白内障Q&A

4. レンズの度数(ピントを合わせる距離)

Q.  9日に白内障の手術を片方しました。もともと近視で遠くの物や人の顔は見えませんでしたが、どんな細かい字も良く見え、長年眼鏡をかけることもなく不便はありませんでした。手術した今は新聞が読めません。1メートル先におけば新聞も読めます。片方は見えますが手術した片方は字が少し小さく見え読めません、どうも遠視になったようです。今は頭が痛くすぐに疲れ、布団に入って横になっています。買い物に行っても手に取るのではなく遠くから字が読めます。今両方で見えていますが片方を閉じると60センチ以上あけないと字が読めず台所の調味料の細かい文字が読めず、レセプトも見えない状態です。頭が痛むので道が歩けないのと、字はこれからどのように見えてくるのか心配です。パソコンも離れて見えますが入力が立ってできない、もちろん携帯メールが読めないで困っています。そのうちに調整されるのでしょうか?医師に相談しましたが私には解かりませんと言われました。(64歳 女性)

A.  眼内レンズの度数の決定には細心の注意を払います。通常は左右揃えます。今の左右の屈折状態(近視・遠視・乱視)は分かりかねますが、もう一度その度数に関し、主治医にお尋ねになってはいかがでしょうか。


Q.  1月13日に白内障手術を受けましたが、遠方がぼやけて約40センチのところに焦点が合っています。片目に合わせてもらえるものと思っていて、事前相談もないまま!遠くは左目、近くは右目で、カメレオンのようです。テレビを見ても片目がボケる?車の運転も眼鏡を作るまで心配です。多焦点レンズに変えてもらうことが出来るのでしょうか?精神的に落ちつきません。良い方法を教えて下さい。(80才 男性)

A.  まだ1週間なのでレンズの取替えは可能ですが、片眼のみ多焦点眼内レンズはあまりお勧めできません。左右のバランスが崩れる可能性があります。単焦点レンズの度を変えてもらうのもよいのではないでしょうか。 あとは、レーシックで近視を矯正するという方法もあります。


Q.  3/2に右目の白内障手術をしました。強度の近視で左右とも視力は0.01。右目は網膜の中心が傷んでいると言われ、近視の状態に合わせると言う事で、手術をしました。視力は0.4になりましたが、手元は見えなくなっていました。左右のバランスが悪いので、その後すぐに左目の手術をしました。左の視力は0.1になり、手元は見えるようになったのですが、とても目が疲れます。1ヶ月以内だと、レンズの入れ替えが出来ると言う事なのですが、2度も手術する事で目への負担が心配です。手術は右目のレンズを弱くするという事なのですが、眼鏡やコンタクトでは矯正できないものでしょうか?私は出来れば手術したくありません。手術しないのら慣れるしかないのでしょうか?また再手術する際のリスクはどれくらいあるのでしょうか?

A.  白内障手術で装入するレンズは手術前に角膜のカーブや目の奥行きなどの計測から、計算式によって最適なレンズを選択します。ところが平均から離れている方、すなわち高度近視に代表される患者さんは眼内レンズの度数が予測とずれてしまうことがよくあります。今回右目はどちらかというと遠くに、左目は近くにピントが合っていて両目で見ると違和感を感じるということだと思います。これは今までが両目とも近視で度数が同じような状態であったために、まだ頭の方が目の状態に適応していない状態だと思います。どれ程の左右差があるのかによって変わってきますが、年齢的に考えて時間が経てば今の状態に適応できるのではないかと私は思います。まずは眼鏡をかけてみて、それで問題ないようであれば手術をする必要はないと思います。眼鏡をかけてもとても適応できないようであれば、手術も1つの選択肢と思います。眼内手術ですので、感染症などの危険性は初回手術と同じですが、手術手技は単純なので手術そのものが失敗するということはまず無いと思います。


Q.  白内障(右目)の手術をして2ヵ月半ですが外を歩くときには焦点が合わずサングラスなしでは非常に疲れる状態です。近くは眼鏡なしでよくみえます。当初は乱視のせいと考えていたのですがレンズの間違いではないかと思います。レンズの選定については遠くに焦点をあわせるようにとお願いしたのですが、現状は近くに焦点を合わせたレンズのようです。もしレンズが間違っていた場合、再手術は可能でしょうか?

A.  レンズの間違いか、それとも生じうる「誤差」かもしれません。再手術でレンズを交換することも出来ますが、レーシックで行う方が安全のようにも思います。


Q.  83歳の母親。両眼とも白内障があり、矯正視力が左0.3右 1.0。裸眼の視力は両眼とも0.01あるかないかの近視です。左目の手術を勧められ、そのつもりでいますが、以下の2点について質問させていただければと思います。

1)手術する左目に近視を残すにしても、右目とのバランスが悪くなるし、右目の白内障が進行した場合、高齢によるその他の要因により、手術が難しくなる可能性もあるので、手術するなら、今、両眼ともした方がよいと勧められました。60代だったら、まず左目だけをしてはと勧めるとのことでした。まだそれほど進行していない右目も手術することには多少の抵抗がありますが、医師の言うこともわかります。両眼手術は妥当でしょうか。

2)両眼を手術する場合、最低でも1週間は空けるのが一般的だと思っていたのですが、医師に、最近では、翌日あるいは1日おいてもう片方の手術を行うこともかなり一般的になってきていると言われました。確かに、「ガチャ目 」の期間が短縮されるなど、高齢患者にとっても負担軽減のメリットはあるとは思います。ただ、感染は術後4~5 日で起こることもあるようですし、不安は残ります。翌日など短期間で両眼手術を行うことを提案された場合、あえて希望して1週間あけてもらう方がいいのでしょうか。それとも、そこまでする意味はあまりないのでしょうか。 お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

