アルコールで血糖値を下げる? ドクター江部先生

こんにちは。

さて今回は、アメリさんからアルコールで血糖値を下げるのは膵臓に負担?とのコメント・質問をいただきました。

『08/12/18 アメリ
血糖値を下げる目的でアルコールを摂取することは膵臓に負担をかけますか?
江部先生、

お世話になっております。
IGT(Impaired Glucose Tolerance):耐糖能異常と診断されたアメリです。何とか糖尿病へ進むことを避けようと、基本的にお昼だけ糖質を摂る生活を数か月続けています。

アルコールは血糖値を下げるそうですが、私の場合かなり効果があるようです。

夕食に糖質を摂る際に赤ワイン(50cc~100ccくらい)を飲むと、推定カーボ量70g~80gで血糖値100を下回ることもあります。アルコールなし、脂肪分をあまり含まない食事の場合、カーボは100gほどで、血糖値200以上のこともありました。

糖尿病の場合、アルコールは摂取しないのが基本とのことですが、『血糖値を下げる目的』で赤ワインなどを少量飲むことは、やはり避けるべきでしょうか?血糖値が下がっても、糖質を摂取すること自体が膵臓への負担増となるのでしょうか?』

アメリさん。コメントありがとうございます。

米国糖尿病協会ではコントロール良好の糖尿人においては、アルコール24g(30ml)/日を食事と共にとるていどなら適量としています。
ビール350ml缶を2本、
ワイン150ml×2杯、
ウイスキー45ml×2杯
に相当します。

アルコールは飲み過ぎたらは発ガン性はありますし、当然肝臓や膵臓などにも良くないですが、上記の量までならまあ大丈夫なのでしょう。

夕食に糖質を摂る際に赤ワインを飲めば血糖値が上昇しないということですが、50cc~100ccなら量的には余裕で大丈夫ですね。(⌒o⌒)v

アルコーールによる血糖値低下は、個人差があると思いますが、アメリさんの場合は少量でとても効率良く下げてくれるようでラッキーと言えます。

「血糖値を下げる目的で赤ワインなどを少量飲むことは、やはり避けるべきでしょうか?」

少量から適量のアルコールは、リラックス効果もあり体にも良いと考えられますので、その結果血糖値が下がるとしたら、とても好ましいことです。 (^_^)

「血糖値が下がっても、糖質を摂取すること自体が膵臓への負担増となるのでしょうか?」

高血糖が膵臓のβ細胞にダメージを与え、また酸化ストレスを生じて血管壁の細胞などを障害します。従って、糖質を摂取しても食後高血糖が生じないならば、膵臓にも血管壁にも障害はないと考えられます。

ということで、アメリさんの場合は、夕食時の50ccから100ccの赤ワイン、おおいに活用されても問題ないと思います。

一方、適量のアルコールというのは、結構難しい問題をはらんでまして、かく言う私も、米国糖尿病協会の基準を大幅に超えてます。(=_=;)

私の場合、夕食に糖質ゼロ発泡酒350ml×2本から始めます。この時点で「お前は既に・・・」の世界ですね。(;_:)

中間で赤ワインを、150ml×2~3杯。ここらで終わることもありますが、佳境にいれば仕上げに
焼酎のお湯割りを2~3杯~・・・といったパターンです。(;ー;)

世界ガン研究基金の2007年の報告では、アルコールの摂取は7つのガン(大腸ガン、閉経後の女性の乳ガン、食道ガン、胃ガン、肺ガン、すい臓ガン、前立腺ガン)のリスクを高めるので、飲酒を控えるように勧めています。

重々承知の上ですが・・・。。。

まあ、私は自己責任で・・・ハイ、・・・美味しく楽しく適宜飲んでおります。(-_-;)

忘年会シーズン真っ最中です。糖尿人のご同輩、エチルアルコールに血糖値を下げる作用があるのは間違いありませんが、飲み過ぎにならないようご自愛くださいね。

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