糖尿病性腎症の症状と発症のしくみ

糖尿病がもたらす糖尿病腎症の症状や治療法について

糖尿病腎症は初期にはほとんど症状がみられません。進行するにつれ血中のタンパク質が減少、さらに進むと水分のろ過ができなくなり透析が必要となります。ここでは糖尿病性腎症の症状と発症のしくみをドクター監修のもと解説します。

糖尿病性腎症の症状と発症のしくみについて説明します。

糖尿病性腎症の初期は自覚症状がほとんどない

糖尿病性腎症は、かなり進行してからでないと自覚症状はあらわれない病気です。

糖尿病性腎症は、試験紙を使った尿タンパク検査ではその精度から異常がわかりません。しかし、尿の精密測定を行うと、尿の中に微量のアルブミンが漏れでていることから、腎症が始まっているかどうかが判別できます。この初期の段階では、適切な血糖コントロールによって腎臓の機能を回復することも可能です。いかに早く腎症のはじまりに気づき、治療を開始するかということが大切です。

糖尿病性腎症が進行してくるとあらわれる症状は?

糖尿病性腎症が進行すると、腎臓の糸球体のろ過能力が低下するため、大量に尿にタンパクが排出されるようになります。すると、血液中のタンパク量が減少するようになり、高血圧やむくみ、高コレステロール症など、ネフローゼ症候群と呼ばれる症状があらわれます。

さらに、腎症が進行すると貧血、食欲の低下、強い疲労感、嘔吐、むくみの悪化、筋肉の痛みなどの腎不全症状が始まります。最終的には腎臓が働かなくなり、体に水が溜まることによる肺水腫や心不全、毒素が溜まることによって昏睡などを引き起こします。そのため、血液を人工的に外部からろ過する透析治療が必要となります。

糖尿病性腎症が発症するしくみ

糖尿病性腎症が発症する原因は、高血糖による動脈硬化です。あわせて腎症を悪化させる要因には、高血圧や高タンパク食、脂質異常症などがあげられます。

高血糖により、腎臓にある糸球体の毛細血管を硬くしてしまいます。さらに高血圧が毛細血管壁にダメージを与えることで悪化します。

硬化した糸球体はだんだんとろ過能力が衰え、正常なろ過ができなくなります。そうすると、タンパクを尿へと排出してしまい血中のタンパク量が低下します。尿の検査値に異常があらわれるだけでなく、しだいにむくみなどの症状があらわれます。また、血圧をコントロールするホルモンが働かず、高血圧が悪化し、さらに、血管にダメージを与えるという悪循環に陥ります。さらに病気が進行すると、老廃物を含む水分を排出できなくなるほど腎機能が低下しますので、透析治療の開始となります。

糖尿病性腎症は持続的にタンパク質が尿に排出されるようになると、進行を止めることしかできません。糖尿病と診断されたら、自覚症状を待たずに1年に1度は微量アルブミン尿検査を受けておくことが大切です。

電解質異常(総論)の基礎知識

電解質異常(総論)の基礎知識

電解質異常(総論)とは?

 

電解質異常(総論)に関連する治療薬

カリウム製剤

  • 体内にカリウムを補充しカリウムが不足することでおこる脱力感や吐き気などの症状を改善する薬
    • 低カリウム血症は血液中のカリウム濃度が低下した状態で筋肉症状、消化器症状などがあらわれる
    • カリウムは筋肉や神経などの働きに関わる
    • 本剤はカリウムを含む製剤であり体内にカリウムを補充する
  • 利尿薬などの薬剤を使用中に起こりうるカリウム不足に対して使用される場合もある
カリウム製剤についてもっと詳しく≫

 

陽イオン交換樹脂製剤(血清カリウム抑制剤)

  • 腸管内で薬剤のもつ陽イオンをカリウムイオンと交換しカリウムイオンを排泄させて血液中のカリウム値を下げる薬
    • 慢性腎不全では腎機能低下により血液中のカリウム値が高くなりやすくなる
    • 血液中のカリウム値が高いままだと高カリウム血症がおこりやすくなる
    • 本剤は腸管内でカリウムイオンを本剤のもつ陽イオンと交換し、体外へ排泄させる樹脂製剤
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カルシウム製剤

  • 体内にカルシウムを補充し、骨粗しょう症、高リン血症、消化器症状などを改善する薬
    • カルシウムは体内で骨を強くする作用、リンを体外へ排泄する作用、胃酸に対する制酸作用などをあらわす
    • 本剤はカルシウムを含有する製剤で、製剤毎の特徴などによって色々な疾患・症状に使用する
  • 本剤は主に有機酸系カルシウム製剤と無機系カルシウム製剤に分かれる
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インスリン製剤