A.  1)83歳という年齢を考えると、右目に全く白内障がないとは考えられません。また、近い将来白内障で視力が低下する可能性が高いと思われます。主治医の先生が言われるように、この機に、少し近視を残したような状態で、両目の手術をされることをお勧めします。お母様に今後を快適に過ごしていただくことを考えると、その方がよいと思います。

2)以前の手術法では1週間空けていました。でも今の進んだ手術では、それほど間隔を空ける必要はないと思います。1日空ければ十分ではないでしょうか。場合によっては両眼同日に行うこともあります。ただし、慎重に考え、1週間空けられることもよろしいかと思いますし、その旨主治医に申し出れば、快くそうしていただけるのではないでしょうか。


Q.  先日左目の白内障手術をして遠くがよく見えるレンズを入れました。検査では1.2見えています。今度右目も手術するよう勧められ、やろうと思っています。同じ遠くが見えるレンズがいいのか、それとも近くが見えるレンズがいいのか迷っています。同じレンズを入れた場合と違うレンズを入れたときの見える感じを教えてください。現在は少し遠近感に違和感を感じています。

A.  モノビジョン法といって多少の度を変えることで、遠近めがね無しで過ごすことも可能です。ただし、あまり差を付け過ぎると疲れや立体視不全を起こす可能性があります。


Q.  左目が白内障で手術をしたいのですが、右目は手術するほど白内障はなく左目は右目視力に合わせて手術することになるため、術後も分厚いメガネのままです。裸眼視力は左右とも0.01ぐらいです。せめてレンズが薄くなるようにならないでしょうか?右目レーシックか白内障手術で眼内レンズを入れて、右目の度数を上げてから左目の手術をやってはどうでしょうか?

A.  難しい問題ですね。年齢から考えてレーシックを行うことはあまりお勧めしません。やはり左眼にあわせて、右眼も白内障手術を行い、近視を軽くすることがよいかもしれません。


Q.  手術は手術をしていない方の目に近い度数のレンズを入れてもらえるものと信頼していました。結果は、遠視と40cm焦点の眼内レンズでした。左右揃えないのは何故か。白内障手術は全部同じでしょうか、疑問に思います。

A.  レンズ度数選択はとても大切なことですが、かかっておられる医院ではそのような説明・相談は無かったのでしょうか? ただし、とくに元の状態が高度な近視の場合、しっかり検査をしても2割弱は狙い通りの屈折状態にならないこともあります。


Q.  3年程前に、左目の白内障手術をしました。現在、右目も白内障にかかったようです。左目は近視のレンズだと思うのですが、近くはボヤけて、遠い所は良く見えます。右目の手術を同じように近視にしてしまうと、新聞や雑誌など見たり、PCなどの作業が出来なくなってしまうのではないかと心配しています。職業はカメラマンなので、カメラを通して見る世界が変わってしまうようで心配です。現在は目のバランスが非常に悪く毎日目が疲れて困っております。何か良いアドバイスはありますでしょうか?宜しくお願い致します。(38才 男性)

A.  難しいご質問です。今どのくらいの近視なのか。左目はどのくらいの裸眼視力なのか、によります。右目をあえて近くにピントを合わせて弱い度数にするモノビジョン法もあります。遠くを左目、近くを右目で見るということです。左右の優位性(利き目が強い)が大きいとうまくいきませんが。このあたり主治医にご相談してみてください。


Q.  二軒の眼科医で異常なしと言われましたが、右目だけがどんどん見えにくくなり屈折異常の手術もできる眼科医に見ていただいて、核白内障と診断され手術を受けることになりました。母が白内障の手術を受けた眼科医には異常なしで不同視による弱視と言われました。見つけにくい白内障なのですか。検査方法は同じように瞳孔を開いて見ていただきました。手術の時に入れるレンズの度数は軽めの近視1D~1.5に合せると言われました。日常生活でなるべく眼鏡を使いたくないと思っていますのがこれくらいでいいのでしょうか。裸眼でよく見える実感がわかないので教えて下さい。

A.  核白内障は水晶体のレンズの周辺から白い濁りが始まる皮質白内障と違って、濁りがほとんど無く、屈折の状態だけが変化する(今回のように近視が進行したり)することがあります。このため初期では発見が難しいことがあります。手術の時に入れるレンズの度数ですが、まず大切なのは両眼のバランスです。今回右目だけを手術されるわけですので左目と度数があまり異なっても見づらくなってしまいます。-1~-1.5Dの近視ですと、裸眼で車の運転が出来るかどうかは微妙なところですが、普段の日常生活には眼鏡無しで過ごせることが多いと思いますが、これも生活スタイルによって全く異なりますので担当医の先生とよく話し合って決められてはいかがでしょうか。


Q.  右目の視力低下があり受診したら核白内障と言われました。もともと近視、乱視があります。2008年9月の時点では右:S-5.75,C-2.0,AX25で、視力は0.8、左:S-4.00,C-2.0,AX165で視力は1.0、現在の矯正視力は右は0.3くらい、左は0.8くらいです。 右目の手術を受けるつもりですが、左目はまだ白濁も少ないといわれ片目の手術になります。私のように乱視があって、片目しか手術しない場合は、術後の眼内レンズはどのように考えたらいいのでしょうか? 最終的には、どのようなメガネが必要になりますか?

