肥満 電解質

 

塩は肥満に関係しているか?

塩と健康 Vol.2 No.1 Winter 2007

肥満の悩み

アメリカで肥満は大きな公衆保健問題となってきた。したがって、政策問題である。この国では一般的に肥満は予防できる第二の死因と考えられている。国立保健統計センターでこの政策的に修正された意見に対する異議を記録する一方で、如何にして体重増加を避けるかが策的に議論されてきた。  人口のほぼ2/3にあたる約1億3千万人の成人が過剰体重であり、これらの約半分は肥満の定義(正常体重の20%増)に当てはまる。1960年から2000年の間に成人の肥満発症率は13%から31%に増えて2倍になり、この上昇の大部分は過去20年間に起こった。  若い人々の状況は成人と同様に厳しく、肥満のパーセントは過去20年間で6-11歳の子供で2倍以上に、12-19歳の青年で3倍になった。年齢を併せたグループで2003-2004年のデータ分析では、6-19歳の子供達で32%が過剰体重、17%が肥満であった

調査によると体重と健康との間には正相関があるので、集団間の過剰体重の上昇速度は重大な問題である。過剰体重や肥満になることは成人と子供で多くの疾患の危険性を増加させる:

  • 2型糖尿病
  • 高血圧
  • 異常脂血症
  • 冠状心疾患
  • 脳卒中
  • 胆嚢疾患
  • 骨関節症
  • 睡眠中無呼吸症と呼吸問題
  • 癌(子宮膜、肺、大腸)

個人の肥満やそれに伴う疾患の個人的な費用に加えて、社会的な肥満に対する年間の費用は1,170億ドル以上になると国立保健研究所は報告している。空前の人数のアメリカ人が肥満に対処しようとしている。2004年の市場調査では、7100万人がダイエット中であり、減量市場で年間460万ドル以上が費やされていることが分かった。アメリカで一定した肥満発症率の上昇に基づいて、2008年までにこの数値は610万ドルに達するであろうと、研究者達は推定している。大部分の減量法は明らかに食習慣に焦点を置いており、一般的に勧められていることは低塩食である7,8,9。低ナトリウム摂取量が体重コントロールの改善に寄与することを述べた試験事実はないにもかかわらず、そのような忠告が行なわれている。  疾患が増えるにつれて、組織的に混乱が強くなっている。例えば、    WHOの慢性疾患健康促進部長のロバート・ビーグルホール博士は1年前に次のように述べた。「過剰体重、肥満、それらに伴う慢性疾患は大部分予防できるのに本当に悲劇である。心疾患、脳卒中、2型糖尿病の約80%と癌の40%は健康な食事、運動、禁煙によって避けられる10。」肥満をコントロールする幅広い忠告で、減塩が体重を管理する能力を改善する事実はないとWHOは述べた。  肥満自身を減らす挑戦には利益があるかもしれないが、公衆保健当局や健康な体重を維持しようと心がけている人々にとって本当の疑問は:肥満を改善するように戦うために減塩は一般的な忠告であろうか?事実に基づいているのであろうか?  一言で言うと「ノー」である。いくつかの医療状態または投薬治療を除いて、ほとんどの場合、過剰な体重は使用する以上に多いカロリーを摂取した結果であることを知っている。塩にはカロリーがないので、食事中の塩含有量は体重の増減には関係ない。ナトリウムにはカロリーがないからである。  真偽の疑わしい体重と塩との関係は塩自体にあるのではなく、塩が加えられた食べ物にある。その調査は、塩摂取量が体重増加と関係しているという疫学調査からの最近の主張を説明しているらしい11。この報告の著者らは塩の入った食べ物のカロリー含有量をコントロールしていない。したがって、最も関係のある栄養因子であるカロリーを見落とした。1984年に刊行された雑誌サイエンスで、連邦政府の第一回国民保健栄養試験調査(NHANES Ⅰ)データベースの分析は、現在DASH食と呼ばれているデータとはまったく反対であった。比較的高いミネラル摂取量の一部として比較的高いナトリウム摂取量は低体格指数と実際に関係していた12。 高い塩摂取量は水保留の結果として一時的に体重を増やす。逆に、非常に少ない塩摂取量は一時的に体重を減らす。体から水を排泄するように働くからである。多くの食事療養者を失望させるが、「減塩」勧告に従って減塩に着手すると直ちに数ポンドの減量が現れるが、体の液体バランスが戻ると、減量は止まり過剰の脂肪が残る。  多分、減塩忠告は減量勧告の一部である。主として脂肪やナトリウム摂取量からのカロリー低減は、それらの効果に関係なく高血圧患者に勧められる最も一般的な2つの食事療法であるからである。過剰体重ではない人々でも、血圧を下げるために減量が最も効果的な非薬物介入であることには間違いない (表1)13,14 しかし、学んできたように血圧を下げる方法は健康上臨床的な介入の結果をもたらす。2つの大規模な政府が財政援助した臨床試験では、血圧を下げることで知られた高品質の食事が行なわれたが、減塩は減量や血圧コントロールを改善しないことが分かった。高血圧予防試験(TOHPS Ⅱ)は血圧に及ぼす減量の効果を明らかにした15。減塩しても、効果や有害な影響が増える訳ではない。最初の高血圧予防食事試験(DASH)で、参加者は通常の塩摂取量で体重を一定にコントロールしながら、改善された食事品質で血圧はあざやかにコントロールされた16