  • インスリンを体内に投与することで、血糖値を下げ糖尿病による合併症を防ぐ薬
    • 糖尿病は血糖値が高い状態で、この状態が続くと様々な合併症を引き起こす
    • インスリンは血糖を下げるホルモン
  • インスリン製剤はインスリンアナログ製剤とヒトインスリン製剤に分かれる
  • インスリン製剤は作用発現時間や作用持続時間などにより以下の種類に分かれる
    • 超速効型:作用発現時間が10〜20分、作用持続時間は3〜5時間で「食直前に投与」
    • 速効型:作用発現時間は30分〜1時間、作用持続時間は5〜8時間で「食前30分に投与」
    • 持効型:作用持続時間は約24時間又はそれ以上で、継続使用時に明らかなピークが見られないため、中間型に比べてよりスムーズに基礎分泌を補いやすいメリットが考えられる
    • 中間型:作用発現時間は30分〜3時間、作用持続時間は18〜24時間(同じ中間型でも製剤によっては作用持続時間に開きがある場合もある)
    • 混合型:超速効型又は速効型に、一定量の添加物を加えたり中間型を組み合わせた製剤(超速効型又は速効型の配合割合が複数存在する)
インスリン製剤についてもっと詳しく≫

 

電解質異常(総論)の経過と病院探しのポイント

この病気かなと感じている方

電解質異常とは一つの病気の名前ではなく、高ナトリウム血症低ナトリウム血症、またナトリウムではなくカリウムやカルシウムといった電解質ミネラル)の過不足を指した言葉です。それぞれで治療法が変わってきます。

上記のような症状に該当してご心配な方は内科の総合病院の内科での受診をお勧めします。その際には、どういう状況なのか(健康診断で電解質異常が判明したのか、何らかの症状があって電解質異常ではないかと自分で考えているのかなど)を正しく伝える必要があります。

電解質異常そのものを治療するだけでなくその原因となった病気を治療しなければなりませんので、腎臓の病気であれば腎臓内科、副腎の病気ならば内分泌代謝科など、原因が判明次第、実際には各科が担当になることがほとんどです。

電解質異常の診断は血液検査で行います。その上で、追加で行う検査としては様々ですが、尿検査、心電図頭部CT腹部CT腹部エコーなどのうちいくつかが必要となることが多いです。これらの検査が行える、総合病院の内科を受診することをお勧めします。

 

この病気でお困りの方

軽症であれば内服薬で様子を見ながら通院で治療することもありますし、重症の場合には意識障害やけいれん、心臓発作などの症状が出ますので入院となります。

電解質異常の原因によっては手術が必要となったり、特別なホルモンの検査が必要となったりします。これは比較的まれなパターンではありますが、そのようなケースでは手術が行える施設を備えた病院や経験の豊富な大学病院を紹介受診(または入院中の転院)することがあります。詳しくはそれぞれの電解質異常のページもご参考になさってください。

高カリウム血症の基礎知識

基礎知識

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高カリウム血症の基礎知識

高カリウム血症とは?

  • 血中のミネラルの一つであるカリウムの濃度が高くなった状態
    • 突然の心停止などにつながり得る危険な状態である
  • カリウムの主な役割
    • 細胞内の浸透圧の調整
    • 筋肉の収縮
    • 神経の働きを保つ
  • 食事から多くのカリウムを摂取しても、通常は腎臓の働きによって尿にカリウムが排泄される
    • 腎臓の働きが低下するとカリウムが溜まり、高カリウム血症になりやすくなる
    • 腎臓が正常なら、食事の偏りが原因で高カリウム血症になることはない
  • 薬の副作用も原因のひとつ
  • 血中のカリウム濃度が高くなってしまう原因
    • カリウムの排出機能の低下
      腎不全
      ・薬剤
    • 副腎の病気による、アルドステロンの分泌低下
      アジソン病など
    • 偽性低アルドステロン症
    • 尿細管アシドーシス
      糖尿病
      全身性エリテマトーデスSLE
      シェーグレン症候群
      ・移植腎
      ・間質性腎障害
    • 細胞内から血液中へのカリウムの移動
      ・高浸透圧血症
      高血糖
      ・アシドーシス
      ・飢餓(インスリン不足)
      ・溶血、内出血、横紋筋融解症クラッシュ症候群などの細胞破壊
    • カリウムを大量に含む薬剤:カリウム製剤(商品名アスパラ、アスパラカリウム)など
    • 高カロリー輸液、経管栄養
    • 保存赤血球
  • 高カリウム血症の原因になる薬剤
    • NSAIDs:ロキソプロフェン(商品名ロキソニン)、ジクロフェナク(商品名ボルタレン)など
    • ACE阻害薬:テモカプリル(商品名エースコール)、イミダプリル(商品名タナトリル)、エナラプリル(商品名レニベース)など
    • ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬):ロサルタン(商品名ニューロタン)、カンデサルタン(商品名ブロプレス)、テルミサルタン(商品名ミカルディス)、オルメサルタン(商品名オルメテック)、イルベサルタン(商品名アバプロ、イルベタン)、アジルサルタン(商品名アジルバ)など
    • 免疫抑制薬:シクロスポリン(商品名ネオーラル、サンディミュン)、タクロリムス(商品名プログラフ)など
    • 抗菌薬:ST合剤(商品名バクタ)、ペンタミジン(商品名ベナンバックス)など
    • タンパク質分解酵素阻害薬:ナファモスタット(商品名フサン)
    • 抗アルドステロン薬:スピロノラクトン(商品名アルダクトン)、エプレレノン(商品名セララ)など
    • カリウム保持性利尿薬:トリアムテレン(商品名トリテレン)、アミロライドなど
    • ヘパリン
    • ペニシリンG
    • β遮断薬、ジギタリス、アミノ酸製剤、サクシニルコリン
  • 慢性腎臓病や糖尿病腎症の治療に使われる降圧薬のレニン・アンジオテンシン系阻害薬(ACE阻害薬、ARB)は高カリウム血症の原因になりうる
  • 採血の失敗(溶血)で検査上高カリウム血症のように見える場合がある