A.  通常はバランスをとって、少し近視を残すか、今までどおりの近視の度にすることが多いです。その場合は今までどおり近視のメガネが必要です。手元はメガネをはずせば見えます。この機に、両方の目を手術し、近視を無くすことも場合によってはあります。または多焦点眼内レンズを選択する場合はこれも両眼の手術になります。


Q.  83歳の母親。両眼とも裸眼で0.01あるかないかの近視。右目の白内障が進行し、まずは、右目、続いて左目の手術を受けることにしました(4月16日にこちらで相談させていただきました)。眼内レンズの度数設定についてうかがいたく、再度、メールしています。医師から、手元40cmに合わせる。-2.5Dで、視力でいうと0.1あるかないか程度との説明を受けました。近視を残して手元を見えるようにとは最初から思っていたので、そのまま同意し、そのときは、特にそれ以上の質問をしなかったのですが、以下の点を確認させていただければ幸いです。

1)手元を見えるようにする場合、-2.5Dというのは一般的なのでしょうか。

2)医師は中距離、遠距離に合わせる他の選択肢については、言及しなかったのですが、高齢で、強い近視だと(ちなみに眼軸長は29とのことでした)、必然的に短距離に合わせることになるのでしょうか。

A.  1)手元を見えるようにする場合、-2.5Dというのは一般的なのでしょうか。
⇒40センチの距離ですので、よいと思います。

2)医師は中距離、遠距離に合わせる他の選択肢については、言及しなかったのですが、高齢で、強い近視だと(ちなみに眼軸長は29とのことでした)、必然的に短距離に合わせることになるのでしょうか。
⇒はい、一般にはそうですね。

健常人を病人にする方法 高コレステロール血症 高血圧

http://meirusenju.jp/kunika/195/ より~

健常人を病人にする方法

前項の様に、多項目の検査をすれば大部分の健常者を病人に仕立て上げることが出来るのです。これに加えて、多くの病人を作る方法がもう一つあるのです。それは、基準値を厳しく設定することなのです。前項で説明しましたように、基準値は健常者の95%が入る範囲なのですが、例えば、健常者の半分が入る範囲に狭めれば、残りの半分は病人になります。この最も典型的なものは、総コレステロールと血圧なのです。では、総コレステロールの分布範囲と基準値の関係を図に示します。全体の95%が入る範囲は2SDとして表現してあります。基準値は赤い太線で示してあります。本来は2SDと基準値は同じになるはずなのです。しかしながら、下図では2SDの範囲と基準値の範囲が大きくずれていることがお分かりでしょう。特に、中高年の男性では約の半分が異常高値になっていますし、女性でも中高年の三分の一位が基準値をオーバーしています。従って、病人を沢山作るための基準値が設定されていることが一目瞭然です。
*標準偏差(Standard Deviation)は、平均値に対する観測データの散らばりをあらわす記述統計量で、SDと省略して表現されます。変数が正規分布にしたがう場合は、平均値から1×標準偏差の範囲内に、約68%の観測データが含まれることを意味します(2×標準偏差で考えると約95%が含まれます)。

コレステロール
では、何時から何故にこの基準値が設定されたのでしょうか?私が就職した1976年(昭和51年)には、総コレステロールの基準値は260 mg/dlだったのです。それが1990年(平成2年)には250 mg/dlになり、その後に基準値は220 mg/dl に引き下げられているのです。何故にこの様な基準値の変更があったのでしょうか?その要因は、高脂血症薬メバロチンの発売が関係しているとしか考えられません。メバロチンの発売時期は1990年(平成2年)で、総コレステロールの基準値が220 mg/dl に引き下げられたのが、その半年前なのです。総コレステロールの基準値が220 mg/dlに変更されると、一夜にして約2000万人に高脂血症という病名が付けられ、病人にされたのです。一部の心ある医療関係者の間では、メバロチンを販売するために、御用学者に総コレステロールの基準値を引き下げるための研究報告をさせたという話題があったのです。実際、現在のコレステロール関連の年間医療費は、なんと7500億円以上なのです。
では、本当に総コレステロールの基準値は220 mg/dl が妥当なのでしょうか?長生きした人の総コレステロールの値を統計的にみてみると、240~280 mg/dl が最も長生きしているのです。即ち、上図で示した健常人の2SDの範囲である95%の健常人が入る範囲が良いことになります。ですから、1916年に示された260 mg/dl の基準範囲が適切であるのです。