表1 国立心臓・肺・血液研究所からの高血圧を予防し管理するための生活様式改善の収縮期血圧低下効果の比較

改    善            大体の低下値

減  量            5-20 mmHg/10 kg

DASH食                               8-14 mmHg

減  塩            2-8 mmHg

エネルギー方程式

上述したように、消費する以上にエネルギーを摂取すると体重が増える。減量するためには、使われるエネルギーまたはカロリー量は摂取量以上に大きくなければならない。理想的な体重を維持するためには、「エネルギー・バランス」を取ることを目標にしなければならず、食べた食事中には毎日消費するエネルギー量とほぼ同じ量が含まれていなければならない。したがって、アメリカ人の肥満流行は単独で食べ物が多すぎたり、運動が少なすぎた結果ではない。2つの因子が結びついた結果である17

エネルギー消費

式の摂取側でナトリウムは体重を永久に増やす原因にはならず、その存在は他の側、すなわちエネルギーを消費する側で体の能力を発揮するために重要である。ヒトの総エネルギー消費量の約70%は体の器官内で基本的な生命活動に費やされる。基礎代謝量(BMR)は休息時に機能するために体が必要とするエネルギー量である。これは1日に消費するカロリーの約60-70%を占め、心臓の脈動、肺の呼吸、腎臓機能、体温の維持に必要なエネルギー量である。エネルギー消費量の約20%は運動で、他の10%は食べ物からの発熱あるいは消化で消費される。  これらの機能を正常に維持するために、体液バランスを維持しなければならない。すなわち、体液の約2/3は細胞内にあり、約1/3は細胞外にある。ミネラルが水中で分離したときの形である電気的に電荷を持った粒子の電解質は、体液が体内の何所にどの様に分布するかを制御し、体内で水は細胞膜を自由に通り細胞を浮かせている。ナトリウムは細胞外液で正に荷電した主たる電解質で、体内の総水量を制御している。  各細胞の内外へのナトリウム移動は重要な身体機能で役割を果たしている。細胞内外の電気的バランスの差は神経刺激の伝達、筋肉の収縮・弛緩、血圧コントロール、適当な腺機能を発揮させる。電解質の存在はいくつかの液体、特に血液の酸度またはpHを決める。電解質バランスが変化すると、腎臓は電解質濃度を一定に維持するように働く。例えば、比較的高いナトリウム摂取量では一般的に排尿量は増加する。逆に激しい運動では、電解質は汗や呼吸を通して失われ、特にナトリウムとカリウムは喉の渇き機構の引き金を引く。電解質は体液中の電解質濃度を一定に維持し、液体バランスを保証するために置き換えられなければならない。  上述したように、摂取エネルギーの20-30%は運動に利用され。このエネルギーが消費されない時や消費するよりも多くのエネルギーが摂取されると、体重が増加する。運動は適当な体重やエネルギー・バランスを達成・維持するために基本的な活動である。同様に塩化ナトリウムのバランスを含めて適当な電解質バランスを確保するには、液体バランスや最適な運動能力を維持するために塩は不可欠である。回復時間の遅れ、筋肉痙攣、耐久力や動作の低下、筋肉障害が大きくなる傾向は電解質バランスの崩れによる結果である。  定期的な活動や軽い運動をするときには、水だけでは一般的に身体の体液要求に応えてない。30分間の運動毎に約1パイントの水が勧められる。しかし、もっと激しく長期間の運動では、特に暖かいまたは湿気の多い気候のとき、水と電解質の両方を補給する必要がある。汗が出るような運動で必要とされる第一の電解質はナトリウムである。運動中のナトリウム摂取は次のことから重要である:
● 飲料水中のナトリウムは飲みたいと思う生理的欲求を維持し、自発的な水分摂取を刺激する18。  ● グルコースと一緒に飲むナトリウムは消化管中で水の吸収を良くする19。  ● ナトリウムは再水和作用の速度と完全性を刺激する20