症状

  • 主な症状
    • 筋力の低下(脱力感)
    • 不整脈
    • 吐き気、嘔吐
    • しびれ、感覚障害 など

検査・診断

  • 血液検査
    • 腎機能や血液中のカリウム濃度を調べる
  • 心電図
    • カリウムによる心臓への影響を確認する
  • 心電図にはカリウム濃度に応じて特徴ある波形が現れる
    • K>5.5mEq/lでQT短縮、幅が狭く左右対称なT波増高(テント状T波)
    • K>6.5mEq/lで接合部調律、ST上昇、P波消失
    • K>7.0mEq/lでQRS幅拡大、PR間隔延長(徐脈)、正弦波(サインカーブ)、洞停止、心室細動
    • II、III、V2誘導でよく特徴が現れる
  • 高カリウム血症による不整脈の種類
    • 心室細動
    • 洞停止
    • 右脚ブロック
    • 左脚ブロック
    • 2枝ブロック
    • 心室細動は心停止に至り、突然死の原因となりやすい

治療

  • 治療の目的
    • 血液中のカリウム濃度を低下させる
    • 不整脈の出現を予防する
  • 薬物療法
    • 補液、輸液
    • 陽イオン交換樹脂製剤:カリウムの体内への吸収を抑える
      ・ポリスチレンスルホン酸カルシウム(商品名カリメート)、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(商品名ケイキサレート)など
    • 利尿薬:カリウムの尿中への排泄を促進する
    • 重炭酸ナトリウム(重曹):血液中のカリウムを血液の外へ移動させて、一時的にカリウムの濃度を低下させる
    • ブドウ糖インスリンの併用(グルコース・インスリン療法):血液中のカリウムを細胞内へ移動させて、一時的にカリウムの濃度を低下させる
    • β2アゴニスト:カリウムの細胞内への移動を促す
    • カルシウム製剤:カリウムの心臓に対する影響を出にくくする
    • 鉱質コルチコイド製剤(商品名:フロリネフ):カリウムの尿中への排泄を促進する
  • 血液透析(緊急性の高い場合)
    • 薬物療法のみで早期改善が見込めない場合や、心臓への影響のため直ちに薬物療法以外の治療が必要な場合には、血液透析を行う
    • 血管に太めの管(カテーテル)を入れて、血液中のカリウムを直接洗い流す
  • 食事療法
    • 急な対応が不要な場合には、カリウムを多く含む食品を制限する
      ・海藻類(昆布、ひじき、わかめ、海苔)、キノコ(マイタケ、シイタケ、きくらげ)、豆類(大豆、インゲンマメ、小豆)、バナナ、牛乳、杏子、鮭など
    • カリウム摂取量は1日あたり1500mg以下を目安とする
    • 慢性腎臓病による場合ではタンパク質制限、塩分制限が同時に必要になる
    • 糖尿病腎症による場合はさらに複雑になる

高カリウム血症に関連する治療薬

陽イオン交換樹脂製剤(血清カリウム抑制剤)

  • 腸管内で薬剤のもつ陽イオンをカリウムイオンと交換しカリウムイオンを排泄させて血液中のカリウム値を下げる薬
    • 慢性腎不全では腎機能低下により血液中のカリウム値が高くなりやすくなる
    • 血液中のカリウム値が高いままだと高カリウム血症がおこりやすくなる
    • 本剤は腸管内でカリウムイオンを本剤のもつ陽イオンと交換し、体外へ排泄させる樹脂製剤
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カルシウム製剤

  • 体内にカルシウムを補充し、骨粗しょう症、高リン血症、消化器症状などを改善する薬
    • カルシウムは体内で骨を強くする作用、リンを体外へ排泄する作用、胃酸に対する制酸作用などをあらわす
    • 本剤はカルシウムを含有する製剤で、製剤毎の特徴などによって色々な疾患・症状に使用する
  • 本剤は主に有機酸系カルシウム製剤と無機系カルシウム製剤に分かれる
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インスリン製剤