逆に、高脂血症と診断されている人の方が、高脂血症でない人と比較して、脳卒中で入院した場合の死亡率は2分の1から3分の1に低いと報告されています。脳梗塞では、高脂血症のない人約9900人の内で死亡は5.5%であるのに対し、入院時に高脂血症と診断された人約2300人の死亡は2.4%でした。脳出血では、高脂血症のない人約2800人の内で死亡は13.4%であるのに対し、入院時に高脂血症と診断された人約440人の死亡は6.3%でした。くも膜下出血では、高脂血症のない人約1300人の内で死亡は17.3%であるのに対し、入院時に高脂血症と診断された人約2300人の死亡は6.3%と、いずれも高脂血症患者で低かったのです。この要因として、コレステロールが血管を作る材料になるので、高脂血症患者の方が血管の状態が良いことが挙げられます。となると、高脂血症の定義自体が怪しいことは明らかです。
コレステロールは、何故か悪者扱いされて、その危険性がアピールされています。しかし、コレステロールの生体内での役割は全くと言っていい程に示されていません。実際、皆さんはコレステロールが体の中でどの様な働きをしているのかご存知ですか?コレステロールの最も重要な働きは、生体内で細胞膜や各種ホルモンの材料となることなのです。従って、コレステロール150 mg/dl 以下にしてしまうと、これらの材料が十分に提供できなくなってしまうのです。また、うつ病の発生率が高くなるとの報告や、発がん率がとの報告もあるのです。
同様に、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの基準値は140  mg/dl 以下になっています。テレビのコマーシャルでは、有名人を使ってLDLが高いと心筋梗塞になるので“LDLが高い人はお医者さんへ”と宣伝しています。LDLコレステロールと心臓病死ならびに総死亡率との関係を図に示しました。統計的には、LDLコレステロール値と心臓病死との間には相関は無いのです。逆に、総死亡率はLDLコレステロールが高い方が低い結果を示しています。LDLコレステロールは、基準値より高めで、男性は100~180 mg/dl、女性は120 mg/dl 以上が長生きの傾向があるのです。日本脂質学会では、血中脂質を薬で下げすぎると危険であると警告していますが、まさにその通りなのです。私は、日本脂質学会の言い分が正しいと考えています。基準値を少々超えても問題ありません。もし、下げようとする場合には、先ずバランスの良い食事と適度な有酸素運動を試みるのが健康的と言えます。

LDL

腹囲(メタボ検診)に根拠なし

偉い役人たちが利権を確保するために如何にいい加減なことをしているのかの代表的事項は、メタボ検診です。メタボ検診とは、ご存じの通り、2008年(平成20年)4月1日から義務化され、腹囲(男性 85cm以上、女性 90cm以上)、血糖値(空腹時血糖値100mg/dl以上またはHbA1c 5.2% 以上)、高脂血症(中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレステロール 40mg/dl未満)、血圧(収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上)を測定するものです。メタボ検診を始めるに当たっては、その意義を心血管死亡率の低下などをうたっていました。しかしながら、その根拠は非常に乏しいのです。

例えば、腹囲で考えてみましょう。身長180cmで筋肉質のスポーツマンの腹囲が86cmとします。身長からすると非常にスマートで、何の問題もありませんが、メタボ検診ではアウトなのです。逆に、身長150cmで腹囲が89cmの主婦ではどうでしょうか?これは、メタボ検診の腹囲はクリアーしていますが、どう考えても健康的とは言えません。この様に、腹囲の基準は疑問符が沢山つくのです。しかも、腹囲がメタボ健診の必須項目になっているのは、世界中でも日本だけなのをご存知ですか?海外では、腹囲はメタボ健診の1つの因子にはなっていますが、必須項目ではありません。しかも、アメリカ人は体格が大きいので男性の腹囲は100㎝なのです。ならば、日本人でも体格の良い人は100㎝でなければいけないと思うのですが、、、、、

メタボ検診が有用なのか、根拠の無いものなのか検証すべき事項は、身長、体重、血圧、空腹時血糖、中性脂肪、HDL コレステロール、LDL コレステロールの測定に加えて、腹囲を測定するこが心血管イベントの発生を予測するために有用であるかどうかという解析です。多目的コホート研究*では、危険因子の集積による全死亡と心血管死亡の絶対数と相対危険度を、肥満者と非肥満者で比較した数値を示しています。それによると、男女とも肥満者と非肥満者で相対危険度は差がなくて、絶対数は非肥満者の方が逆に多かったのです。

*(JPHC 研究;生活習慣についての情報を集め、10年以上の長期にわたって疾病の発症に関する追跡を行うことによって、どの様な生活習慣が疾病の発症に関連しているのかを明らかにすることを目的とした研究。全国11保健所と国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、大学、研究機関、医療機関などとの共同研究)

読売新聞は、平成22年2月9日の夕刊に「メタボ腹囲根拠なし」という見出しの記事を掲載しました。これに対して、厚生労働省は平成22年2月16日にこの報道を批判した通知を出したのです。しかしながら、これまでの研究で、2月9日の読売新聞夕刊の「メタボ腹囲根拠なし」という見出しは的確なことはあきらかです。腹囲測定は無駄であり、メタボ健診も無駄ということになるのです。読売新聞への官僚の報道批判は、逆に官僚の墓穴を掘る結果となっていました。

 では、何故にメタボ検診が制度化されたのでしょうか?それはメタボ検診が病院や製薬会社にとって最もおいしい分野だからです。つまり、①高血圧、高血糖、それに高脂質血症は患者が多いのです。(後に説明しますが、実は患者を多く作っている。)商売をされている方はみなさんが希望するように、沢山のお客さんが欲しいのです。その点では、この項目は千万人単位のお客を抱えている分野なのです。②次に、この疾患は直ぐには完治しません。治療には長期間かかるので、その間はずっとお得意様でいてもらえるのです。特に、高血圧で投薬が始まると、一生薬はやめられませんと言われる患者さんが沢山います。本当は、食事や運動などの生活指導で降圧剤を止められることも多いのですが、そんなことをしてはお得意様を無くすことになるので、殆どの医療機関では生活指導をすることは無いのです。③加えて、これらの患者は緊急性や重症化していないことが殆どなので、命にかかわることがありません。従って、専門でない医師が多少マトを外れた治療をしても死ぬことはないし、訴えられる危険性もありません。この様に、メタボ検診は医療関係者にとって最もおいしいのです。

メタボ3

降圧剤を飲むべきか?)

