらい経過すると、心筋・骨格筋など体細胞の主たるエネルギー源は<脂肪酸-ケトン体>に切り替わっていきます。

従って糖質を摂取している人においても、夜間睡眠時とか、日中でも空腹時は、心筋・骨格筋などの主たるエネルギー源は、実はブドウ糖ではなく<脂肪酸-ケトン体>なのです。

ケトン体は決して燃焼カスではなく、極めて効率のよいエネルギー源なのです。

このことを多くの医師・栄養士がご存じないのは大変困ったもので、医療現場で混乱のもととなっています。

3)

夜間睡眠時や空腹時などにもブドウ糖をエネルギー源としているのは、赤血球、脳、網膜など特殊な細胞だけです。

つまり糖質を普通に摂取している人においても、「脂肪酸-ケトン体」はごく日常的なエネルギー源として、全ての人類において利用されているというのが生理学的事実です。

4)

スーパー糖質制限食実践者の場合は、食事中にも「脂肪酸-ケトン体」がエネルギー源として利用されています。

つまりステーキを食べている最中にも脂肪は分解されて燃えているわけです。

このとき血中ケトン体濃度は、現行の基準値よりはるかに高値となりますが、インスリン作用が働いているので、生理的であり、全く安全です。

人類700万年間の狩猟・採集時代は糖質制限食なので、ご先祖は、日常生活の多くの場面で同様に「脂肪酸-ケトン体」をエネルギー源としていたと考えられます。

このことは、備蓄エネルギーの観点から考慮すると、体脂肪が10kgあれば、90000kcalとたっぷりあるのに対して、グリコーゲン250gなら、わずか1000kcalしかないことからもわかると思います。

すなわち

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糖質制限食でED(勃起不全)改善

こんばんは。

ぶりおさんから、勃起不全(ぼっきふぜん、英: Erectile Dysfunction; ED)改善という、とても嬉しいコメントをいただきました。

【「糖質制限食パーフェクトガイド」は他の先生の書籍とコンセプトが違って、ブログを熟読している者にとってもありがたいものです。】

ありがとうございます。

医師や栄養士の知識整理、守旧派への理論武装に役立つ本と自負していますが、勿論、一般の人で理論やエビデンスが好きな人にも喜んでいただける本ですので、是非、ご一読を。

【私は糖質制限食でうつ病、脂肪肝、肝機能障害、高血圧、肥満などなど色々な病気が劇的に良くなったのですが、実はEDも治ってしまいました。】

ぶりおさん、素晴らしいデータ改善ですね。
良かったです。

確かに、脂肪肝、肝機能障害、肥満はほとんどの人において速やかに改善します。

肥満に伴う高血圧も、たいていは改善します。

うつ病もぶりおさんのように改善する人も多いのですが、個人差があるようです。

EDに関しては、仰る通り、話題にあがることが比較的少ないです。

しかし、ぶりおさん以外にも、朝立ち復活のコメントをいただいた方が複数おられます。

かくいう私も、40才代後半から、「あれ、やばいかも・・・?」という時期があったのですが、52才からスーパー糖質制限食を開始してしばらくしてからは、朝立ちは「完全復活の日々」の毎日です。

こちらも勿論、個人差はあると思うのですが、糖尿病に伴うEDは、糖質制限食で糖尿病が良くなれば、当然改善する可能性があります。

糖尿病がない方においても、年齢とともにEDは気になる症状の一つです。

スーパー糖質制限食で、全身の血流・代謝が良くなるので、ED改善にもおおいに役立つと思います。

心当たりのある方は、是非、お試しあれ。

江部康二
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おやじダイエット部「糖質制限と男性機能やEDのお話し

東京で糖質制限をしているドクターが集ったおやじダイエット部に参加させていただきました。

過去記事はこちらです。

おやじダイエット部①→

おやじダイエット部②→

この日、一番ヒットした話題は「糖質制限と男性機能」の関係についてでした。

あるドクターから「糖質制限をするようになってから、男性機能がよくなったんです、他の先生方は変化がありませんか?すみません、女性がいる席なのに」という発言があり。

し・し・し・し・知りたい!!と思いとっさに「先生、女性だからとか関係ないですから、教えて下さい!」とお願いしてしまいました。

糖質制限をして男性機能が復活?上がった、という感想、何人かのドクターが頷いてらっしゃいました。

もちろんこの話題、かーなーりー盛り上がりましたw

「糖質制限をすることで本来有るべき機能が回復するのだろう」というご意見もありました。

糖尿病の泌尿器系の合併症で挙げられるのが「ED」です。

糖尿病とEDって、どう結びつくの?って感じですが、糖尿病とは高血糖により血管障害や神経障害を起こしてしまいます。

勃起するときには血流が必要になるので、糖尿病によって動脈硬化が進むと血流が悪くなるのと同時に末梢神経障害が起こると勃起がしにくくなるという現象がおこるようです。

糖尿病とEDについて以前から興味があったので、その当たりも先生方に質問をしました。「セックスができない訳では無い」という事のようですが、糖尿病であっても、糖質制限をしてコントロールすれば、男性機能が戻る可能性もあるようです。

この時は、聞けなかったのですがもう少し知りたいなと思ったのは、糖尿病になると性欲も減退するのか?ということです。

そして、糖尿病にならずとも、高血糖の食事が続き、糖尿病境界域(あと一歩で糖尿病になるかもというライン)でメタボ方の場合、男性機能の低下なども、もしかしたら起こりうるのかな?と思いました。

なんとなく、EDっぽい?から、女性との関係に消極的になる→彼女を作りたくないor彼女や妻とセックスレスになる、という図式ももしかしてあるのか?

はたまた、現代の糖質過剰摂取は男性機能を低下させてしまうのか?その延長線上に現代の病とも言われている不妊という問題が見え隠れしてきました。

もっと知りたいです。私はウーロン茶で一人で素面だったので、これらのことが頭の中でぐるぐる回っていました。

糖質過剰摂取って、なんなんだ。私はこういう地を這うような悩みや問題が大好きです。だって、すごーく大切なことですよね。

糖質制限をして男性機能がアップしたというローカーボ男子の方、いらっしゃいますか?ご意見をお聞きしたいです!!!!(≡^∇^≡)

おやじダイエット部の奇跡 「糖質制限」で平均22kg減を叩き出した中年男たちの物語/マガジンハウス ¥1,365Amazon.co.jp

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