糖尿病 神経障害 活性酸素

DNAの二重らせん構造を解明し1962年にノーベル賞を受賞したジェームズ ワトソン博士は、現在は85歳になっているが、最近は糖尿病に深い関心をもっている。2型糖尿病の因果関係に関する新たな仮説を発表し、医学誌「ランセット」のカバーストーリーとして紹介された。

運動をするとなぜ体内で活性酸素が増えるのか

ワトソン博士によると、糖尿病、認知症、心血管疾患、がんの一部は、「活性酸素種」(ROS)と呼ばれる酸化物質が体内で十分に生成できないことに起因している。これを治療するために、運動の役割を理解することが重要だという。

ヒトは体内でエネルギーを使うときに、酸素を利用する。呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部は、不完全に還元され、不安定で、多くの物質と反応しやすい「活性酸素」に変化する。この活性酸素は細胞を傷つけ、老化、がん、動脈硬化、その他多くの疾患をもたらす重要な原因となる。

2型糖尿病の原因のひとつとして考えられているのは、過剰な細胞内の酸化反応が炎症を引き起こし、そのため膵臓組織中の細胞に傷害をもたらすというものだ。これらの細胞の適切な機能を十分に理解することが、血糖値を正常に維持するために重要となる。

ワトソン博士は、医学・分子生物学分野の多くの研究で報告された事実にもとづき、これに代わる新しい考え方を数年間にわたり探し求めてきた。

活性酸素は、誰にでも日常生活をおくっているだけで体内で代謝される産物のひとつで、人間が生命活動を維持する上で必ず発生する物質だ。活性酸素は主に呼吸によって体内に取り込まれた酸素が代謝される際に発生するため、多くの酸素を取り込む必要のある運動時には、大量の活性酸素を体内に発生させることになる。

活性酸素が増えすぎる点のみに着目すると、活性酸素の発生を促進する運動が高血糖の人にとってなぜ有益なのかを説明するのは難しい。そこで、ワトソン博士が考えたのは「根本的な原因は、生物学的な酸化物質の“過剰”ではなく“不足”だという」という新しい説だ。

酸化物質と抗酸化物質は体内で“微妙なバランス”をつくっている

健康な人でも酸化ストレスの影響を受けるが、糖尿病があるとさらに強く酸化ストレスが上昇することが知られている。特に膵臓は酸化ストレスによる攻撃をうけ炎症を起こしていることが多い。

2型糖尿病の治療では、患者が糖尿病を発症したと診断すると、医師は必ず運動療法を勧める。メトホルミンのような血糖降下薬で治療を始める前でも、運動が効果的であることを経験的に知っているからだ。

ワトソン博士は、運動が糖尿病の人にとってどのような作用をするのかを、化学的な酸化還元反応を手がかりに解明できると考えた。「体の細胞は、酸化物質と抗酸化物質なしでは生き残ることができず、この2つには“微妙なバランス”がある」と、ワトソン博士は言う。

運動をすると、活性酸素種(ROS)と呼ばれる分子の酸化物質が大量に作り出されるが、小胞体(ER)と呼ばれる細胞器官で、酸化物質である過酸化水素はタンパク質を安定化する化学結合(ジスルフィド結合)を作る際に役立っている。

「小胞体に十分な酸化物質がないと、タンパク質は変形し機能できなくなり、膵臓に害を与える炎症を引き起こする。それによって、時に2型糖尿病を発症することがある」と、ワトソン博士は説明している。

体内での酸化を促進する運動は、血糖値が高くなっている糖尿病患者に、薬物療法と同じくらいの有益な効果をもたらす。

「私は医師ではないが、運動療法の有用さについて、新しい視点を提供する斬新なアイデアをもっている。運動には、体内で有用で機能的なタンパク質を増やす働きがある。しかし、中には運動を思うようにできない患者もいる。どうすれば運動をできるようになるかを解明するために、新たな研究を進める予定だ」と述べている。

激しい運動をしているアスリートが抗酸化サプリメントを大量にとると、運動の効果が減少することがある。安易なサプリメントの利用は有害である可能性があると、ワトソン博士は指摘している。今後はコールドスプリングハーバー研究所(ニューヨーク州)で、運動療法と活性酸素に関する学術会議を開催する予定だという。

 

糖尿病は、全身の血管を障害する血管病である。

http://hobab.fc2web.com/sub4-DM_neuropathy.htm より~

 糖尿病性神経障害
糖尿病は、全身の血管を障害する血管病であり、網膜症(注1)、腎症、神経障害、末梢血管障害などを来たす。  糖尿病の神経障害では、小径線維(冷感、灼熱感、痛みを伝導する、感覚線維)の方が障害を受け易い。    葉酸、ビタミンB12などの、ホモシステイン値を低下させるサプリメントは、糖尿病性神経障害(糖尿病網膜症)の発症リスクを、低減させる。
 1.糖尿病性神経障害  1).有痛性神経障害(painful neuropathy):夜間に左右対称性・遠位性に、激しい灼熱感を伴う自発痛(熱い砂の上を裸足で歩く感じ。足底部に強い。布団にわずかに触れたでけでも強い痛みを感じる)と、異常感覚(しびれ、熱感)が増悪する(Naチャネルを介するNaの流入が原因?)。  2).知覚鈍磨による足の問題:痛覚が鈍感になり、傷に気付くのが遅れる。  3).自律神経障害:めまい、たちくらみ、便秘、下痢、胸焼け、げっぷ、排尿傷害、インポテンスなど。
糖尿病性神経障害で、大径線維が構成する、運動神経が障害されることは、稀。 表1 糖尿病性神経障害と神経線維(日医雑誌第116巻・第11号1379頁の表2を参考に作成した)