アメリカのスポーツ医科大学は1時間以上の運動では飲料水に電解質を加えることを勧めており、十分な水分補給は「通常の運動に参加している個人の健康、安全、最適運動能力を促進させると述べている21。」

塩と肥満

そうすると「塩は肥満流行と関係あるのであろうか?」事実は塩の容疑を晴らしており、肉体的に良好で健康な身体を築く上で、塩は良い役割を果たしているとさえ言えることを明らかにすべきである。大多数の場合、過剰体重と肥満は消費エネルギーを上回る摂取エネルギーによる結果である。  塩は肥満で直接の役割を果たさない。塩はエネルギー(カロリー)を持っていないので、過剰な脂肪の蓄積と直接的に関係していない。塩が加えられているかもしれない食べ物を慎重に選べば、すなわち、栄養素や繊維質が高く、カロリーが低い食べ物を選べば、体重が増えることはない。他方、十分なナトリウム摂取量は、体重管理、過剰体重を減らすために試みている運動プログラムの効果や成功に対して重要であることを含めて、ヒトの身体を正常に機能させることに対して必須である。栄養的に反復する食事を何時も摂ることは毎日の活動で必要なナトリウムを補給し、ナトリウムを含む飲料水と組み合わせると、激しいあるいは長い運動に必要な多量の電解質を満たす。  今日一般的な食事の食べ物で含まれている多くの成分が国民の肥満流行にネガティブに寄与しているとしても、塩はそれらの成分の一つではない。

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いのちと塩 + – 真実の扉 – Gooブログ

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2005/05/08 – 佐藤稔は、友人から「塩にとり憑かれた男がいるから、相談にのってやって欲しい」と請われて会うことになる。 … 佐藤稔氏と、塩研究家の佐藤秀夫がこの「いのちと塩」の本の著者で、佐藤稔博士が「発作の前兆が消えた」と思ったのは10年来の痛風の発作です。 …. 妊婦の方の羊水の成分も海水と同じだと聞いたことがあります。

木曽路物産:天然塩

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その地で地元の人がいのちの塩と呼んで代々大切にしてきた塩が天外天塩です。 … とくに近年増えている和風の昆布・椎茸やカツオを使うスープの場合はこれらのうまみ成分(イノシン酸)が、ニガリ成分と結合しダシのうまみが出てこなくなるのです。ここに …

木炭および竹炭の灰分に含まれる微量元素のPIXE 分析

木炭および竹炭の灰分に含まれる微量元素のPIXE 分析

 