  • インスリンを体内に投与することで、血糖値を下げ糖尿病による合併症を防ぐ薬
    • 糖尿病は血糖値が高い状態で、この状態が続くと様々な合併症を引き起こす
    • インスリンは血糖を下げるホルモン
  • インスリン製剤はインスリンアナログ製剤とヒトインスリン製剤に分かれる
  • インスリン製剤は作用発現時間や作用持続時間などにより以下の種類に分かれる
    • 超速効型:作用発現時間が10〜20分、作用持続時間は3〜5時間で「食直前に投与」
    • 速効型:作用発現時間は30分〜1時間、作用持続時間は5〜8時間で「食前30分に投与」
    • 持効型:作用持続時間は約24時間又はそれ以上で、継続使用時に明らかなピークが見られないため、中間型に比べてよりスムーズに基礎分泌を補いやすいメリットが考えられる
    • 中間型:作用発現時間は30分〜3時間、作用持続時間は18〜24時間(同じ中間型でも製剤によっては作用持続時間に開きがある場合もある)
    • 混合型:超速効型又は速効型に、一定量の添加物を加えたり中間型を組み合わせた製剤(超速効型又は速効型の配合割合が複数存在する)
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高カリウム血症の経過と病院探しのポイント

この病気かなと感じている方

高カリウム血症では、胸の動悸や吐き気といった症状が出現します。通常高カリウム血症になる原因として腎不全横紋筋融解症など何らかの別の病気がありますので、高カリウム血症だけが突然起きるという心配はありません。

高カリウム血症の診断そのものは、血液検査が行える医療機関であればどこでも可能です。しかし、実際に高カリウム血症と診断されたときの治療まで考えると、総合病院の救急科、もしくは内科の受診が望ましいでしょう。また、高カリウム血症によって不整脈が出ることがあるため、心電図の検査も合わせて行われます。

高カリウム血症は、血液検査の結果で診断します。カリウムの血中濃度は通常3.5-5.0mEq/l程度ですが、この範囲を越えて更に6-7mEq/l以上になると症状が出始めます。自己診断は難しい病気ですので、何らかの理由で高カリウム血症が心配な方は、まず病院を受診して血液検査を受けることをお勧めします。

この病気でお困りの方

高カリウム血症の治療には、様々な点滴や吸入薬があります。高カリウム血症が悪化すると突然死の原因になり得ますので、重症の場合には緊急の治療が必要です。

このような治療を行うのは、救急科、または内科全般が専門の診療科です。どちらかと言えば重症の場合は救急科、そうでない場合は内科が担当することになります。突然の高カリウム血症ではなく、週単位や月単位で軽度の高カリウム血症が持続しているような場合には、内科で対応することになるでしょう。高カリウム血症が起きている原因が何かしらあるはずですから、高カリウム血症の治療というよりも、その原因の治療が重要となります。

高カリウム血症の原因として多いのは腎臓の異常で、その場合は腎臓専門医が診療を行います。重症であれば、血液透析といって献血のように体外に一度血液を取り出して、そこから余分なカリウムだけをフィルターで除去し、残りの血液を体内に戻すといった処置を行います。このような特別な治療が必要になる可能性を考えると、数日間で生じたような急激な高カリウム血症の場合にはクリニックではなく地域の中核病院での治療が必要です。

インクレチンとSU剤のインスリン分泌促進作用機序の違いについて

インクレチンは、食事摂取により消化管から分泌され、インスリン分泌を促進するホルモンで、上部小腸にあるK細胞から分泌されるGIPと、下部小腸にあるL細胞から分泌されるGlp1があります。

Glp1の主な生理作用はインスリン分泌促進作用ですが、それ以外に膵グルカゴン分泌抑制作用、消化管運動抑制作用、インスリン感受性亢進作用、そして膵β細胞保護・増殖作用が認められています。GIPはGlp1に比べると作用は弱いとされています。

そして、Glp1やGIPを分解するDPP-4という酵素を阻害して分解を抑制し、インクレチンの血中濃度を上昇させて保つのが、DPP-4阻害剤(ジャヌビア、エクア、ネシーナなど)です。

さて、上述のようにインクレチンがインスリン分泌を促す仕組みと、SU剤がインスリン分泌を促す仕組み(☆)は、実は異なっています。

難しい箇所は省いて、超簡単に言うと、SU剤はβ細胞表面のSU受容体と結合して、カリウムチャンネルを閉じっぱなしにしてしまい、その結果カルシウムが細胞内に流入してインスリンを分泌させます。

この場合、SU剤の作用時間(24~12時間)の間は、血糖が高かろうが低かろうが関係なく、ずっとインスリンはだだ漏れ状態です。だから低血糖が生じやすいのですね。

そして、インスリンを分泌しっぱなしのβ細胞が、疲弊していく可能性があるわけです。

まあ、SU剤というのは、人為的に無理矢理カリウムチャンネルを閉じて、β細胞を騙しているようなものですかね。

一方、インクレチンは、糖質や脂質を摂取すると消化管から分泌されて、β細胞のインクレチン受容体に作用してβ細胞内のサイクリックAMPを上昇させ、インスリン分泌の増幅経路に働きます。