 径  小径線維  大径線維
 構造  無髄線維  有髄線維
 太さ  細い  太い
 伝導速度  遅い  速い
 構成線維(機能)  表在感覚線維(温度覚、痛覚、触覚と振動覚の一部)  自律神経の節前・節後線維(平滑筋の調節、各種腺機能)  深部感覚線維(振動覚、位置覚、触覚の一部)  運動線維(随意運動)  筋紡錘からの求心線維(腱反射の求心路)
 障害時の症状や所見  異常感覚(足先や足底のピリピリ感、ジンジン感、しびれ感、冷感など)  高度の自発痛  温痛覚の障害  触覚の障害  各種自律神経症状(起立性低血圧、安静時頻脈、インポテンス、消化管の機能異常、膀胱障害など)  遠位筋の萎縮  脱力  深部覚の障害  触覚の障害  アキレス腱反射の消失  神経伝導速度の低下

 2.糖尿病性神経障害の臨床的特徴  1.感覚障害が優位  2.下肢の障害が優位で、上肢の障害は軽い  3.振動覚が早期から障害される  4.下肢の腱反射が早期から低下する  5.眼筋麻痺をしばしば生じる   6.自律神経障害をしばしば伴っている  (日医雑誌、特別号、糖尿病診療マニュアル、S49の表2を参考に作製した。)
糖尿病性神経障害により、末梢神経が障害され、知覚が鈍磨になると、外傷や感染を自覚するのが、遅れる。  糖尿病の高血糖状態では、好中球(多核白血球)の細胞質内に、ソルビトールが蓄積し、細胞機能、特に、殺菌能が低下する。糖尿病でも、1型糖尿病では、好中球の殺菌能が、低下する。
 3.糖尿病性神経障害の発症機序  糖尿病性神経障害は、代謝障害や血管障害が成因で、発症する。
 a).代謝障害  糖尿病では、高血糖の為、細胞内グルコース濃度が増加し、その結果、ポリオール代謝経路が亢進し、細胞内ソルビトール濃度が、増加し、神経組織に蓄積する。  細胞内に蓄積したソルビトールは、浸透圧作用により、細胞に浮腫を生じさせる。  神経組織に蓄積したソルビトールは、イノシトールを低下させ、神経細胞膜のNa+/K+-ATPase活性を低下させ、末梢神経の軸索が変性し、電気的刺激伝導が、遅くなる。
糖尿病では、糖化蛋白(終末糖化産物:AGEs)の産生が、増加する。ミエリン蛋白が糖化されると有髄深海の機能や形態が障害される。
 b).血管障害  血管障害により、神経内鞘の虚血や、血管収縮因子が上昇し、血流(血行)が低下し、神経線維が、脱落する。
グルコースからソルビトールが生成され、補酵素としてNADPHが消費される。血管内皮細胞から産生される血管弛緩因子NO(一酸化窒素)も、アルギニンからの産生にNADPHを要する。その為、ソルビトールが生成されると、NADPH消費を競合するNO産生が障害され、神経血流が低下したり、活性酸素が増加し、酸化ストレスが増強する。
なお、糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)は、糖尿病による高血糖の為、血中に飽和脂肪酸が増加し(高中性脂肪血症)、血小板粘着能が亢進し、網膜の血流が低下し(血行が悪くなる)、毛細血管閉塞や、点状出血が起こり、網膜症を発症する。  また、糖尿病性腎症は、糖尿病による高血糖の為、血中に飽和脂肪酸が増加し(高中性脂肪血症)、血小板粘着能が亢進し、網膜の血流が低下し、酸素不足の為、腎糸球体が硬化し(腎糸球体硬化症)、腎症を発症する。糖尿病性腎症では、微量アルブミン尿が現われる(午前中の随時尿など)。同時に尿中クレアチニン(Cr)値も測定し、尿アルブミン値が30~299mg/gCrなら、微量アルブミン尿とする(300mg/gCr以上なら、顕性蛋白尿)。微量アルブミン尿は、全身の内皮細胞障害のマーカーになる。
糖尿病では、毛細血管が障害される。  糖尿病の特徴的な病理変化として、毛細血管(微小血管)の基底膜(血管内皮細胞と実質細胞との境界)が肥厚する。  糖尿病で見られる、毛細血管の基底膜の肥厚は、(高中性脂肪血症により)血小板粘着能が亢進し、血流が低下し(血行が悪くなる)、毛細血管の微小循環障害が起こり、酸素不足になるのが、原因と想定されている。
糖尿病での毛細血管障害(糖尿病性細小血管症)は、毛細血管の基底膜が肥厚するのが特徴。  コラーゲンは、ブドウ糖(グルコース)とガラクトースが、ヒドロキシリジンと結合した糖蛋白。  糖尿病では、コラーゲンが糖化(グリコシレーション)され、糸球体基底膜、血管、末梢神経の糖化コラーゲンが、正常者に比し、2~3倍増加し、肥厚する。
 4.糖尿病性神経障害とポリオール代謝経路  ポリオール代謝経路では、グルコースが、アルドース還元酵素により代謝され、ソルビトール、更には、フルクトースが生成される。  グルコース(ブドウ糖)-(アルドース還元酵素:AR)→ソルビトール-(ソルビトール脱水素酵素:SDH)→フルクトース(果糖
インスリンは、GLUT4(心筋、骨格筋、脂肪脂肪細胞に発現)の発現を増加させ、細胞内へのグルコース(ブドウ糖)の輸送(取り込み)を増加させる作用がある。  インスリンの作用によらず、グルコースが受動的に流入する細胞では、グルコースが、ポリオール代謝経路により、ソルビトールやフルクトースに代謝され、細胞外に排出される。  糖尿病で、高血糖状態が続くと、細胞に流入するグルコース量が増加し、ポリオール代謝経路が亢進( アルドーズ還元酵素の活性が亢進)し、ソルビトールが、細胞内に増加する。他方、ソルビトール脱水素酵素(ソルビトールをフルクトースに代謝する酵素)の活性は、上昇しない為、ソルビトールが細胞内に蓄積し、細胞内浸透圧が上昇し、細胞内に水分が流入し、細胞が膨潤する。その結果、神経組織(神経細胞)の機能障害が生じ、細胞膜のNa+/K+-ATPaseが低下し、糖尿病性神経障害を起こす。
高血糖状態では、アルドース還元酵素(aldose reductase:AR)の活性が亢進し、ポリオール代謝経路の亢進が起こり、細胞内にソルビトールやフルクトースが蓄積し、糖尿病性細小血管症が発症する。  アルドース還元酵素の活性が亢進し、ポリオール代謝経路が亢進すると、細胞内にソルビトールやフルクトース(果糖)が蓄積し、浸透圧が上昇したり、Na+/K+-ATPaseが低下する。  神経細胞膜のNa+/K+-ATPase活性が低下すると、電気的刺激伝導が遅れ、糖尿病性神経障害を来たす:知覚神経が障害されると、痛みやしびれ、熱感などの症状が現われ、自律神経が障害されると、めまい、立ちくらみ、発汗異常、胃腸障害、あるいはインポテンスなどの症状が現われる。  アルドース還元酵素(AR)は、水晶体上皮細胞、網膜血管細胞、腎メサンギウム細胞、末梢神経のSchwann細胞に存在している。

