活性酸素から網膜細胞を保護し、緑内障を予防

活性酸素から網膜細胞を保護し、緑内障を予防

 

ビルベリーに含まれるアントシアニンなどの成分には、目の働きをサポートしてくれたり、目の病気を予防したりする効果があることが、さまざまな研究によって明らかになっています。

日本をはじめ、世界各国の大学や研究機関や企業などが、ビルベリーがもたらす目や体への嬉しい効果を研究しているのですが、今回は、ビルベリーのエキスが緑内障の予防に役立つという効果についてご紹介します。

緑内障という病気は、目の網膜や、網膜と脳をつなぐ視神経、視神経乳頭が高眼圧や活性酸素によるダメージを受けることによって傷つき、視野が狭くなるという病気です。

緑内障の初期の段階では、視野のごく一部が欠けてしまいます。通常、人は両目を使って物を見るため、初期の段階では視野の一部が欠損しても気付かないことも多いのですが、緑内障が進行していくと、欠損している部分が次第に大きくなるため、視野が欠ける症状が自覚できるようになり、最悪の場合、失明に至ることもあります。

緑内障を引き起こす原因の一つに、活性酸素によるダメージが挙げられます。活性酸素は喫煙や栄養の偏り、暴飲暴食、食生活の乱れのほか、紫外線や過度のストレスなどによって発生し、体内をサビつかせてしまう要因となります。緑内障の症状の一つである視野欠損は、活性酸素の発生によって、目の網膜や、網膜から脳に情報を送る視神経が傷つけられることで発症すると考えられています。

研究では、ビルベリーのエキスが緑内障の予防に役立つかどうかを調べるため、ビルベリーのエキスを加えた網膜細胞と、ビルベリーのエキスを加えていない網膜細胞の双方に活性酸素を発生させ、それぞれの網膜細胞の生存率を調べました。

ビルベリーのエキスを加えていない網膜細胞は、活性酸素によるダメージによって、網膜細胞は約50%が死滅してしまいました。一方、ビルベリーのエキスを加えた網膜細胞は、活性酸素が生じても約90%が生存していました。

この研究結果によって、ビルベリーのエキスには、活性酸素から網膜細胞を保護する働きがあることが示されるとともに、活性酸素によって誘発される可能性のある緑内障の予防効果についても、期待が寄せられることになりました。

しかし、ビルベリーのエキスだけで緑内障を完全に予防できるというわけではありません。喫煙を控えたり、バランスの取れた食生活を送ったり、紫外線対策をきちんと行うなどして、活性酸素を減らす努力も忘れないようにしましょう