こちらは、糖質を食べて血糖値が上昇し、β細胞内にとりこまれてATPが産生されて、カリウムチャンネルが閉じてカルシウムが細胞内に入ってきたときだけ、増幅経路に働いてインスリンを分泌させます。

血糖値が下がって108mg/dlくらいになると、β細胞はブドウ糖を取り込まなくなり細胞内カルシウムは増加しないので、インクレチン濃度が高くても増幅経路は作用せず、インスリンは分泌されません。

つまり、

1)糖質摂取→血糖値上昇→糖輸送体でβ細胞内にブドウ糖取り込み→β細胞内ATP上昇→カリウムチャンネル閉鎖→脱分極→カルシウムチャンネル活性化→細胞内カルシウム濃度上昇→インスリン分泌

という、ブドウ糖刺激によるインスリン分泌の一般的な経路の最後の過程

A)細胞内カルシウム濃度上昇→インスリン分泌

の経路をインクレチンによるβ細胞内サイクリックAMP上昇が増幅させて、
インスリン分泌を促すわけですね。

B)「β細胞内『カルシウム濃度+サイクリックAMP濃度』上昇」→インスリン分泌増幅

というわけです。

こういう作用機序なので、インクレチンは血糖値が高いときのみに、インスリン分泌作用を有し、108mg/dl以下に血糖値が下がってきたら、インスリン分泌作用がなくなるわけなので、単独使用では低血糖は理論的には起こりません。

またSU剤のように、24時間β細胞を鞭打つといった側面は皆無なので、β細胞も疲弊しないのだと思います。

カリウム排出ケイキサレートの問題点

ケイキサレートにいいたい 否自分に

ケイキサレートとはこのブログでも何度もでてくる
「カリウム過多」には救世主といえると思ってきた。

そもそも4〜5年前に処方されたときにはじめて知った
カリメートが最初だ。

カリウム過多で渡されたのでなく
2011年の311大災害をきっかけとして
大災害で万が一透析にかかれない事態を想定して
その災害時数日間を
このカリウム吸着剤でその場をしのぐように
保管するように渡されたものだった。

しかし他のクリニックでは
常用している患者を聞いていたが
カリメートは便秘しやすく
とても常用する気が起こらない最低の味覚だった。
それでもこの間一度や二度は
食べるもので予防のために服用したことはあった。

2年くらい前になって「ケーキサレート散」が
期限切れになったカリメートに変わって配られた。

災害用というので常時携帯するには
あのカリメートは重すぎてやっかいだったので
わずか5gとなって
これは鬼に金棒と思ってきた。
とはいっても災害用には違いないとしてきた。

それが「ケイキサレートドライシロップ」になって
味もさらにフルーツ味になり
災害用としてたのが
積極的に常用するクスリとして位置づけられたのか
他の患者で常用するのを聞くようになった。

わが輩も少しずつ使用頻度が高くなり
その恩恵を受けたかのように思ってきた。

それがこの数週間前に
ケイキサレートシロップのジェネリック薬品として
当病院では
「カリセラムーNa末」しか取り扱わないという通知が配られた。
ジェネリック薬品とは成分がまったく変わらないで
安価なクスリと説明を受けてるし
CMでもそう謳っているが
ところがどっこい正確には対象の症状に対する成分ではと言って欲しい
まったく苦い以前のケイキサレート散に戻ってしまった。

いったん知ってしまった飲みやすい「ケイキサレートドライシロップ」を
求めないわけにはいかない。
すぐ看護師に相談したが院内処方はできないとのつれない返事。
それでも院外処方はしてくれるというので
先週通院する途中の薬局で手に入れようとすると
特殊なクスリなのか在庫はなく取り寄せになった。

それでも手には入って
さあこれからは野菜も魚も多少多く摂っても
ケイキサレートに助けてもらおうと
少し安堵感を抱いた。

ところでこのところ血圧が高い。
血圧が高いのはよくあることではあるが
足が吊る。
先週は木曜日の透析後半。
土曜日朝起きたとき。
日曜日も起床時引きつる脚を感じて必死に手で温めて
なんとか食い止め
山歩きに行けるかどうか
筋肉に残っている足釣りの「残像」を
注意深く感じながら
これなら行けるだろうと判断して出発した。
きのうのことだ。

山は比較的低山で足への負担もたいしたことはなかった。
にもかかわらず
また今朝の起床時にひどく足が吊った。

これはへんだ。
この3年近く山登りをして来たからといって
当日にしても後日にしても
足が吊るようなことはなかった。

透析後半でカラダの中の水分が少なくなって
基礎体重の設定に問題があったときは
吊ったことがあるが
山登りで汗をかいてたしかに水分を出してはいるが
下山直後の体重測定でも問題はない。