『ホームページからの健康相談』で2番目に多い相談内容は、降圧剤(高血圧の薬)を飲むべきか?です。

高血圧に関する記事は、

です。これらの内容をまとめます。

  1. 中高年には低すぎる基準値

現在の基準値は130 mmHg以下ですが、1987年から2000年までの老人基本健診での高血圧の基準値は180 mmHgでした。その後、2000年には年代別になり、80歳代では160 mmHgで59歳以下は130 mmHgとなったのです。2004年、2008年と変更があり、現在の130 mmHgが採用されています。この様に、20年で血圧の基準値は50 mmHgも低くなっています。

血圧基準値の変化

前回も書いたように、基準範囲とは、健康な人(健常者)を沢山集めて、その内の95%の人が入る範囲ですので、5%は基準値を越えます。現在の血圧の基準値である130 mmHg以下では、60歳以降の健常者の約80%は高血圧になってしまいます。低すぎる基準値であることは明白で、この基準値で約3000万人が高血圧患者になっています。降圧剤の年間売り上げは約1兆円と莫大な金額で、医療機関や製薬会社の大事な収入源です。血圧は年齢とともに上昇するので、本来は年齢別に基準値を作るべきであり、中高年は2000年の基準値が正解と考えています。

  1. 血圧と寿命の関係

血圧は、低い方が元気で長生きできるのでしょうか? 一般に、高血圧になると脳出血を起こすので危険であると宣伝し、降圧治療を勧めています。確かに、血圧が200 mmHg を超えるような場合には、降圧治療は正解です。しかし、脳卒中の内、出血による死亡は約3割なのですが、脳血栓による死亡はその倍の約6割もあるのです。薬剤による過度な降圧治療は血流障害を引き起こし易く、脳血栓の可能性を高めているのです。実際、80歳の老人の5年生存率と血圧の関係では、血圧を130 mmHg 以下の基準値内に保った場合の5年生存率は低く、逆に160 mmHg以上の高血圧と診断されている方が長生きなのです。降圧治療は、長生きするよりも、体調を崩し、命を縮めている場合の方が多いことを知るべきです。

  1. 降圧剤は一生やめられないはウソ!

降圧剤を飲み始めると一生止められないといわれていますが、これは間違いです。ただし、服薬を急に止めると反動で血圧が不安定になる可能性があります。止め方は、以下を参考にしてください。

* ストレスの除去

高血圧の原因の多くは、肉体的または精神的ストレスが原因です。休養や気分転換などでストレスを除去することが必要です。

* 禁煙

煙草は、血管を硬くし、収縮させることで血圧を上昇させます。百害あって一利無しです。

* 体重を減らす

肥満がある場合は、食事療法と運動療法で減量すると、体重1 Kg当たり2 mmHg低下します。

* 有酸素運動

有酸素運動は、血流を改善するので、血管の抵抗が減り、血圧が低下します。日常生活に取り入れることが不可欠です。

上記をしばらく実行して、血圧をチェックして以前より安定していたら、薬を1/2に減らします。この状態でまたしばらく様子をみます。さらに安定してきたら、薬の量を最初の1/4に減らして、様子をみます。この様に、半年~1年単位の期間をかけて、徐々に薬を減らしていけば、止められる可能性が高くなります。

  1. まとめ

* 中高年の血圧130~150 mmHg位は、加齢による生理的変動範囲内で問題ない。

* 180 mmHg位までは服薬よりも、禁煙、減量、運動で改善をはかる。

医者の薦める薬を飲んでいれば健康でいられると思っておられる方は、健康長寿は望めません。上記の記事を参考にして、降圧剤を飲むべきかを考えてください。

(お勧めの本: 薬をやめれば病気は治るー岡本裕)。

コレステロールは食事制限の必要性なし!

食事の2  http://meirusenju.jp/kunika/807/ より~

 

コレステロールは、重要な栄養成分であるにもかかわらず、“血液ドロドロ”の原因などの濡れ衣で悪者扱いをされ、摂取制限がいわれてきました。しかしながら、本年2月にアメリカの厚生省と農務省が設置した「食事指針諮問委員会」から、「コレステロールは、過剰摂取を心配する栄養素ではない」との報告書が公開されました。即ち、食事と血清コレステロールの間には明らかな相関は無いので、食事制限は必要ないということなのです。なお、コレステロールが血管をつまらせる原因物質との説も、誤解なのです。

の3コレステロール

上記を議論するに当たって、最初にコレステロールの働きを示します。主な役割は、①細胞膜の原料、②ホルモンの原料、③胆汁酸の原料です。コレステロールが無いと、生命を維持する事が出来ません。また、LDLコレステロールの役割はコレステロールを必要な場所へと運ぶ運搬係として重要で、悪玉と呼ばれるのは心外です。HDLコレステロールは、余分な分を持ち帰る係です。