酸化ストレスは、アルドース還元酵素が関与する、グルコースがソルビトールに変換される反応で、NADPHのNADPへの酸化を、亢進させる。

 5.糖尿病性神経障害と漢方薬  漢方薬は、糖尿病性神経障害を治療効果を現す生薬がある。  漢方薬は、糖代謝(血糖降下作用)、脂質代謝(脂肪分解抑制作用)、水代謝(利尿作用)などを改善し、糖尿病患者の神経組織(神経細胞)の代謝を改善し、糖尿病性神経障害に治療効果を現す。  漢方薬は、血液凝固抑制作用、血小板凝集抑制作用により、血栓形成を抑制し(抗血栓作用)、糖尿病患者の神経組織の微小循環を改善し、糖尿病性神経障害に治療効果を現す。  牡丹皮には、ペノールが含まれ、抗血栓作用がある。  附子(注2)には、アコニチンが含まれ、鎮静作用がある(糖尿病性神経障害による、しびれ、疼痛、冷感を改善する)。  芍薬には、ペオニフロリンが含まれる。  甘草には、グリチルリチンが含まれる。
糖尿病性神経障害は、ポリオール代謝経路の亢進(アルドース還元酵素活性の上昇)や、細胞膜のNa+/K+-ATPase活性の低下により、神経細胞機能障害が起こることが成因と言われる。  八味地黄丸は、細胞膜のNa+/K+-ATPase活性を上昇させる。  八味地黄丸、牛車腎気丸、疎経活血湯、桂枝加朮附湯は、アルドース還元酵素の活性を阻害する(赤血球等へのソルビトール蓄積を抑制する)。
注1:糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)は、緑内障と並んで、中途失明の原因として、多い。  原発開放隅角緑内障は、眼圧の上昇(21mmHg以上)の為、視神経乳頭陥凹が起きる。しかし、正常圧緑内障は、眼圧が上昇していないのに、緑内障性視神経乳頭陥凹が起きる。眼圧が正常なのに、視神経乳頭陥凹が起こる機序として、局所の循環障害(血行の悪さ)が、指摘されている。特に、傍乳頭網脈脈絡膜萎縮が、大きい程、正常圧緑内障の進行が早いと言う。恐らく、於血などは、局所の循環障害(血行の悪さ)を招いて、正常圧緑内障の発症に関連しているものと、推測される。  スタチンを長期間(23カ月以上)使用している患者は、緑内障の発症率が40%減少すると言う。開放隅角緑内障は、房水の排出が障害されるが、スタチンは、房水の排出を促進すると言う(これは、高脂血症で増加する過酸化脂質が、房水を混濁させている為かも知れない)。また、スタチンが、血管の閉塞を抑制し、血流を増加させる(血行を改善する)と言う。  いずれにせよ、緑内障と言う眼科的な病気は、於血などによる、血行の悪さが、根本原因なのかも知れない。
注2:附子(ぶし)は、キンポウゲ科トリカブトの根で、成分のaconitineには、強心作用がある。附子は、陰症の人(新陳代謝が低下した人、低体温の人、高齢者)に用いると、手足や身体が温まり、血色が良くなり、食欲が増す。  附子には、動悸、のぼせ、嘔気などの副作用がある。  附子(ぶし)は、過量に内服すると、中毒を起こす(心拍数増加、不整脈、拡張期心停止)。  附子には、鎮痛、抗炎症作用などもある。  附子は、グルコース(ブドウ糖)の酸化(解糖)を促進させ、グルコースから、乳酸の生成を促進させ、酸素消費量を増加させる。   参考文献  ・浦風雅春:合併症の症状で受診した患者 糖尿病診療マニュアル 日本医師会雑誌 特別号 第130巻・第8号、S48-S49、2003年.  ・赤沼安夫、他:[座談会] 糖尿病とその合併症-疫学から治療まで 日本医師会雑誌 第116巻・第11号、1371-1389、1996年。  ・豊田隆謙:糖尿病診療-理論と実際- No.9 慢性合併症の早期診断と発症予防 日本医師会雑誌 第118巻・第6号、TS-33~TS-36、1996年.  ・Medical Tribune Vol.37. No.51(2004年12月16日).  ・横田邦信:糖尿病における易感染性(質疑応答) 日本醫事新報 No.4151(2003年11月15日)、90-92頁.  ・持尾聡一郎:糖尿病性神経症障害の病態生理(質疑応答) 日本醫事新報 No.4173(2004年4月17日)、91-92頁.  ・松田博、井上哲志:小児糖尿病の細小血管障害 小児科 Vol.29 No.3、287-295、1988年.  ・石田俊彦:糖尿病性神経障害、日本医師会雑誌、第119巻・第3号、RK-681-RK-684、1988年.  ・松田邦夫、稲木一元:目でみる漢方治療、1.漢方薬を構成する主要な生薬、漢方治療のABC、日本医師会雑誌 臨時増刊、Vol.108 No.5、3-9頁、1992年(平成4年).  ・羽田勝計:尿中アルブミン量測定の意義、日医雑誌、第136巻・第2号、平成19(2007)年5月、JH-5-JH-8.