最近変わったことと言えばクスリではケイキサレートくらいで
単純にカリウム吸着だけなら
問題ないと思い込んでいた。

しかし念のために見てみて驚いた。
この世には単純なクスリはないようで
れっきとした副作用が示されている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(参考)1,236例中108例(8.7%)に副作用が認められ、 その主な症状は下痢39件(3.2%)、悪心35件(2.8%)、 浮腫25件(2.0%)、便秘23件(1.9%)、低カルシウム 血症21件(1.7%)、嘔吐20件(1.6%)などであった。
(ケイキサレート散承認時及び1975年2月までの副 作用調査)
重大な副作用 
1)心不全誘発(頻度不明)
心不全を誘発することがあるので、ナトリウム摂
取を制限するなど十分に注意すること。
2)腸穿孔、腸潰瘍、腸壊死(頻度不明)
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのソルビトー ル懸濁液の経口投与により、小腸の穿孔・粘膜壊 死4)、大腸潰瘍、結腸壊死4),5)等があらわれたと の報告がある。 本剤の経口投与により、激しい腹痛又は下痢、嘔 吐等があらわれた場合には本剤の投与を中止し、 適切な処置を行うこと。
 
盪その他の副作用 下記の副作用があらわれることがあるので、観察を 十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置 を行うこと。
下痢、悪心、嘔吐、便秘、胃部不快感、食欲不振、 腹痛
注1)ナトリウム摂取を制限するなど十分に注意すること。
 注2)カルシウム剤の補給などの適切な処置を行うこと。
 
4.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量
するなど注意すること。
 
5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
 
6.適用上の注意
投与時の注意 本剤の投与では、消化管への蓄積を避けるため、便 秘を起こさせないよう注意すること。また、便秘を 起こした場合は、浣腸等の適切な方法を用いて排便 させること。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これに加えネット上「お薬110番」のでは
もう少し分かりやすく副作用にはこうある。赤字は思い当たるこのところの症状である。
便秘が多いほうです。便秘が続くとカリウムが排出されないので、効果が弱くなってしまいます。またごくまれに、便秘がひどくなり重い症状となることがあります。便秘がちなときは、早めに受診するようにしましょう。

薬が効きすぎると、体のカリウム分が必要以上に低下して、低カリウム血症になることがあります。逆にナトリウム分は増えることがあり、浮腫(むくみ)や血圧の上昇をもたらします。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください

  • 結腸穿孔、腸潰瘍..ひどい便秘、お腹が張る、激しい腹痛、吐く、下痢。


【その他】

  • 便秘、吐き気、食欲不振、下痢
  • 浮腫(むくみ)、血圧上昇
  • 低カリウム血症..だるい、筋力低下(力が入らない)、便秘、動悸、脈の乱れ。
  • 低カルシウム血症..手足のふるえ、しびれ、ピリピリ感、ぴくつき、筋肉の脱力感、筋肉けいれん、気分変調、動悸、血圧低下、全身けいれん、意識もうろう。
もちろんすべてがケイキサレートのせいではないかもしれないが
これらの可能性は否定できない。
この中でも筋肉のけいれんや血圧上昇は
かなり可能性が高い。
こういうときおそらく医師は
それを認めない。
降圧剤や心臓のクスリをすすめるのだろう。
さてわが輩はといえば
まずは初心に帰って少食策をすすめるべきなんだろう。
もちろん今後緊急時以外ケイキサレートの断薬しかない。。
やめてみて動からだが変化するかみてみることにする。
都合のいい薬はこの世にはないと思わせるに足りる

治せない現代の医療、薬 安保先生

1.血圧降下剤、利尿剤でカリウムで

血流悪化でノドが乾く、血流低下、脱水症状になり

かえって、悪化している。

2.体暖め、水分とれば、数日で改善する。

 

https://youtu.be/xkQqJy9xyQI

高カリウム血症 ケイキサレート散

ケイキサレートは腎不全における高カリウム血症に用いられる。

その本体はポリスチレンスルホン酸ナトリウムであり、ナトリウムとカリウムが交換されることで

体内の余分なカリウムを排出する。

インタビューフォームによると

ポリスチレンスルホン酸ナトリウムは吸収されず、胃腸管を通過するにしたがって腸液の陽イオン
と交換するが、特に下部結腸においてカリウムイオン濃度は高く最もよく交換する。したがって、
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムは経口投与のみならず注腸投与(ケイキサレート散のみ)にお
いても十分な効果が得られる。反応終了後、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムは糞便と共に排泄され、体内の過剰のカリウムが除去される。

と書かれている。

また、

ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの陽イオンとの親和性はカルシウム>マグネシウム>カリウ
ム>ナトリウムの順に大きい。

結腸内でカリウムがカリウムイオンとして存在しているので、そこにポリスチレンスルホン酸ナトリウムがくるとカリウムの方が親和性が高いため、ナトリウムとカリウムが交換されてカリウムがポリスチレンスルホン酸カリウムとなって糞便中に排出される。

さらに、マグネシウムやカルシウムを含むものはカリウムよりも親和性が強いため、カリウムよりもこれらが引っ付いてポリスチレンスルホン酸マグネシウム、ポリスチレンスルホン酸カルシウムとなってこれらが排出されてしまうため下剤等の薬効の低下になる。

ケイキサレート散は内服と注腸でも用いられる。

注腸で用いる場合は、成人1回30gを水または2%メチルセルロース溶液100mLに懸濁して注腸する。と書かれている。

なぜ、注腸でも用いられるのか?!