LDL HDL

次に、何故にコレステロールが無実の罪で悪者扱いをされるか説明します。発端は、ウサギにコレステロールを与えたら、動脈硬化を起こしたとの実験報告でした。ここで良く考えてください。ウサギは草食動物であり、動物性のコレステロールは食べません。無理に与えれば具合が悪くなるのは当たり前ですし、このウサギの動脈硬化は血管の外側にできていたので、内側に付いて血管を詰まらせるとの根拠にはなりません。これは、食塩が高血圧の原因であるとした実験と同じ間違いです。ネズミに通常の20倍位の食塩(ヒトに換算すると、1日当たり約300g)を半年間摂取させた結果から導かれたもので、現実には有り得ない実験条件なのです。実際は、多めの食塩摂取が原因で高血圧になるのは極一部の人(塩感受性を持った人)だけで、他の大部分の人では食塩は尿中に排出されて高血圧になることはありません。(ただし、既に高血圧を発症している人や、腎機能が低下している人は、摂取制限が望ましい。)この様に、間違った実験結果からコレステロールが動脈硬化説の犯人として濡れ衣を着せられ、そのコレステロールを組織に運ぶLDLコレステロールが“悪玉”になったのです。LDLコレステロールは、決して悪玉ではなく、生命維持に必要な働きをしているのです。確かに、動脈硬化を起こした血管にはコレステロールの付着が認められるのですが、この付着は動脈硬化の炎症をコレステロールが修復していることが近年の研究で明らかになっています。コレステロールは無罪であり、善人なのです。

コレステロールの約70%は、体内で合成されます。従って、食事から沢山のコレステロールを摂取した場合には吸収量を落とし、さらに合成量を調整するので、血中のコレステロール濃度は一定に保たれます。動物性の脂肪には体内で合成できない必須脂肪酸も含まれているので、高齢者も適量の動物性脂肪を摂取する必要があります。逆に、薬でコレステロールを下げ過ぎると、うつ病やアルツハイマー病に罹りやすくなることが報告されています。コレステロールは悪者ではありません。このブログでは何度も繰り返していますが、肉、魚、野菜、果物、米も、バランスよく食べることが、健康長寿の秘訣です。

基準値(正常値)のウソが修正される?

基準値(正常値)のウソが修正される?

2014年05月01日

これまで、健康診断の基準は厳しすぎて、健康人を病人にしていると書いてきました。即ち、正常な検査結果を異常値と判定して、健康人を病人にすることにより、必要のない治療や投薬をして病院や製薬会社が儲けていたのです。私の主張が真実であることを証明したのが、2014年4月5日付朝日新聞1面の「『健康』の基準緩和─血圧・肥満度・コレステロール(人間ドック学会)」というタイトルの記事です。

血圧の基準値(正常値)は、年齢に関係なく130 mmHgとされてきましたが、これは若者の値であって、健康な高齢者は140~150 mmHg位あるのです。1987年の高血圧の基準値は180 mmHgだったのをご存知でしょうか?その後、50 mmHgも引き下げて130 mmHgにし、健康な高齢者に降圧剤を飲ませていたのです。なお、血圧は年齢とともに変化するので、本来は年齢別に基準値を作るべきなのです。

肥満に関しては、BMIが肥満と判定される25~26位が長生きであることは統計学的解析から明らかだったのですが、今回は男性が27.7で女性が26.1まで上がっています。ただし、一番病気が少ない体型は男女ともにBMI=22ですので、健康で長生きするには22から25位が適当と考えられます。なお、腹囲の男性85 cm、女性の90cmは全く医学的が根拠がありません。

コレステロールは、男性254 mg/dlまで、女性は280 mg/dlまでを基準値(正常値)としました。昔の基準値は250 mg/dlでした。メバロチンというコレステロールを下げる薬が発売されると同時に、基準値が220mg/dlに変更されていたのです。この基準値では、半分以上の中高年が異常値になります。要するに、薬を飲ませるために基準値を引き下げていたのです。コレステロールは、細胞膜やホルモンの原料となる大切な栄養成分なので、薬で下げすぎると健康を害するのです。

また、LDLは悪玉と宣伝されてきました。実際は、LDLはコレステロールを組織に運ぶ大切な役割をしているので、これまでの基準値を超えた値の人の方が長生きしているのです。LDLは決して悪玉ではないので、今回の大幅な上方変更は当たり前です。

学会はこの新基準を6月に正式に決め、来年4月から運用する予定です。
製薬会社から研究費という名目でワイロを受け取っている御用学者が、薬を沢山売りたい製薬会社と結託したウソの数々が、少し改善されるようです。

 

【表】新基準 血圧・肥満度・コレステロール

ドック新基準

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クレストールで筋肉が溶ける!?それは横紋筋融解症という副作用です

クレストールで筋肉が溶ける!?週刊現代やネットの情報でびっくりされた患者さんも多いと思います。表現は過激ですが、これは間違いではありません。筋肉が溶ける副作用は横紋筋融解症という名前です。血液検査で発見することができるので、高脂血症の治療をしている患者さんは定期的に血液検査をすることをおすすめします。

1.横紋筋融解症の基本

横紋筋融解症は高脂血症の治療に使われるHMG-CoA酵素阻害薬ニューキノロン系抗生物質で起こる可能性がある副作用の一つです。これらの薬以外でも起こる可能性がありますが、極めて稀なため薬剤師から説明することはほとんどありません。横紋筋融解症の発生件数はHMG-CoA酵素阻害薬で一番多いので、高脂血症の治療を初めてする患者さんは注意しておきましょう。

1-1.HMG-CoA酵素阻害薬の一覧

商品名 成分名
クレストール ロスバスタチン
リピトール アトルバスタチン
メバロチン プラバスタチン
ローコール フルバスタチン
リポバス シンバスタチン
リバロ ピタバスタチン

成分名の語尾がすべてスタチンで終わることからHMG-CoA酵素阻害薬はスタチン系と呼ばれることが多いです。
※高血圧の治療に使われるカデュエット・アマルエットにもスタチン系が含まれています。

1-2.発生頻度

スタチン系の場合、約1000人に1人の確率で起こることが報告されています。不幸にも横紋筋融解症が原因で死亡する患者さんは1000万人に1人の確率でみられます。これはジャンボ宝くじの1等に当たるのと同じ確率だそうです。

1-3.発生時期

スタチン系の場合、飲み始めてから数週間~数ヵ月以降に発症することが多い。飲み始めてから数年経過している場合でも、併用薬との相互作用で血中濃度が上がり発症することもあります。脱水症状が横紋筋融解症を発症する引き金になることもあるので、水分は意識的にとりましょう。

2.早期発見が重要!