糖尿病合併症「神経障害」って? その治療法と予防法とは

糖尿病の3大合併症である腎症・網膜症・神経障害のうち、最も多いものは神経障害です。
神経障害の症状はしびれが代表的ですが、それだけではありません。他にもさまざまな辛い症状があるのです。
今回は、神経障害の予防法や治療方法についてご紹介します。

糖尿病では知覚神経・自律神経に障害が起こりやすい。その原因とは?

私たちの身体は、中枢神経(脳・脊髄)と末梢神経(全身に張り巡らされている神経の伝達網)によって働きをコントロールしています。
糖尿病合併症で侵されやすいのは末梢神経です。
末梢神経とは・・・

  • 感覚を司る知覚神経
  • 胃腸や心肺などの動きを司る自律神経
  • 身体を動かす運動神経

糖尿病では、末梢神経のうちの知覚神経と自律神経に障害が出ることがほとんどです。

知覚神経に障害が及ぶとしびれ・痛み、こむら返りなどが現われます。
感覚が鈍っているため、熱いものや冷たいものに触れたりしても感じにくくなります。
自律神経に障害が及ぶと、立ちくらみや胃もたれなどが現われます。
自律神経障害では、便秘と下痢を繰り返したり、尿意を感じにくくなるなど、身体の不調として現れることが多いです。

では、糖尿病ではどうして神経障害が現われるのでしょうか?

糖尿病では高血糖によって体内のブドウ糖が多い状態が続きます。
高血糖によって細胞の活動メカニズムが狂ってしまい、神経細胞にソルビトールという物質が蓄積されることが、糖尿病による神経障害の原因と考えられています。
同じく糖尿病合併症である腎症や網膜症はかなり進行してから発見されることが多いですが、神経障害は自覚症状が現れやすく、比較的早期に発見されることが多いと言われています。

神経障害の症状を知って、早めに治療

どんな病気にも言えますが、神経障害も、早期発見・早期治療が大切。

神経障害が進行すると、痛みすら感じることができなくなり、傷ができても気付かずに治療が遅れがちです。
それに加えて、糖尿病による慢性的な高血糖は、感染症にかかりやすく治りにくいという問題があります。
そのため、足に知らず知らずにできてしまった小さな傷から感染を起こし悪化して、壊疽を起こして足を切断せざるを得ない状況になることもあります。

通常、傷ができたときは「痛み」を感じるのですぐ発見・対処ができますが、神経障害が進行すると「痛み」を感じにくくなるため、対応が遅れてしまいがち。
傷ができたときにきちんと「痛み」を知らせてくれる身体であり続けるために、神経障害の早期発見・早期治療を心がけましょう。

末梢神経障害では、特に足や手のしびれや知覚の鈍りから症状が現れることが多くあります。
安静時に足がつったり、皮膚の表面に虫がはっているような不快感が出たりする方もいます。
また、徐々に身体の中心に向かって症状の範囲が広がっていきます。

たかがしびれなどと思わず、症状が見られたら早めに医師に相談しましょう。

治療は血糖コントロール、薬物療法で

それでは神経障害が現われた場合、どのような治療がなされるのでしょうか?

神経障害の治療の基本は「血糖コントロール」です。食事・運動療法に加え、血糖を下げる薬物療法やインスリン療法などが行われることもあります。

長い間高血糖だった方の血糖が急激に低下した場合に、一時的に痛みを感じることがあります(治療後神経障害)が徐々に改善しますので、勝手に治療を中止しないようにしましょう。
神経障害は、高血圧・脂質異常・飲酒・喫煙などもそのリスクを高めるので、これらも考慮して生活改善を行います。
また、病状によっては神経障害に対する薬物療法も行われます。
神経障害はソルビトールが神経に蓄積すること(ポリオール代謝異常)で起こりますが、ソルビトールの生成を抑え蓄積を防ぐ薬(アルドース還元酵素阻害薬)を使って治療が行われます。
血流を改善する薬を使って、神経への血流を増やし、栄養や酸素をしっかり供給することで症状の改善を図る場合もあります。
神経障害による不快感に対しては、症状を緩和する目的で、鎮痛剤や整腸薬などの薬が使われます。

神経障害予防の鍵は「血糖コントロール」。運動も効果的。

では、神経障害を予防するにはどうすればいいのでしょうか?

まず大事なのは、神経障害を起こしてしまったときと同様に、血糖コントロールです。
糖尿病治療の基本であるカロリーや栄養バランスを守った食事や運動を習慣づけ、血糖値を安定させるようにしましょう。
運動は血糖値コントロールのみならず、血流増加を促すことなどから神経障害予防の効果があることが分かっています。
しかし、末梢神経障害や足病変の程度によっては、下半身への荷重(体重の負荷)による足トラブルの発生や悪化が心配されます。
下半身への荷重が小さい運動には水泳やサイクリングなどがありますが、全身状態を把握し、正しい運動の強度を知るためにも、事前に医師に相談することをおすすめします。

まずは血糖コントロールを。神経障害を予防しよう

神経障害は糖尿病の比較的早い時期から見られる合併症の一つです。予防も治療も、血糖コントロールが重要です。
また、早期発見・早期治療が鍵。いつもと違う感覚や、身体の不調を感じたら医師に相談しましょう。
常に痛みやしびれの感覚と過ごすのはとても辛いものです。

定期的な受診と血糖コントロールによって、神経障害を予防、またもし発症しても早期で食い止めるようにしましょう。

糖尿病性神経障害を回避せよ!