山根健司 景守紀子 今村祐嗣 二ッ川章二*1 世良耕一郎*2
京都大学木質科学研究所
611-0011 宇治市五ヶ庄
*1 (社) 日本アイソトープ協会仁科記念館サイクロトロンセンター
020-0173 岩手県滝沢村字留が森348-58
*2 岩手医科大学サイクロトロンセンター
020-0173 岩手県滝沢村字留が森348-58
1.はじめに
近年、木炭および竹炭は環境浄化材などの機能性材料として身近な存在となっており、将来は化石資源に替わる
炭素材料素材として注目されつつある。一般に、木炭および竹炭の性質・機能は、表面状態および炭素間の構造・
組織によって定まり、さらに熱処理温度、雰囲気状態などの製造条件も大きく影響する。処理温度が低温度域の木
炭および竹炭の炭素構造はいわゆるアモルファスであるが,処理温度が高くなると黒鉛類似の結晶構造となって、
全く新しい特性を有する炭素材料となる1、2)。さらに易黒鉛化性炭素については、遷移金属元素およびその酸化物
が結晶化に有効な触媒作用をはたし、低温黒鉛化が可能であることが知られている3)。また、難黒鉛化性炭素であ
る木炭についても同様の効果が期待され、筆者ら4)はスギ炭と酸化鉄を粉末状態で混合して放電焼結を試み、そ
の効果を確認した。しかしながら木炭および竹炭においては、本来それ自体に多種の微量元素が存在しており5-7)、
その含有量は原料である樹木・竹の生育・立地条件によっても変動すると予測される。したがって、遷移金属元素
を触媒として新たに添加して黒鉛化におよぼす効果を正確に知るためには、木炭および竹炭にもともと存在する微
量元素の含有量を正確に把握しておく必要がある。
ここでは、多元素同時分析として有効なPIXE を用いて木炭および竹炭の灰分に含まれる微量元素を測定し、幾
つかの知見を得たのでその結果を報告する。
2.実験方法
2.1 供試原材料
木炭の原材料である木材には千葉県産の樹齢20 年のスギ(Cryptomeria japonica D.Don)間伐材、カンボジア
産の紫檀:ローズウッド(Dalbergia cochinchinensis Pierre(Leguminosae))およびアフリカ産の黒檀:ブラッ
クウッド(Diospyros sp. (Ebcnaceac))、竹炭の原材料である竹材には4年生と思われる福井県産および千葉県
産のモウソウチク(Phyllostachys pubescens Mazel et H. de Lehaie)を用いた。また、和歌山県産の備長炭の
原材料はウバメガシ(Quercus phillyraeoides A.Gray)である。
2.2 試料調製方法
スギ炭、紫檀炭、黒檀炭および竹炭は、それぞれの材料を10mm×30mm×100mm程度に裁断し、ステンレ
ス製の炭化炉で窒素雰囲気中、700℃もしくは800℃を1 時間保持して炭化処理したものである。ウバメガシ炭は
市販品の備長炭を用いた。PIXE 分析用の試料には、これらの木炭および竹炭を電気炉中815℃で充分に空気を供
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給しながら5 時間以上焼成して灰化したものを用いた。
2.3 分析方法
木炭および竹炭の固定炭素、揮発分および灰分の含有量はJIS M 8812 石炭およびコークス類工業分析法に準
じて測定した。また、木炭および竹炭の灰分に含まれる微量元素の定量は、NMCC で実施されているPIXE 分析
法およびSAPIX解析法により行った。
3.結 果
3.1 木炭・竹炭の工業分析値
炭化温度700℃~800℃の木炭、竹炭および市販品備長炭の工業分析値を表1に示す。この温度は良好な木炭、
竹炭を製造できる温度であって、それぞれに含まれる固定炭素の含有率は84%~92%と高い値を示している。ウ
バメガシ炭(備長炭)においては生産の最終工程で約900℃の精煉を行っているため炭化が進行して未炭化分であ
る揮発分の含有率は4.9%程度と低く、固定炭素の含有率は94.4%と高い値となっていた。揮発分および固定炭素
含有率は炭化温度によって変化するが、灰分含有率は材料固有の値であって、紫檀炭、黒檀炭および竹炭の灰分含