不幸にも横紋筋融解症を発症したときは、直ちに薬の中止もしくは減量をする必要がある。発見が早期であれば、薬の中止で自然と回復することがほとんどです。副作用を放置すれば、溶けた筋細胞が腎障害をひきおこし腎不全・透析となる可能性もごく稀にあります。そうならないために「初期症状の把握」と「定期的な血液検査」が重要となってきます。

2-1.副作用の初期症状

    1. 筋肉が痛い

横紋筋融解症の初期症状は筋肉の痛みから始まります。特に筋肉繊維の多い大腿部で起こりやすいため、足の痛みは要注意です!運動をしていないのに、筋肉が痛む・足がつるといった症状がでたときは横紋筋融解症の可能性があります。

    1. 手足の力が入らない

手足に力が入らない・しびれる・こわばる・全身がだるいといった症状がある場合は要注意です!特に薬の飲み始めにこれらの症状があるときは横紋筋融解症の可能性があります。

    1. 尿が赤褐色になる

溶けた筋細胞は腎臓をとおり尿中に排泄されます。尿の色が赤褐色となり「コーラ」のようなおしっこがでてきます。腎障害が進んでいる可能性があるので早期に医療機関を受診することをおすすめします。

2-2.血液検査で発見

横紋筋融解症を発症したときは、血中CK値が上昇しやすい。CK値は運動、インフルエンザなどの感染症、脱水などで通常の5倍程度まで上昇することがあります。過去の血液検査結果を見て、数値が高いことを理由に自己判断で服用を中止してはいけない。

3.記事の指導せん

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薬剤師からのコメント
高脂血症の治療を開始する患者さん、副作用を不安に思っている患者さんにお渡ししたい指導せんです。

4.まとめ

まれな副作用については薬剤師も説明しないことがあります。これをいい機会に「副作用の初期症状」くらいは頭の片隅にいれておきましょう!

 

クレストールの効果と副作用は?添付文書から徹底解説!

クレストールは高コレステロール血症に効果的な薬です!
クレストールとは?
クレストールの効果・作用
クレストールの用法・用量
クレストールの使用上の注意
クレストールの副作用
クレストールの値段・購入方法
おわりに

クレストールは高コレステロール血症に効果的な薬です!

クレストールはコレステロールを正常化するはたらきを持ち、高い効果を発揮することから、高コレステロール血症の治療の第一選択とされることの多い薬です。
週刊現代の誌面で「医者に出されても飲み続けてはいけない薬」として取り上げられたクレストール。

実際には国内のみならず、100か国以上の国で承認され、多くの人に使用されている薬です。
週刊現代で問題視されたクレストールの副作用「横紋筋融解症」についても解説します。

この記事では、クレストールについて添付文書を中心に解説しています。

クレストールとは?

クレストールはどんな薬?

クレストールはコレステロール値が高まって高コレステロール血症を引き起こした時にコレステロール値を低下させるためによく処方される薬です。特に悪玉コレステロールを減少する作用に優れています。

クレストールの適応疾患

クレストールは高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症に適応しています。

市販薬

クレストールは医師の処方箋が必要な医療用医薬品で、現在市販薬は販売されていません。

ジェネリック医薬品

クレストールのジェネリック医薬品は現在販売されていません。

クレストールの効果・作用

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脂質異常症治療薬の副作用について

https://www.min-iren.gr.jp/?p=29236 より~

 アトルバスタチン(リピトール錠など)、ロスバスタチン(クレストール錠など)、ビタバスタチン(リバロ錠など)、プラバスタチン(メバロチン錠など)、シンバスタチン(リポバス錠など)、フィブラート(リピディル錠など)、エゼチミブ(ゼチーア錠など)

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脂質異常症治療薬は、治療指標としてLDLコレステロール・トリグセライド(TG・中性脂肪)の異常値を引き下げる目的で使用されます。脂質異常症治療薬は、スタチン系・フィブラ-ト系・小腸コレステロールトランスポーター阻害薬などがあります。民医連新聞で掲載してきた脂質異常症治療薬の副作用をこの5年間のモニター報告を中心まとめてみました。
共通の副作用として、「横紋筋融解症と随伴症状」「脱毛」「薬剤性肝障害」があります。
なお、「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療のエッセンス」は、2014年3月に日本動脈硬化学会からだされていますので、管理指標の参考としてください。
http://www.j-athero.org/qanda/
なお、薬物療法を開始する前に、食事・運動・生活習慣の改善が基本中の基本です。