-第3回 神経障害の治療って?

治療の基本は、血行をよくすること

https://dm.medimag.jp/column/46_1.html より~

糖尿病性神経障害の治療の基本は、神経細胞に蓄積した余分な物質(ソルビトールなど)を取り除き、血流をよくして神経細胞に酸素や栄養がよく行きわたるようにすることです。そのためには、血糖のコントロールを良好に維持することが非常に重要です。

症状が軽い初期の段階であれば、血糖値を正常化することで、神経障害の諸症状を改善し、症状が消失することは少なくありません。では、治療薬以外で症状を改善する方法を見てみましょう。

●血糖コントロールのための運動療法
一般的には糖尿病の予防や改善のために運動をするようにアドバイスされると思います。しびれなど末梢神経障害を有する人でも、運動することで下肢の血流の改善が期待できるため、軽症例に限って許可されます。

この“軽症例に限って許可”というのは、足に外傷を認める場合や高度の糖尿病性自律神経障害を認める場合では、運動中の突然死の危険性があり、原則として運動は禁止されているためです。

さらに、長期間の血糖コントロール不良な人では、急速な血糖改善により痛みを起こすという、治療後神経疼痛を呈することがあります。ですから運動療法を始める前には、必ず主治医と相談し、健康状態を把握したうえで、どのような運動をどれくらい行ったらよいのかを確認しておく必要があります。

●禁酒
飲酒の問題点として、飲酒そのもののエネルギーによる血糖の乱れや、飲酒による食事量の乱れ、さらに血液中の脂質の上昇、低血糖の問題があげられます。
また習慣的に飲酒を続けていると、ビタミンB群の欠乏などから足のしびれや痛みが出現することもあるため、糖尿病性神経障害の症状を悪化させる恐れがあります。

●禁煙
喫煙は、血管を収縮させるため血流が悪化します。血流が悪化すれば、神経へ栄養が行きわたらなくなり、神経障害を悪化させてしまいます。
また喫煙は、血糖値を上げる作用のあるホルモンの分泌を促し、インスリンの効き目を悪くして糖尿病を悪化させるという報告もあります。もし糖尿病性神経障害と診断されているにもかかわらず、喫煙しているのであれば、1日でも早く禁煙するべきです。

●入浴・手足のマッサージ
家庭で手軽に血流の改善ができる方法として、ぬるめのお湯にゆっくり入浴することや軽いマッサージをすることなども有効です。痛む場所を温めると良くなることが多いのですが、湯たんぽや電気アンカ等の使用は、低温やけどを起こす場合があり危険ですから注意しましょう。また、靴下をはいて寝ることをお勧めします。

 

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漢方薬と糖尿病

漢方薬と糖尿病

漢方薬の大きな特徴としては、二つ以上の生薬を組み合わせて作られているので一剤で色んな症状に効くことが挙げられます。そして本人の自覚症状や体力、体質などを診て「虚(きょ」「実(じつ」「陰(いん)「陽(よう)」や「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」などに分類していきます。副作用が少なく、じっくり自然治癒力を高めることで身体のバランスを整えていきます。
ですので糖尿病そのものを直ぐに完全に治す漢方薬はありません。
漢方には「糖尿病」という考えがなく、諸説ありますが血液の循環が悪い「?血(おけつ)」などと捉えられているのです。また、多飲や多尿、夜間頻尿などは「腎虚(じんきょ)」などと考えられます。このような様々な症状に合わせて色んな方面からアプローチしていくことが出来ます。

 

糖尿病によく用いられる漢方薬

田七人参

田七人参
「薬用人参」という言葉をご存知ですか?少し前まで日本で多く使われていた言葉です。田七人参の他にも、高麗人参、朝鮮人参、シベリア人参・・・等の人参のことを指します。
漢方の世界では、古くから金不換(きんふかん=お金に換えられないほど貴重なもの)
といって非常に貴重に扱われてきたのが田七人参。
しかしあくまでも「西洋医学」の世界でいう「薬」ではないことから、「薬用」という文言を用いるのは適切ではない、ということから、「薬用人参」という言い方はNGとなりました。
しかし「薬用人参」という言葉が使われていたくらい、ものすごい効果があるとされているのがこの田七人参なのです。
田七人参には多様な効果があり、糖尿病や、糖尿病型で、血糖値を下げたい、ヘモグロビンa1cを下げたいという方の多くに田七人参を毎日飲んでいる方も多いです。
田七人参には、パナキサトリオール、トリテルペンサポニンが含まれています。
トリテルペンサポニンには、抗炎症作用、解毒作用、疲労回復作用、抗糖尿病作用
パナキサトリオールには糖の取り込みを亢進させ、血糖値の上昇を抑制する作用があります。
ちなみに田七人参のサポニンの量は朝鮮人参(高麗人参)の約7倍!です。
田七人参の漢方薬は高額ですが、最近は「オーガニック田七人参」をそのまま精製してサプリメントにしている商品もあり、リーズナブルなお値段で摂取することも可能になり、多くの方々から支持されています。

 

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八味地黄丸(はちみじおうがん)

高齢者によく用いられます。体力は普通か虚弱で、なおかつ胃腸機能が健全、腰と下肢の脱力感や冷え、しびれ、頻尿がある人に使用します。

 

大紫胡湯(だいさいことう)

体力のある人で、胸から脇が重苦しくて張っているような症状や、みぞおちがつかえて硬い症状が診られる人が条件になります。主に便秘や口の苦さ、耳鳴り、肩こりがある人に用いられます。特にこの漢方に含まれている生薬「大黄(だいおう」は、便通を良くしたり炎症を抑える作用があるので、胸や脇の苦しさなどが楽になる効果があります。

 

五苓散(ごれいさん)

