魚貝類・海草の栄養分も たった10%しか?

ヒジキも鉄分、ミネラル不足が多い

http://blogs.yahoo.co.jp/zudonosan/12118896.html (引用文)

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実はこの土の赤いのは「鉄分」だそうです。
雑木林の土から浸み出してきたもので自然のものだそうです。

 

「鉄分」で思い出しました。

 

海で採れる「ヒジキ」には多くの鉄分が含まれていたそうですが、いまはビックリするほど鉄分が少なくなっているそうです。

 

JanJanの新聞「九鬼信」さんの「ヒジキ」が警告する海の環境異変から一部を引用させていただきます。
http://www.news.janjan.jp/living/0909/0909210501/1.php

 

ヒジキは鉄分豊富だとしてよく知られている食材だ。

 

「五訂増補日本食品標準成分表」によると、ヒジキの鉄分は100gあたり55mg含まれているとある。

 

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だが、実際にスーパーで販売されているヒジキは、どれもその値を下回る。
三重県は日本でも有数のヒジキの産地だが、含まれる鉄分はわずか3mgあるいは7mg。
標準の5%から13%程度しか含まれていない。

 

実は、一般にはあまり知られていないことだが、鉄は海の生物にとってきわめて重要な成分である。
鉄分は生命維持には不可欠の成分だが、水中では沈殿しやすく、したがって海中では不足しがちとなる。

このため、海洋生物は鉄欠乏に陥りがちで、鉄が不足すると植物プランクトンは増殖できない。
植物プランクトンが増えなければ、それを食べる魚や貝も増えることができない。
結果、鉄不足が海洋生物のバイオマスを決定づけることも起こりうるのだ。

 

日本近海の場合、鉄の供給で重要な役割を果たしているのが、「山」である。
山に生える草木は、枯れ葉などとなって土に帰るとき、フミン酸やフルボ酸という成分となる。

 

これらの成分は土の中の鉄分を溶解し、川の流れに乗って海に注ぎ込む。
沿岸部に豊かな漁場が形成されるのは、陸の鉄分を川が運んでくれるからにほかならない。

 

「山が豊かな海は魚が多い」と昔から言い伝えられるが、これは、山の木々が腐食してフルボ酸などになり、土壌中の鉄分を溶かしだして海に供給してくれるからである。

 

山の木々が栄えていなければ、海の中の木々(海藻)も栄えないということなのである。
だが、「山から海への物質循環」が、現代日本では断ち切られてしまっている。代表的なのがダムである。

 

ダムで水をせき止められると、ダム湖の中で鉄分は徐々に沈殿してしまう。
ダムからちょろちょろと出てくる水には、ほとんど鉄分が含まれないことになってしまう。
この結果、海にはフルボ酸鉄がほとんど流れ込まなくなってしまうのだ。

 

もう一つ、日本近海が鉄分不足に陥る原因として考えられているのが、針葉樹である。

 

北海道の沿海の復活を目指して (帯広畜産大学 西村昌数)

 

日本の本州以南では本来、針葉樹よりも広葉樹が発達しやすいのだが、戦後の政策もあり、スギやヒノキなど針葉樹ばかりの山になってしまった。

 

針葉樹は、広葉樹と比べてフルボ酸の量が少ない。
その結果、針葉樹ばかりの山からは、鉄分があまり溶かし出されないことになってしまう。
すると、その山から流れ出る川の最終地点である海は、鉄欠乏になってしまうことになる。
鉄欠乏に陥った海は、どうなってしまうのだろうか。

 

気になる現象が日本近海で広がり始めている。磯焼けである。
磯焼けとは、魚や貝などのたくさんの海洋生物が生活する場である藻場(海藻が草原のように豊富に存在する場所)が崩壊し、失われてしまう現象である。

 

磯焼けが起きてしまうと藻場を棲家とする様々な海洋生物が行き場を失い、いなくなってしまう。
もちろん、漁業にも大打撃を与える、深刻な事態なのである。
この磯焼けが、西日本を中心に拡大しつつあるのだ。

 

山に生えている植物は、肥料も与えていないのになぜあれほど青々と茂っているのだろう? 常に雨でさらされ、肥料になる成分も雨で流され、ついには砂漠になっても不思議ではないのに、なぜそうならないのだろうか。実は、肥料を常に供給してくれる生物がいるからにほかならない。

 

渡り鳥は海岸の干潟で羽を休め、魚をついばんで栄養をとると、陸地の上を飛び回ってフンを落とす。
アユやシャケ、ウナギなどの回遊魚は大挙して海から川へ遡上し、大量のタンパク源となって鳥やタヌキ、キツネなどの動物のエサとなり、山でフンをする。また、そうした動物の死骸を虫たちが食べ、動き回って山に運ぶ。

 

こうして海のバイオマスが大量に山のてっぺんにまで運ばれ、肥料となるのである。

 

渡り鳥が羽を休め、魚や貝をついばむべき干潟は、コンクリートで護岸され、日本の海岸ではほとんど失われてしまった。

 

アユやシャケ、ウナギの遡上はほとんどなくなり、あったとしてもダムの存在で陸の奥深くまでそれらの魚が遡上することはきわめて困難である。

 

また、それらの魚を食べて山に帰るタヌキやキツネ、鳥などの生物も少なくなり、昆虫も少なくなっている。山の森林がスギやヒノキばかりで、山の動物が生きていけない(エサがない)のもそれに拍車をかけている。

 

「海から山へ」の物質の流れが、断ち切られてしまっているのだ。

 

このことと関係があるのかは不明だが、山でも異変が起きている。
全国的にナラやカシの木の集団枯死が広がっている。

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