鳥居薬品に電話して確認したところ、ケイキサレート散の服用は食後でも、食前でも、食間でもいつでもよいと!食事に関係なく、いつ飲んでもいいとのこと。

食事か少ない人でもこれを服用することで血漿カリウム値が低下すると!!

個人的にレナジェルやカルタンなどの様に食品中のカリウムを吸収させ難くすると思っていたが、そうではなかったようだ・・・・

色々と調べてみたが、、、、

食品中から摂取したカリウムは正常人ならば摂取量と同じだけ体外へ排出されるとのこと!

尿中が90%ほど、便中や汗などで10%ほど。

腎不全になると便中排泄が20~50%ほどになるとか!??

腎機能が低下すると消化管液などに混じってカリウムが排出されるそうな。そのため糞便中のカリウムの量が増えるとのようだ。

人間の体ってのは良くできてるもんで、ここがダメならこっちで!!って言う保険の保険そのまた保険っていくつも他の方法で代用しようとするんだなぁ。

さらに、回腸や空腸で、カリウムは吸収されて、下部結腸では逆に腸管内に分泌されるとのこと。

これで、ケイキサレート散が食事に影響されず、また注腸でも用いられる理由が分かった!!

添付文章で

ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム、スクラルファート、沈降炭酸カルシウム等

 

本剤の作用が減弱するおそれがある。
と書かれているがこれはどうやらアルミニウム、マグネシウム、カルシウムはカリウムよりもポリスチレンスルホン酸イオンとの親和性が高いためで、これらが引っ付いてしまい本来の効果を得られないためだ。大体1~2時間ぐらい空ければ問題ないとのこと。

チラージンはポリスチレンスルホン酸ナトリウムに吸着されるためで、吸収が低下する。

大体4~5時間ぐらい空ければ問題ないとのこと。んま、チラージンは基本的にいつ飲んでもいいからこれぐらいの時間間隔は特に問題なさそうだ。

 

あと、ナトリウムとカリウムを交換するのでナトリウムが余分に吸収されることに伴う、血圧上昇や浮腫が生じることがある。

カリウム濃度の異常: 水分と電解質代謝: メルクマニュアル18版 日本語版

merckmanual.jp/mmpej/sec12/ch156/ch156f.html

 

高カリウム血症 に移動 – 高カリウム血症とは,体内の総カリウム貯蔵量の過剰またはカリウムの細胞外への異常な移動によって血清カリウム濃度が5.5mEq/Lを上回ることである。通常の原因は腎排泄障害であり,コントロールされていない糖尿病でみ …

カリウムは,最も豊富な細胞内陽イオンであるが,体内総カリウムのわずか2%程度だけが細胞外に存在する。細胞内カリウムのほとんどは筋細胞内に含まれるので,体内の総カリウム量は除脂肪体重に概ね比例する。平均的な70kgの成人は約3500mEqのカリウムを有する。

カリウムは細胞内浸透圧を決定する主要因子である。ICFおよびECFのカリウム濃度比は細胞膜の分極に強く影響し,ひいては神経インパルスの伝導および(心筋を含む)筋細胞の収縮など,細胞の重要な過程に影響を及ぼす。したがって,血漿カリウム濃度の比較的小さな変化が大きな臨床症状を生むことがある。

カリウムを細胞内外へ移動させる因子の不在下では(水分と電解質代謝: 細胞内移動を参照 ),血漿カリウム濃度は体内総カリウム量と密接に相関している。血漿pHが一定であると仮定すれば,血漿カリウム濃度が4mEq/Lから3mEq/Lに減少すると,カリウムの不足量は全体で100〜200mEqとなる。血漿カリウム濃度が3mEq/L未満に低下すればカリウムの不足量は計200〜400mEqである。

インスリンはカリウムを細胞内に移動させるので,インスリン高値は血漿カリウム濃度を低下させる。糖尿病性ケトアシドーシスにみられるようにインスリンが低値になると,カリウムが細胞外へ移動して血漿カリウム濃度が上昇し,これは体内総カリウム量が不足していてもときに生じる。βアドレナリン作動薬,特に選択的β2作動薬はカリウムを細胞内に移動させるが,β遮断薬やα作動薬は恐らくはカリウムを細胞外へ移動させる。急性代謝性アシドーシスではカリウムは細胞外へ移動するが,急性代謝性アルカローシスではカリウムは細胞内へ移動する。

しかし,血漿HCO3濃度の変化の方がpHの変化よりも重要であると考えられる;無機酸の蓄積に起因するアシドーシス(非アニオンギャップ性高塩素性アシドーシス)では血漿カリウム濃度がより上昇しやすい。これに対して,有機酸の蓄積による代謝性アシドーシス(高アニオンギャップ性アシドーシス)では高カリウム血症は生じない。