水分の循環を良くして、身体の中の余分な水分を取り除く効果があります。吐き気や嘔吐、下痢、むくみ、めまい、頭痛などに用いられることが多い漢方薬です。口が乾いたり、尿の量が少ないことを目安に使用されることも多いです。

 

白虎加人参湯(びゃっこにんじんとう)

体力のある人で、ほてりや多尿、多汗、熱症や乾燥などに用いられます。そして便秘がない人に使用することが多い漢方薬です。この漢方薬に含まれている生薬「石膏(せっこう)」と知母(ちも)によって全身の熱を冷ましたり、口の乾きを改善させます。また、「人参」や「粳米(こうべい)で体力も回復させます。

 

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

体力があり、便秘や顔面紅潮、充血、ほてりなどの症状がある肥満の人に用いられます。メタボリックシンドロームにも効果があるとされています。
この漢方薬は発汗を促す、熱を冷ます、便秘を改善する、身体の水分のバランスを良くする、血行を良くするなどの作用があります。

 

漢方薬の注意点

糖尿病によく用いられる漢方薬と特徴などをご紹介しました。薬になりますので、懸念がある方は医師や薬剤師にしっかりと体質を診てもらってから服用するのが望ましいでしょう。
漢方薬は、説明書に書いている症状に当てはまらなくても処方されていることがありますが、それも中に含まれている生薬や症状に合わせて判断されたものなので問題ありません。
何か分からないことや不安なことがあれば、医師や薬剤師に相談しましょう。また「漢方薬」は苦い、まずい、など抵抗がある方は、錠剤で苦さのない「サプリメント」からはじめてみるのもいいでしょう。ちなみに「サプリメント」は薬ではなく分類上は「食品」扱いになります。薬は副作用が心配で・・・という方は、サプリメントもおすすめです。

糖尿病の漢方薬

 

糖尿病の漢方薬

更新日:2016/12/09

糖尿病の治療と検査

糖尿病は、体内のインスリンの作り方や使い方に問題がおきて、摂取した食物エネルギーを正常に代謝できなくなる病気です。糖尿病の漢方薬について、栄養学と漢方医学の専門医師の監修の記事で解説します。

漢方の世界では「糖尿病」という概念はありません。しかし、昔からいわれている、口の渇き、多尿、四肢のしびれに加え、重症例で見られる体重減少などを改善するときに、漢方薬が用いられてきました。

漢方での糖尿病の考え方

漢方薬は、一剤でさまざまな効能や効果を持っているため、幅広い症状に対応できます。

糖尿病で血糖値が高いと血液粘度が増し、脳梗塞や虚血性心疾患の合併も増えます。血液粘度の増加や血栓症の場合、漢方では「瘀血(おけつ)」と定義されます。

多飲・多尿・夜間頻尿・下肢のしびれなどは、「腎虚(じんきょ)」と定義されることも多く、気がスムーズに流れない「気滞(きたい)」、体液の分布がアンバランスで滞っている「水滞(すいたい)」などの原因が多岐に渡ります。その点でも、漢方薬で改善される可能性は高いといわれています。

糖尿病にともなう、口の渇き、多尿、多汗、神経症状など多方向からのアプローチが可能です。症状に合わせて漢方薬が選択されています。

具体的には、高血糖に対しては、肥満の自覚症状がある場合、合併症に対しての治療が考えられます。高血糖に対しては、漢方薬のみでの血糖降下作用は十分ではありません。西洋医学的な薬の対象にならない軽度の症状に対して使用します。

血糖値の上昇または糖尿病の進行にともなう、口の渇き・多飲・多尿や全身のだるさや疲れやすさなどの症状に対して使用します。

肥満をともなう処方は、抗肥満作用やコレステロールや血糖値の低下を期待して使用します。糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症などの合併症に対しても使用するケースが多いです。

糖尿病の合併症の原因である「微小循環障害」(毛細血管が働かず、細胞に栄養がいかなくなった状態)は、漢方医学的には「瘀血(おけつ)」ととらえられ、血流を改善する駆瘀血剤(くおけつざい)を使用します。

糖尿病の漢方薬

大柴胡湯(だいさいことう)

体力のある人に使用します。胸脇苦満(きょうきょうくまん:胸からわきにかけて重苦しく張っているような状態)や心下痞鞭(しんかひこう:みぞおちがつかえて硬いこと)が認められて、便秘、口の苦さ、耳鳴、肩こりがある場合に使用します。特に、大黄(だいおう)は緩下作用や抗炎症作用を持っているため、胸脇苦満や炎症を抑えることができます。

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

体力のある人に使用します。構成生薬の石膏(せっこう)と知母(ちも)で全身の熱を冷まし、口の渇きを改善させ、人参や粳米(こうべい)で体力を回復させる作用があります。ほてりや多尿、多汗、熱症や乾燥に使用します。便秘がない場合に使用することが多いです。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

体力のある人に使用します。麻黄(まおう)や石膏(せっこう)などを中心に、多くの生薬が配合されています。発汗、清熱(せいねつ:体内に停留している余分な熱を冷ますこと)、便秘改善、利水(りすい:体内の水の分布状態を正常にすること)、血行促進などの効果を含み、代謝や排便を促し、肥満体質を改善します。

便秘、顔面紅潮、肥満、充血、ほてりなどの症状がある、いわゆる「太鼓腹」の人に使用します。メタボリック症候群に適するといわれています。

八味地黄丸(はちみじおうがん)

体力は普通か虚弱な人に使用します。特に、高齢者によく使用されます。胃腸機能が健全で、腰部および下肢の脱力感、冷え、しびれ、頻尿があることを目安に使用します。

六味丸(ろくみがん)

比較的体力のない人に使用します。上記の八味地黄丸から桂皮(けいひ)と附子(ぶし)を除いたものです。冷えがなく、口の渇きがある場合に使用します。腰部および下肢の脱力感、しびれや耳鳴、めまい、ふらつきなどの有無が、使用するポイントです。