有率は2%~4%と高く、スギ炭およびウバメガシ炭の3倍~6倍となっていた。
3.2 木炭・竹炭およびこれらの灰分の微量元素
木炭および竹炭の灰分に含まれる微量元素の分析結果を表2に示す。スギ炭、ウバメガシ炭、紫檀炭および黒檀
炭の灰分には、Ca およびSr が共通して多く含まれており、Ca の含有量は灰分の40%~60%を占めていた。ス
ギ炭灰分にはNa、Si およびFe が他の木炭 灰分より比較的多く含まれており、スギ炭灰分のSi の含有量は紫檀
炭および黒檀炭の灰分の1000 倍程度と高い値であった。スギ炭およびウバメガシ炭の灰分にはKおよびFe が紫
檀炭および黒檀炭のそれの10 倍程度多く含まれていた。また、ウバメガシ炭灰分にはSおよびZn が他の木炭灰
分のおよそ10 倍多く含まれていた。
紫檀炭および黒檀炭の灰分の特徴としてはMnの含有量が、スギ炭およびウバメガシ炭のおよそ10 倍となって
いたことである。
竹炭灰分には、兵庫県産、千葉県産共にNa、Mg、K、Si、Mn およびZn が同程度に多量に含まれており、K
の含有量は灰分の15%~24%となっていた。このことは木炭類とは異なった点であって竹炭類の大きな特徴とい
える。また、竹炭灰分には、木炭灰分に見られた遷移金属のCr、Ni、Mo および重金属類のHg、Pb が全く検出
されなかった。木炭および竹炭の灰分には、遷移金属のFe、Cu が微量ではあるが同程度に含まれていた。
また、表3には工業分析値(表1)および微量元素の分析結果(表2)を基にして、竹炭および木炭に含まれる
表1 木炭・竹炭の工業分析値
試 料 名           木         炭                  竹   炭
千葉県和歌山県カンボジアアフリカ福井県千葉県
項 目スギ炭ウバメガシ炭紫檀炭黒檀炭モウソウチク炭モウソウチク炭
炭化温度(℃ ) 700 900* 800 800 700 700
木炭収率(% ) 27.7 25.0* 29.6 32.7 28.1 31.3
揮発分(% ) 7.23 4.86 10.9 11.5 8.30 9.08
灰 分(% ) 0.670 0.740 2.20 4.40 2.00 2.42
固定炭素(% ) 92.1 94.4 86.9 84.1 89.7 88.5
注  1) 工業分析値および木炭収率はドライベース
2) *  印は推定値
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微量元素の含有率を計算した結果を示した。ここで、木炭と竹炭を比較すると、いずれの木炭にもCa およびSr
が竹炭より多く含まれていた。とくに紫檀炭および黒檀炭においてはCa の含有率は2%程度であって、スギ炭お
よびウバメガシ炭の3倍~8倍、竹炭の35 倍~80 倍と高い値であった。また、福井県産および千葉県産の竹炭に
おいては共通してK、Mg、Na、Si、MnおよびZn が木炭類より多量に含まれていた。
4.考 察
木材および竹材(マダケ)においては、灰分量およびそれに含まれる微量元素は樹種、樹齢、樹種部分によって
変動することが知られている。また産地の土壌条件の影響を受けても微量元素の含有量は異なることが予想されて
いる5-6)しかし、本研究の結果からは、木炭の灰分の主要成分はCa であり、竹炭のそれはK、MgおよびSi であ
ること、そして木炭の灰分にはSr、竹炭の灰分にはMnおよびZn、がそれぞれ比較的多量に含まれていることが
認められた。この灰分に見られる特徴は、木炭および竹炭中の含有量に換算した場合においても認められ、さらに、
木炭にくらべると竹炭では産地などの立地条件による影響が比較的少ないことも特徴のひとつとみることができ
る。
なお、木材および竹材には表2に示された元素以外の揮発性の元素が多数含まれていると考えられるが、これら
は炭化処理および灰化処理の段階で逸散したものと推察される。また、木炭および竹炭の灰分に含まれる微量元素
の合計が100%(106μg / g)となっていないことは、これらが酸化物として存在していたためと思われる。
試料名
千葉県和歌山県カンボジアアフリカ福井県千葉県
分類Z 元素名スギ炭ウバメガシ炭紫檀炭黒檀炭
モウソウチク