横紋筋融解症と随伴症状に注意
厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル:横紋筋融解症」には下記の注意事項が記載されています。『骨格筋の細胞が融解、壊死することにより、筋肉の痛みや脱力などを生じる「横紋筋融解症」は、医薬品によって引き起こされる場合があります。主に高脂血症薬、抗生物質(ニューキノロン系)でみられることがあるので、何らかのお薬を服用していて、次のような症状がみられた場合には、放置せずに医師・薬剤師に連絡してください。」「手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む、」「手足がしびれる」、「手足に力がはいらない」、「こわばる」、「全身がだるい」、「尿の色が赤褐色になる」などの症状に気づいた場合で、医薬品を服用している場合には、いったん中止して、すみやかに医師・薬剤師に相談してください。』
症状は、筋肉・関節の痛みやしびれ・脱力感・倦怠感など症状が個人によって様々です。そのため、副作用と気づかずに長期間放置されているケースもあります。(症例2.3.4.)
投与直後から1ヶ月が発現しやすいのが特徴ですが、高齢者では、QOLの低下につながるだけに日常の運動機能の確認も必要です。(症例1.)重篤事例では長期投与を経過して発現している場合もあります。(症例5.6.)脂質異常症治療薬の服薬時は、横紋筋融解症の初期症状を患者さんに伝え、3か月以内は、肝機能とCPKの毎月チェックをすすめるとともに、長期投薬例では、患者の訴えを確認しすみやかに服薬中止と検査を実施することが必要です。
また、アトルバスタチン・ロスバスタチン・ビタバスタチン・フィブラート・エゼチミブは肝機能障害時には禁忌、スタチン系とフィブラート系は中等度腎障害が禁忌であることにも留意が必要です。

(症例1)70歳代女性。階段歩行では膝の痛みがある。脂質代謝異常の診断でプラバスタチンNa錠5mg開始。翌日、下肢のしびれ、痛み、脱力が出現。階段をのぼるがつらくなる。投与2日目、手の指先の感覚がなくなる。3日目中止。中止半月後、手先の感覚麻痺は改善、下肢のしびれ、痛み、脱力は軽快しているが症状は残存。さらに1か月後、改善した。
(症例2)80歳代女性。プラバスタチン10mg開始23日後筋肉痛で中止。9/29シンバスタチン5mg投与開始。筋肉痛はなし。約2年後、LDLが改善したため、自己中止すると、両足の浮腫みが翌日に消失。服薬すぐに足の浮腫みがあったが下肢静脈瘤のせいだと思っていた。
(症例3)60歳代女性。以前プラバスタチンでコレステロール管理し改善したので中止。11/4再度コレステロール上昇したためエゼチミブ10mg開始。半月後、背中の痛み・指の痛みが生じた。整形外科など多数受診するが原因わからず、翌年3/23整形外科医からの勧めでゼチーア中止。中止5日後痛みなくなる。
(症例4)60歳代女性。以前ロスバスタチンで足がしびれる感じがあり中止。中性脂肪が高いためベザフィブラート徐放錠200mg開始。1週間後、肘と膝の筋肉痛がでたが、運動のためと思い継続。服用50日目で筋肉痛が続くため中止。中止後数日で劇的に改善した。
(症例5)60歳代女性。アトルバスタチン5mg開始。2年10か月後AST41・ALT56・CPK117。3年3か月後、午前1時起き上がれずはって歩いている。手足に震えむがあり力が入らない。しゃべることはできる。発熱なし。脳外科受診をすすめられ受診。異常なし。翌日、手足の震えかわりなし。起きて歩けない。内科と神経科受診。AST311・ALT117・LDH1988・CPK23295。輸液施行。眠剤とアムロジピン以外中止。中止後1週間。AST77・ALT83・LDH341・CPK832。アトルバスタチン以外投与再開。中止2週間後退院、AST54・ALT67・LDH309・CPK183。退院1月後、AST48・ALT45・LDH273・CPK64。
 (症例6)40歳代女性。32ケ月前のSCr1.5であり軽度腎機能障害の可能性のある患者。25ケ月前に他院にてロスバスタチン2.5mg処方開始。中止日当日、意識レベル低下のため救急搬送。手足冷汗、40℃の発熱。呼びかけに答えず。四肢(上肢<下肢)硬直傾向。向精神薬内服なし。凝固系・血小板異常なし。高張性脱水の傾向。AST94・ALT46・LDH387・CPK1748・SCr3.37。中止後5日目、AST931・ALT303・LDH1961・CPK75878・SCr3.67。その後徐々に改善に向かう。32日目、AST13・ALT11・LDH267・CPK51・SCr2.50。

脱毛について
プラバスタチン2例、エゼチミブ3例・フィブラート1例の脱毛が報告されています。1症例は、エゼチミブとプラバスタチンいずれでも脱毛が報告されました。60台~70台の女性で、しかも日常生活上での容姿に関連する副作用であり、脂質異常症治療薬は全体として注意が必要です。
(症例1)70歳代女性。エゼチミブ10mg内服数日後から脱毛発現。1か月後中止。回復期間不明。プラバスタチン10mg内服3日後から脱毛発現、そのまま内服し42日後受診し中止。2か月程度で症状おさまる。
(症例2)70歳代後半女性。プラバスタチン10mg開始。2年後脱毛相談あり、アトルバスタチン5mgへ変更。2年後プラバスタチン5mgへ変更し、4年8か月後10mgに増量。2年8か月後、脱毛の訴えがあり、5mgへ減量。2か月後、自分で調整しており、服薬中止すると脱毛が少し改善するため、3日~5日ごとの服薬でコントロールしている。
(症例3)70歳代前半女性。エゼチミブ10mg服用後、5日ほどで洗髪時髪の毛が抜けた。14日間服薬後、中止し2~3日で改善した。
(症例4)60台女性。ロスバスタチンからベザフィブラート徐放錠へ変更。約半年後、びっくりとするほど毛が抜ける。3か月後中止。中止後4ヶ月で改善。

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スタチン系に多い副作用

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