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

八味地黄丸に利尿作用のある牛膝(ごしつ)と車前子(しゃぜんし)という生薬を加え、しびれや痛み、尿量減少やむくみが強く、胃腸機能が正常な場合に使用します。

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

比較的体力のない人に使用します。桂枝湯(けいしとう)をベースに、水滞(すいたい:体液の分布がアンバランスで滞っている状態)を改善する朮(じゅつ)と体を温める作用の附子(ぶし)を加えた漢方薬です。寒がり、四肢関節の痛みや腫れなどがある場合に使用します。

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

体力のない人に使用します。四物湯(しもつとう:血分を補う漢方薬)と四君子湯(しくんしとう:気を補う漢方薬)を合わせ、黄耆(おうぎ)・桂皮(けいひ)を足し、生姜(しょうきょう)・大棗(たいそう)を除いた漢方薬です。病後や術後、慢性疾患などからくる疲労衰弱、全身倦怠感、気力低下、顔色不良などがある場合に使用します。

柴苓湯(さいれいとう)

急性・慢性の下痢で、体力は普通の人に使用します。小柴胡湯(しょうさいことう)と五苓散(ごれいさん)を合わせたもので、水分代謝異常をともなう免疫系の病気やステロイド剤の副作用軽減などを目的に、広く使われています。

胸脇苦満(きょうきょうくまん:胸からわきにかけて重苦しく張っているような状態)があり、尿量減少、むくみなどの症状をともなう場合に使用します。

清心蓮子飲(せいしんれんしいん)

比較的体力のない人に使用します。水の偏りを治す茯苓(ぶくりょう)、消炎・利尿作用のある車前子(しゃぜんし)に、胃腸虚弱・虚弱体質の人にも使用できるよう人参(にんじん)や黄耆(おうぎ)などが配合されたものです。

上記の八味地黄丸などの地黄が配合されている漢方薬では、胃腸に負担がかかるケースもあるため、胃腸虚弱の方にも使用できる漢方薬です。

慢性的に排尿困難、残尿感、排尿痛、頻尿を訴え、口が渇き、神経不安をともなう場合に使用します。

最後に

糖尿病の治療は、まず食事療法と運動療法、そして、必要に応じて現代医薬で血糖を適切にコントロールすることが基本です。漢方薬は、血糖値を安定化する作用は穏やかですので、どちらかというと、自覚症状の緩和や合併症の予防のために補助的に用いられています。このような治療法を理解して、専門医のもとで服用するとよいでしょう。

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腎臓に効く鍼灸経絡治療(自律神経調整による免疫活性療法)
人工腎臓透析を始める前に、始めた方も少しでも自分の腎臓を使えるように、鍼灸治療を試してみませんか?
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①漢方における腎臓


漢方では、腎臓のことを腎といい、これは腎臓の作用を示す言葉で
具体的には、副腎機能と腎臓本体の機能の二つを分けて表しています。
副腎機能については、全身の細胞の活性化や緊急時の対処などについて
中心的な役割を果たしています。
また、腎臓本体については、主に血液中の不用物の体外排泄、
骨髓に作用して血球を作ること、全身の体液の調節などです。


②副腎の作用、ホルモン分泌

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K 透析患者の血液検査の値 – カリウム

K 透析患者の血液検査の値 – カリウム

http://www.geocities.jp/blackwildhamster/k.html より~

血清カリウム基準値は3.5~5.0mEq/l
腎不全では3.5~5.5mEq/l、要注意値は6.0mEq/l以上。
口のまわりのしびれ、手足に力がはいらないなどの高K血症の症状は
7.5~8.5mEq/lであらわれ除脈、不整脈など胸部症状や
呼吸筋の麻痺による呼吸不全は致命的な危険性がある。

高カリウム食品トップ4はハクサイ、トウモロコシ、サツマイモ、ほうれん草
その他、ナッツ類、低塩食品(カリウムを多く含む)、ドライフルーツ、
プルーン、コーヒー、スイカ、バナナなど。

高カリウム食品の過剰摂取で高カリウム血症をおこすことが最も多い。
漢方薬はイメージよりもカリウムは低く、また服用量も極少量であるので問題になりにくい。

青汁は飛びぬけてカリウムが高いので要注意。

高カリウムであると厳しく注意されますが
実際、透析を受けている人で高カリウムで死ぬという人はなかなかいません。
生グレープフルーツサワー5杯でカリウム9.0mEq/lという患者さんがいましたが
歩いて病院に通院できていました。

透析は受けていないが腎機能が悪いと指摘されている人はいろいろと調べて
腎臓に良い食べ物を探したりしますが、腎臓に良いといわれている食べ物は
たいがいカリウムが高かったりします。

健康な人にとってはカリウムの高い食品を食べると利尿作用により体の中のカリウムと塩分を
尿として排泄するので、とても健康に良いといえます。
塩分の高い食品をたべてしまっても野菜をしっかり食べれば
排泄でき、調節することができるわけです。

遺伝病の多発性嚢胞腎は腎臓、肝臓に嚢胞ができ、中年以降に腎不全となってしまう病気ですが
カリウムの多い食品、野菜、果物を食べることで嚢胞ができるのを予防することができるといわれています。

しかし、腎臓が弱り、検査でeGFRが30以下になるようではカリウムはうまく排泄されにくく、
体の中に溜まっていくのでカリウムの制限が必要となってきます。
eGFRが30以下とは腎機能が30%以下と考えることができます。

腎臓の悪い人でカリウムの制限をする目安は血液検査でカリウムの濃度が5.5以上になったころです。

体内の総カリウムのほとんど、98%は細胞内にあります。
細胞内液の主要イオンであるため
溶血、消化管出血、発熱性消耗疾患でも高値を示す。

高流量の回路から細い針をつかって採血をした場合や、
回路の折れによる溶血、強い再循環による溶血、脱血不良、
検査前に分離せずに冷所保存すると溶血をおこし高カリウムとなります。
白血球、血小板が増えている場合も採血後のカリウム値を上昇させる。
これを偽性高カリウム血症という。