モウソウチク

11 Na 8.01×103 3.65×103 1.73×103 1.06×103 1.49×104 1.36×104
12 Mg 3.69×104 6.93×104 1.25×104 5.82×103 7.80×104 6.45×104
軽13 Al 3.44×103 5.46×102 8.85×102 2.18×102 8.90×102 1.36×103
金19 K 4.69×104 4.01×104 3.26×103 1.10×103 2.38×105 1.49×105
属20 Ca 4.24×105 6.35×105 6.39×105 5.50×105 2.03×104 1.19×104
38 Sr 2.26×103 4.84×103 1.19×103 9.75×103 2.68×102 1.70×102
小計5.22×105 7.54×105 6.59×105 5.68×105 3.52×105 2.45×105
14 Si 1.62×104 ー3.25×101 1.74×101 5.95×104 1.24×105
非15 P 1.03×104 1.09×104 1.86×103 6.41×102 2.36×104 2.75×103
金16 S 9.00×103 2.16×104 3.31×103 2.76×103 1.42×104 5.09×103
属17 Cl 3.26×102 ーーー6.60×102 2.46×102
35 Br 7.20×100 3.10×100 3.37×100 6.27×100 ーー
小計3.58×104 3.25×104 5.21×103 3.43×103 9.80×104 1.32×105
22 Ti 8.80×101 ー7.86×101 ー2.71×102 9.30×101
遷24 Cr 1.71×102 5.14×102 1.23×102 6.88×101 ーー
移25 Mn 4.52×102 8.70×102 3.75×103 2.39×103 9.80×103 1.05×104
金26 Fe 1.53×103 1.11×103 5.81×102 3.34×102 9.61×102 9.90×102
属27 Co ー2.60×101 ー4.76×100 ーー
28 Ni 8.55×101 8.80×100 1.49×101 6.68×100 ーー
29 Cu 4.56×102 7.56×102 2.55×102 1.45×102 2.01×102 1.81×102
42 Mo 6.70×100 1.55×101 ー1.29×101 ーー
小計2.79×103 3.30×103 4.81×103 2.96×103 11.2×103 11.8×103
重30 Zn 6.30×101 1.98×102 1.81×101 4.80×101 9.25×102 3.23×103
金31 Ga 1.64×100 ーーーーー
属80 Hg 4.30×101 1.90×100 6.17×10-1 5.48×100 ーー
82 Pb 1.60×101 3.81×101 1.42×101 1.56×101 ーー
小計1.24×102 2.38×102 3.29×101 6.91×101 9.25×102 3.23×103
5.60×105 7.89×105 6.69×105 5.75×105 4.63×105 3.88×105
表 2  木炭・竹炭の灰分中の微量元素 (μ g/g)
木         炭竹    炭
合   計
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本分析の結果、木炭および竹炭には黒鉛化触媒として有効性な遷移金属元素の、Fe、Cu およびMnが極めて微
量ではあるが含まれていることが判明した。したがってこれらの元素と接触した極微小組織には結晶化の効果は現
われるかもしれないが、組織全体としては接触が困難であろうと推測されるため、これら含有微量元素が結晶化に
与える影響はきわめて少ないものと考えられる。
5.おわりに
PIXE 分析法によって、木炭および竹炭の灰分に含まれる微量元素の種類とその量を確認できたことは、これか
らの炭研究に役立つ重要な成果である。また、微量遷移金属元素と接触可能な木炭・竹炭の炭素組織の構造変化に
ついての究明は今後の課題となる。加えて、木炭と竹炭(木材と竹材)の微量元素に特徴的な違いが存在すること
がわかったことは、樹木と竹の成長などに係わる基本的な事象とも推察され、この方面の研究においても多いに興
味が持たれる。
謝 辞
本研究を行うにあたり、PIXE 分析で (社) 日本アイソトープ協会仁科記念館サイクロトロンセンターのスタッ
フの皆様方にお世話になったこと深く感謝致します。また、試料木材の紫檀、黒檀をご提供いただいた(株)カワ
サキ 専務取締役 川崎正雄氏に厚く謝意を表します。
文 献
1)山根健司、石原茂久、奥田宏史、炭素、182 95-100(1998)
2)山根健司、畑 俊充、石原茂久、炭素、186 2-6(1999)
3)M. Inagaki、K .Fujita、Y. keuci、K. Oshida、H. wata and H. Konno、Carbon 39 (2001)921-929
4)山根健司、西宮耕栄、古塚毅士、石原茂久:第 48 回日本木材学会研究発表要旨集、663(1998)
5)三浦伊八郎:“木材化学”、丸善、1938、pp.43-51
6)K. Taneda、M. Ota and M. Nagashima、 Mokuzai Gakkaishi 32 (10)833-841(1986)
7)N. Okada、Y Katayama、T. obuchi、Y Ishimaru and A.Aoki、Mokuzai Gakkaishi 36 (1)1-6(1990)
試料名
千葉県和歌山県カンボジアアフリカ福井県千葉県
分類元素名スギ炭ウバメガシ炭紫檀炭黒檀炭モウソウチク炭モウソウチク炭
Na 5.37×101 2.71×101 3.81×101 4.66×101 2.98×102 3.29×102
軽Mg 2.47×102 5.13×102 2.75×102 4.56×102 1.56×103 1.56×103
金Al 2.31×101 4.04×100 1.95×101 9.59×100 1.78×101 3.29×101
属K 3.14×102 2.97×102 7.17×101 4.84×101 4.76×103 3.61×103
Ca 2.84×103 4.70×103 1.41×104 2.42×104 4.06×102 2.88×102
Sr 1.51×101 3.32×101 2.62×101 4.29×102 5.36×100 4.11×100
小計3.49×103 5.57×103 1.45×104 2.52×104 7.05×103 5.82×103
非金属Si 1.09×102 ー7.15×10-1 7.66×10-1 1.19×103 3.00×103
遷Cr 1.15×100 3.81×100 2.71×100 3.03×100 ーー
移Mn 3.03×100 6.44×100 8.25×101 1.05×101 1.96×102 2.54×102
金Fe 1.03×101 8.21×100 1.28×101 1.47×101 1.92×101 2.40×101
属Cu 3.10×100 4.14×100 5.61×100 6.38×100 4.02×100 4.38×100
小計1.76×101 2.26×101 1.04×101 3.45×101 2.19×102 2.82×102
重金属Zn 4.22×10-1 1.47×10-1 3.98×10-1 2.11×100 1.85×101 7.82×101
合計3.62×103 5.60×103 1.47×104 2.52×104 8.48×103 9.19×103
表3 木炭・竹炭の微量元素(ppm)
木      炭竹    炭
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http://www.siojoho.com/ より~