したがって,糖尿病性ケトアシドーシスに一般的な高カリウム血症は,アシドーシスよりもインスリン欠乏に起因することの方が多い。急性呼吸性のアシドーシスやアルカローシスは,代謝性のアシドーシスやアルカローシスほどには血漿カリウム濃度に影響を与えない。それにもかかわらず,血漿カリウム濃度は血漿pH(およびHCO3濃度)との関連で解釈すべきである。

食事からのカリウム摂取量は,正常では40〜150mEq/日と多様である。定常状態では,便中への排泄量は通常は摂取量のほぼ10%である。尿中排泄はカリウム平衡に寄与している。カリウム摂取が増加(1日に150mEqを上回るカリウムを摂取)すると,その後の数時間で過剰なカリウムの約50%が尿中に排泄される。残りのほとんどは細胞内区画に運ばれ,血漿カリウム濃度の上昇は最低限にとどめられる。

カリウムの摂取増加が持続すれば,カリウム刺激性のアルドステロン分泌によって腎臓からのカリウム排泄が亢進する;アルドステロンはカリウム排泄を促す。さらに,便からのカリウム吸収はある程度調節を受けるとみうけられ,慢性的なカリウム過剰では50%低下することもある。

カリウム摂取が減少すると,血漿カリウム濃度の大幅な変動に対する予備としての機能を細胞内カリウムが再び果たす。腎臓でのカリウム保持は食事性カリウムの減少に応じて比較的緩徐に進み,腎臓のナトリウム保持能と比べてはるかに効率が悪い。したがって,カリウム欠乏はしばしば臨床的に問題となる。尿中カリウム排泄量が10mEq/日であれば,ほぼ最大限のカリウム保持が腎臓で行われていることを表し,著明なカリウム欠乏が示唆される。

急性アシドーシスがカリウム排泄を障害するのに対して,慢性アシドーシスおよび急性アルカローシスはカリウム排泄を促進することがある。ナトリウム大量摂取またはループ利尿薬療法によって生じるような遠位ネフロンへのナトリウム輸送の増加は,カリウム排泄を促進する。

白血球数が105/μLを上回る慢性骨髄性白血病患者では,検体を処理前に室温に置くと検体中の異常白血球が血漿中のカリウムを取り込むので,ときに偽性低カリウム血症,すなわち血清カリウム濃度の偽低値が生じる。これは血漿または血清を血液検体から速やかに分離することで防ぐ。

偽性高カリウム血症,すなわち血清カリウム濃度の偽高値はより一般的であり,典型的には溶血や細胞内カリウムの放出によって生じる。これを予防するために,採血者は細い針で急激に血液を吸引したり,血液検体を過度に撹拌したりすべきではない。血液凝固時に血小板からカリウムが放出されるので,偽性高カリウム血症は血小板数が106/μLを上回るときにも起こりうる。偽性高カリウム血症の場合は,血清カリウム濃度とは対照的に血漿カリウム濃度(非凝固血)は基準範囲内にある。

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高カリウム血症の原因

高カリウム血症の症状

カリウムは体に必要不可欠なミネラルであり、体液の浸透圧の調整、筋肉の収縮、神経の働きを保つ役割があります。腎臓が正常に働いているときは、多くのカリウムを摂取しても尿と共にカリウムが排泄されます。しかし、腎不全など、腎臓が上手く機能しないとカリウム濃度が高くなり、高カリウム血症となります。
軽度の高カリウム血症では、症状がほとんどありませんが、カリウム濃度が高度に上がると、人体に重篤な悪影響を及ぼします。
主な症状は、
・舌の異常感覚、知覚過敏
・四肢麻痺、筋力の低下
・悪心、嘔吐
・下痢
・不整脈、頻脈
などがあります。また、到死性不整脈から心室細動を起こして心停止、突然死することもあります。
高カリウム血症の主な原因は以下が挙げられます。
・カリウムを多く含む食品の摂りすぎ
・偽性高カリウム血症
白血球・血小板の増加など、採血した検体の問題であり、病気ではありません。
・細胞内のカリウムが血液中へ移動
代謝性アシドーシス(血液の酸性化、循環不全、重篤な感染症などにより発生)、消化管出血、インスリンの不足、β遮断薬の使用、ジギタリス中毒、などです。
・カリウム負荷
細胞の崩壊(重度の火傷や怪我による挫滅症候群、化学療法による腫瘍崩壊)、カリウム製剤の投与などです。
・腎臓のカリウム排泄障害
腎不全、アルドステロン欠乏、薬の副作用などです。

高カリウム血症の治療法

高カリウム血症を予防するためには、腎不全など、原因となる疾患の治療を優先させます。腎臓機能が低下しているときは、カリウムを多く含む果物・生野菜・イモ類・豆類などの摂取を控えます。
災害などで重度の火傷や怪我を負い、クラッシュシンドロームとも呼ばれる挫滅症候群の恐れがあるときは、高カリウム血症による心不全を引き起こさないためにも、緊急透析や人工呼吸器による呼吸管理など、医療従事者による対応が必要です。