筋肉はカリウムを貯蔵するためカリウム値の恒常性を維持するはたらきがある。
筋肉量の少ない女性や老人は高カリウム血症をおこしやすい。
体の小さい人はカリウムもすぐに上がってしまいます。

肝臓はインスリンの働きによってグルコースを取り込むと同時にカリウムもとりこむ。
インスリン欠乏は高カリウム血症の原因となる。
高カリウム血症の治療目的でグルコースとインスリンを静注することもある。

アシドーシスは細胞内のカリウムが細胞外にでることによって生じる。
pHが0.1低下するとカリウム値は0.6mEq/l上昇する。
透析はアシドーシスの補正を行うため
カリウムは細胞内に引き込まれ、血液中のカリウム濃度は低下するため
透析の拡散による除去の効率は悪い。

透析液のカリウム濃度(2mEq/l)は低カリウム血症の原因になりうるが
食事がほとんどとれない場合などに限られる。
透析一回で100mEq/lののカリウムが除去され、
一日の食事で60~100mEq/lのカリウムが補給される。
糞便中のカリウム排泄は20mEq/lなので
腎不全では高カリウム血症が慢性的に持続する。

食事制限、カリウム吸着剤、十分な透析が必要となります。

心疾患があるとき透析後の低カリウムが不整脈を誘発しやすい。
心収縮力を増強させるジギタリス製剤(強心利尿薬ジギトキシン)服用者は
利尿作用でカリウム値をさげるので透析後カリウム濃度が3.5mEq/l以下とならぬよう
カリウム濃度を3mEq/lにした処方透析が行われることもある。

心疾患がありジギタリス製剤を使用している、

体調が悪く食事も取れていないというときに透析後の低カリウム血症を予防するために

輸液内にカリウム製剤をいれ持続注入することがありますが、

希釈せずに直接カリウム製剤を体内にワンショットして患者が死亡するという事故がおきており

注意が必要です。カリウムは心臓を停止させる作用があります。

カリウム製剤はワンショットで使いません。カリウム製剤は点滴専用です。

維持透析患者の高カリウム血症の漢方製剤六君子湯によるコントロール

日本透析医学会雑誌
Vol. 28 (1995) No. 11 P 1443-1446

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt1994/28/11/28_11_1443/_article/-char/ja/
高カリウム血症の持続する維持透析患者11例に, ツムラ六君子湯7.5g/dayを三分割投与したところ, 血清カリウム値の顕著な低下を認めた.
薬剤投与直前の血清カリウム値は6.7±0.6mEq/lで, 1週間後には6.0±0.8mEq/lと有意に低下した. さらに2週間後, 4週間後には5.5±0.5, 5.6±0.6mEq/lと比較的短期間で, 顕著に低下し投与開始直前に比し, いずれも5%以下の有意水準で有意の低下と判定された. また六君子湯によると思われる重篤な副作用は, 特に認めなかった.
種々の管理にもかかわらず, 高カリウム血症の出現持続する透析患者には, 内服も容易な漢方製剤六君子湯の投与は, 従来の方法に比べ簡便であり, 今後一つの補助的方法として効果があると考えた.

 

腎臓病には、カリウムの多い緑茶はダメ!

日本人の方なら緑茶は馴染み深いものでしょう。
しかし、腎臓病の場合緑茶を控えなければならない事があります。それはカリュウム制限をしなければならなくなった時です。
カリウムは腎臓には負担になりませんが、腎機能が正常でなければ、尿中のカリウムが体外に排泄されませんので、摂取しなくても血管中のカリウムは過剰になります。
血液中のカリウムが過剰になると、筋力の低下、嘔吐などの胃腸症状、知覚過敏、不整脈などの心臓の拍動の異常が起こります。血清カリウム値が7~8mEq/lを超え、症状が重くなると危険な不整脈のために心臓停止が起きて生命に関わる事もありますので要注意です。
腎臓病の場合、食べ物も、満足に食べられないのでお茶とか、飲み物で空腹を紛らわす事もあると思います。
なので、お茶とカリウムの事も知って置いた方が良いと思います。
急須で入れる緑茶や抹茶はカリウムが多いですので、腎臓病のカリウムの取りすぎは命に関わる場合もありますので、飲まないほうが良いと思います。
しかしながら、ペットボトルのお茶は、比較的カリュウムが少ないので、食事とバランス取りながらであれば、飲んでも良いでしょう。
また、コーヒーもカリウムが多い飲み物です。コーヒーカップ1杯程度なら、200mg前後なので、飲みすぎに注意したほうが良いでしょう。

 

紅茶やウーロン茶、ほうじ茶は、緑茶やコーヒーに比べるとだいぶカリウムが少なくなります。
夏場は、なんと言っても欠かせないのが麦茶でしょう。
麦茶の場合、ほとんど、カリウムは0mgだそうです。
ですので、冷蔵庫に作り置きはもちろん。
暖かくするホット麦茶もなかなか美味しいものです。
これは裏技ですが、麦茶を濃く出すと、コーヒーのような風味になります。
しかもカフェインも0なので、健康的な飲み物になります。
最後に、高カリウム血症になった場合の治療ですが、軽度の場合はカリウムの摂取量を減らしたり、原因と飲食物を中止すれば改善します。重度の場合は、カリウムを吸収し便や尿とともに体外へ排泄する作用のある薬を使用します。緊急に治療が必要なときは、グルコン酸カルシウムで不整脈になるのを防いだり、重曹を投与して酸性に傾いた血液を中和したりする処置を行います。
そうなる前に、カリュウムには気をつけるべきです。緑茶もほどほどですね。