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塩の情報室

 提供:元日本塩工業会顧問
工学博士 尾方 昇
 このホームページは、皆様の質問にお答えしながら、塩に関する客観的で正しい情報を広くお知らせするために平成元年に始めたものです。50年間塩の研究を続けてきたものとして、できる限り正しく客観的な情報をお届けするようにと心掛けて参りましたが、すでに喜寿も過ぎました。健康状態も思わしくなく、今後はすべての仕事から退き平穏な老後を送る予定にしておりますので、今回をもって更新は終わりです。
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2011.03.30
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略歴
1932年現韓国釜山市に生まれる。熊本高校、九州大学理学部化学科卒業、工学博士(東京工大)、1955年日本専売公社入社、防府製塩工場、広島局塩脳部、小田原製塩試験場、中央研究所、海水総合研究所、社団法人日本塩工業会、食用塩公正取引協議会などに勤務。塩及び海水溶存資源に関する研究や塩業界の世話役を55年間務める。 著書:塩の分析と物性測定(日本海水学会刊、1992)海水の科学と工業(東海大学出版部1994)製塩の工学全5巻(日本塩工業会、1995-2000)塩のことば辞典(素朴社、2007)塩のちから(素朴社、2009) 受賞:日本海水学会学術賞(1970)同功労賞(1998)第1回科学技術庁研究功績者表彰長官賞(1975)